手助け
「で、その依頼ってのは、どんな依頼なんですか?」
俺は新川先生に尋ねる。
「まあ待て。今回の依頼はおそらくお前らにとっては相当厳しい依頼になるだろう。それでも、この依頼を受ける覚悟はあるか?」
新川先生はらしくない真剣な眼差しを俺たちに向け言った。
「それじゃあ、別に受けなくてもいいですか?何かすごい面倒くさそうだし」
「バカ野郎!お前はそれでも男か!ここは受ける以外の選択肢はないに決まっているだろう」
どっちみち俺たちに選択肢なんかないんじゃねぇか。
何をしたいんだ、この人は。
「では、受けましょう。悠人さん」
「まあ、そうだな」
「じゃあ、決まりだな。では、まず先に依頼者の名前を言おう。依頼者は生徒会会計の新藤 臨弥だ」
「「・・・・・・・・・」」
その名前を聞いた瞬間、部員全員が黙り込んだ。
おそらく、咲、ちーちゃん、早苗は「誰?」という意味で黙り込んだのだろう。
だが、俺と木の葉は違った。
「「俺(私)この依頼下ろさしてもらっていいですか?」」
俺と木の葉がほぼ同時に新川先生に言った。
それを見て新川先生は少し驚いた表所湯をしている。
「お前ら、理由は?」
「あの人、好きじゃない。いや、嫌い」
木の葉は静かに言う。
何か、木の葉が言うとがガチ感が半端ないな。
新川先生はその理由を聞いて今度は呆れた表情をしていた。
「まあ、わかった。そこは考慮しておくよ。じゃあ、お前は?」
新川先生は俺に尋ねる。
「あいつ、俺に何故か敵意丸出しだし。あと、関わりたくない」
「よし、お前はいけるな」
「おい待て。何で木の葉がよくて、俺がダメなんだよ」
「お前は男だろ。そのくらいどうもない」
何だ、その四歳くらいの男児が泣いたときに言う言葉みたいなやつは。
俺は立派な高校生だぞ。
ピチピチの16歳だぞ。
しょうがない。たまには俺もガツンと言ってみようではないか。ガツンとな。
「新川先生!俺は」
ギロリッ
「俺は・・・・もちろん依頼を受けさせていただきます。はい」
どうやら、俺が新川先生に反抗できる日はだいぶ先になりそうだ。
「では、今度は依頼の内容の方を説明する。といいたいとこなんだが、今回は意外とデリケートな問題だからな。依頼者本人を呼んである」
「げっ」
「何だ?陰山。まだ文句があるのか?」
新川先生は俺を睨みつけながら尋ねる。
「いえいえ、あるわけないじゃないですか。もう全くもってないです」
と言っておかないと俺はおそらく死ぬ。
だが、何で新藤がここに来てるんだよ。マジで面倒くさい。
ほら見ろ、木の葉だって来ないでオーラめちゃめちゃ出しちゃってんじゃねぇか。
あいつ生徒会でも扱い酷いし。ホント嫌われる天才だな。
「おい、もう入ってきていいぞ」
新川先生がそう言うと、部室の扉が開き、茶髪で相変わらずチャラそうな新藤が入ってきた。
「失礼します・・・・って、何でお前がここにいるんだ!」
新藤は早速俺を指さして言ってきた。
「当たり前だろ。俺はこの部活の部長なんだよ。ってか、お前知ってんだろそのくらい」
「う、うるせぇ。チッ、今日はとんだ厄日だぜ」
それはこっちのセリフである。
「あの、新藤さん?もしよければ依頼の内容を話していただけると助かるのですが?」
俺と新藤が軽い口喧嘩をしている中、咲が尋ねる。
すると、新藤は申し訳なさそうに言った。
「あ、すいません。では、話させていただきたいと思います」
何だこいつ。急にキャラ変えやがって。
おそらく、こういう器用なことができるから生徒会でも通用するのか。
嫌われてはいるけど。
とりあえず、新藤を客用に置かれた椅子に座らせる。
「で、依頼の内容って何よ」
早苗が改めて尋ねる。
「あ、はい。それは・・・その」
新藤は何やら恥ずかしそうな、そんな表情で口ごもる。
「ちょっと。さっさと言ってくれないかな?じゃないと、私、悠くんを襲いそうなんだけど」
ジロリ
ちーちゃんがふざけてそう言うと、何故か俺の方に視線が集まる。
しかも、これがかなり恐い。
ってか、新藤。何でお前がこっちを見ている。
お前が早く言わないから何かよくわかんないことになってんだぞ。
「わかりました。では、言います」
新藤はやっと決心が着いたのか、さっきよりもかなり真面目な顔つきになる。
そして、俺たちに言った。
「俺の依頼したいことは、俺が現生徒会会長、如月 玲先輩に告白をする手助けをして欲しいんです」
・・・・・・・・・・・は?




