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星の下で  作者: ちびひめ
11/29

離婚

谷先輩の件があった後もレンはいつものように接してくれた。


「今日は花火持ってきたばい。」

「花火すっと?俺二段花火ばする!」

「二段花火って何?」

「こうして人差し指と中指と薬指で二つ花火ば持つとばい!」

「おぉ、武者んえぇね!俺もそれしよう!」

レンが持ってきた花火に目を輝かせる私たち。

そう、ここは秘密基地。

親にだまってライターを持ってきたレンは、得意気に花火を見せた。

「レンくん、花火は危なかよ、やっぱり。」

と弱気になる私に、レンはいつもの調子でおちゃらけて見せる。

「ちゃんとろうそくも持ってきたけん、大丈夫ど。」

と言うレンの自信におされて私は口をつぐむ。

夕方になり、暗くなり始める前に花火大会は始まった。

二段花火はみんなの間でとても流行った。

私ももちろん、二段花火をして遊んだ。


花火が終わるとレンは、どこから持ってきたのかバケツに水を張って持ってきた。

「片付けばちゃんとせんば、危にゃーけん……」

妙なところが律儀な子だ。


私たちは花火をバケツに突っ込むと、それぞれの家に帰って行った。

私とレンは最後だった。



レンが口にする。

「うちの父ちゃんと母ちゃん、りこんするてたい。」

「りこん?」

「だけん、俺は父ちゃんと引っ越すか、母ちゃんと今の家に残るか決めなんてたい。」

「レンくん、引っ越すと?」

「……俺は男だけん、母ちゃんば守っていかなんと思うつたいね。だけん、多分引っ越さん……」

「りこんって、どういう意味なん?」

「父ちゃんと母ちゃんが別れて離ればなれに暮らすって意味らしい。」

「それって、レンくんのお父さんがお父さんじゃなくなるってこと?」

「そぎゃん感じ。母ちゃんには俺がおってやらんと、可哀想だけんね。だけん、俺は引っ越さんどこうて思う。」

「そっか……」

この頃は私は離婚の意味合いがまだよくわかっておらず、レンの話を深く聞いてやることは出来なかった。


前世でも独身で独り身の私には離婚云々がよくわからなかった。

ただ、レンが辛い、それだけはよくわかった。

「僕はどぎゃんなったって、レンくんの友達だけん」

それしか言葉が出なかった。

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