成仏
それからは毎日レンと過ごした。
ご飯を食べていると横からちょっかいだしてくるレン。
しかし、攻撃パターンが毎回同じなので、回避も簡単だった。
これまでのことをあわせると、レンは生き霊で、俺には見えて触れるし触られるけれど、他人からは見えもしなければさわることもできない、といったところか。
私はネットで熱心に生き霊についてググったが、怖い話ばかり出てきて、生き霊の生態というか、成仏できるのか、もしできるなら成仏した後はどうなってしまうのか書いてあるページはほとんどなかった。
もし、成仏したらレンも死んじゃうなら、どうにかして身体に戻る方法を見つけなければならない。
それはとても難しい問題だった。
ネットではらちがあかないと、私は近所の寺を巡ることにした。最初に行った寺では、霊的な話はわからないと言われ、次に行った寺ではいそがしいからと、けんもほろろだった。
最後の頼みの綱である小さな寺。
そこでようやく話を聞いてもらえた。
「生き霊は、成仏しません。」
「えっ?」
「生き霊は呪いの一種ですから、身体に戻るか、そこで消えるか、の二択になります。」
そう住職さんは言った。
「じゃあ、消えちゃっても何も起こらないってことですか?」
「あなたの場合だと、レンくんの想いが強くとりつかれたことになるので、もしかしたら願いを叶えると、本体の方のレンくんにも影響はあるかもしれませんね。」
「それって……」
「レンくんの目が、覚めるかもしれないということです。」
やった!!と私は喜んだ。
「あくまでも、かもしれないと言う話ですよ。」
「それでもいいんです。可能性さえあれば……」
私は喜んで帰路についた。
レンも喜んでいた。




