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星の下で  作者: ちびひめ
6/29

レン

レンはとても活発な子だった。

昼御飯を食べたらすぐに運動場へ走っていった。


私は前世の校庭を思い出していた。さつまいもに合わない砂の校庭を掘り返して、土を運び、さつまいもを育てていた。残った片隅で、槍の訓練をしていたが、さつまいものほうが面積が広かったことを覚えている。


そんな校庭に駆け出して行くレンになんだかホッとしながら私もレンに続いた。

サッカーしようぜ!と言ったが、サッカーのゴールはすでに上級生がいて、とても使わせてもらえそうになかった。

仕方がないので違う遊びをしようかと言っていたら、レンがどこからともなく、ライン引きを持ってきていた。

「それ、使っていいと?」

と聞くと、

「表に出とったんだけん、使っていいど」

と返事した。

私たちは安心して、人の少ないところへ行き、ラインを引いてサッカーを始めた。

さすが、レンは華麗なボール裁きでゴールを攻める。

するとその時、二年生の先生が、

「ちょっと君たち、何年生?」

と言って入ってきた。

「……一年生……ですけど……」

「勝手にライン引きを使っちゃダメじゃない。」

と言って叱られた。

「あれは外に置いてあったのに……」

と私が言うと、

「そうなの?でも、学校のものを勝手に使っちゃいけません。わかりましたか?」

その答えにしぶしぶ

「はーい」

と答える面々。

明らかに不満そうだったが、こればっかりは仕方がない。

私たちは書かれたラインが消えるまでサッカーを続けた。

昼休みのあとは掃除の時間だ。私は渡り廊下の当番で、水浸しにしては滑る遊びを友達とくりかえしていた。

もちろん、服はびしょ濡れ。一緒の班だった女子からは怒られ、先生からも怒られた。

だが、私は楽しかった。

水浸しにして滑るその行為よりも、みんなと一緒に遊べることのほうが楽しかった。だから、怒られても、めげずにまたやるのだった。


レンはクラスでも人気者で、私はそんな彼の友達だということに誇りをもっていた。

私自身はちょっとおとなしめのグループに所属していたかもしれないが、レンの友達として一目置かれていたようで、レンも私と仲良くしてくれた。

そして、ちょっとだけ優越感に浸っていた。


レンの人気はあっという間に他のクラスにまで広がって、あっという間に人気者になってしまったのだった。

レンはそれでも私に声をかけることを忘れなかった。


私は、一生の親友を手に入れたと思った。

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