「怖い夢とか」
誰でも怖い夢のひとつやふたつ、見た経験があるかと思います。
なんとなく歴代の怖い夢を語ってみたくなったので、だいぶ時期はずれではありますがなんかひとりごと書いてみようかと思います。
少々残虐な表現等あると思いますのでご注意下さい。
そのいち「人食い赤ちゃん」
何かに追いかけられる夢をみるというのは「怖い夢」の良くあるパターンだとは思いますが、わたしの場合追いかけてくるのは裸の赤ん坊という一見どこも怖くないモノでした。
ただし、夢の中のわたしはそのかわいらしい赤ちゃんが、人間を頭からバリバリ食べてしまう人食い赤ちゃんであることを知っているのです。だぁだぁとかいいながら、にこやかに笑う赤ん坊が、本当はとても恐ろしい怪物であることを知っているのです。
大抵の場合、外で遊んでいる時に、どこからともなくその赤ちゃんは現れます。近くにお母さんらしき人影はなく、赤ちゃんはオムツすらしていない裸です。
一緒に遊んでいた友達と迷子かな、などと話していると、なぜかわたしは突然その赤ちゃんが「人食い赤ちゃん」であることに気がついてしまうのです。
赤ちゃんを抱き上げようとした友達に「その赤ちゃん、人食いだから、あぶないから近づいちゃだめ!」って言うのですけれど、なぜかをうまく説明できないので、友達は「かわいそうじゃない」などと言いながら赤ちゃんに近づいて……。バリバリと頭から食べられてしまうのです。
友達に信じてもらえなかったこと悔しさと、失ってしまった悲しみに浸る間もなく。赤ちゃんはにっこり微笑みながら、わたしの方へハイハイしてきます。
……そこから追いかけっこが始まります。
ハイハイしている赤ん坊なのに、なぜかどんなに一生懸命足を動かしても振り切ることが出来ません。
追いつかれた瞬間。または喰われるよりはマシと崖などから飛び降りた瞬間に目を覚ますことが多いです。
しかし、オバケや怪物といった明らかに怖いものじゃなくて、ハイハイしてくる赤ん坊に追いかけられるとかいったどんな暗示なのでしょう……。
調べたりはしませんけれど。
そのに「奇妙な道具」
怖いと言うより意味不明な夢かもしれません。
ある日、父が奇妙な物を持ってきます。それは鉄の輪と棒で金属で出来た謎の道具でした。
形状を説明するのが難しいのですが、それはロボットの腕に似ていました。
肘から先、手の甲までで指先はありません。手首と肘のところが鉄の輪で、それを二本の鉄の棒がつないでいます。手の甲の部分には短い鉄の棒が四本。
鉄の輪以外はまるで人間の骨を模したように見えました。あるいは、謎の外骨格。
赤く錆びていて、何やらとても不気味な雰囲気です。
わたしが「これ何?」と尋ねると、父は「こうやって使うんだ」とその奇妙な道具を左腕に装着しました。
鉄の輪にはどこにも切れ目は無いのに、なぜか初めからそうであったかのように父の腕にぴたりとはまっていて、手の甲の鉄の棒はどう見ても手のひら側まで突き抜けています。
目の前で腕にはめるところを見せられたのに、どうやってソレを腕に装着したのかまったくわかりません。
手のひらを突き抜けているようなのに血も出ていないし、痛そうでもありません。
むしろまるで聖衣でも身につけたかのような得意げな様子です。
わたしは何か知恵の輪的なはめ方というか特別なやり方があるのではないかと、「も一度見せて」と何度も目の前でつけたりはずしたりしてもらいますがまったくどういう理屈なのかさっぱりわかりません。
そのうちに兄がやってきて「かして」といって、あっさり左手にはめてしまいました。
わたしも試してみようと「かして」って言うのですけれど、「これはオトナにしか付けられないんだ」と父が首を横に振りました。「おにーちゃんだってまだ子供じゃない」って無理やり奪い取って、えいやと自分の腕にその奇妙な物を押し付けると、なぜか案外抵抗もなしにカチリと音を立ててその奇妙な物はわたしの腕にはまりました。
やっぱり鉄の棒は手のひらを完全に突き抜けています。まったく痛くは無いのですが確かに刺さっている感覚がありました。
わたしが「ほら、ちゃんとはまるでしょ」って得意げに胸をはると、父と兄がわたしの手を指差して笑います。見ると、鉄の棒が突き刺さったところからぶくぶくと泡が吹き出して、手が溶け始めていました。
父と兄が「だから言ったのに」と笑います。「そんなこと言わなかったじゃない!」って叫んでも後の祭りではめる時は簡単だったのに、どうやってもその奇妙なモノはわたしの腕からはずれず。父と兄はただニヤニヤ笑うだけ。
……泣きながら目が覚めました。
この夢は一度しか見たことがありませんが、未だに覚えてるくらいだから当時はものすごく怖かったんだと思います。
夢の中では何の説明もなかったのですが、後から思うと何かの拷問機械というか呪われた装備というか、そういうシロモノだったんじゃないかと思います。
そのさん「見覚えの無い死体」
これは一人暮らしをするようになって見始めた夢です。
端的に言うと、うちに帰ると知らない人が自分の部屋で死んでいる、というヤツです。
最初に見たのは初めて一人暮らしをするようになった頃のことでした。
うちに帰って布団をしこうと押入れを開けたら、知らない女性がごろん、と転げ落ちてきました。
もう、大パニックです。首を絞められたような跡があって、明らかに死んでいます。しかもまったくその顔に覚えがありません。何の関係もない人がなんでうちで死んでるの?
警察に連絡しようと部屋を飛び出したら、いきなり押さえつけられて「犯人確保~!」ってわたしは犯人じゃないしって思いながら目を覚ます感じです。
この夢にはいくつか派生があります。
警察には捕まらないけれど幽霊が出てくるパターンは、犯人はわたしじゃないのに延々と呪われ祟られます。
上の階の住人が犯人のパターンはわたしも殺されます。
似た系統の別の派生として「昔、人を殺したことを突然思い出す」というのもあります。
大概の場合なぜか死体を隠した場所で急に工事が始まって事件が発覚するという。友人知人にばれそうになって「しょうがないからこいつも殺さなきゃ」なんて冷静に考えて実際に実行しちゃう夢は、また別の意味で怖いです。ナイフを突き刺したときの感触とか、もう、ね。
年取ってから見る怖い夢は妙にリアルでやばいですね……。