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『「お前の仕事はAIでできる」とクビになった俺、異世界では“働けない若者”の希望になった』  作者: げのげのもへじ


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4/5

港の責任者が下した判断

第三話を読んでくださり、ありがとうございます。


第四話では、

昨日の救出劇を受けて、

港の責任者がガルムを呼び出すところから始まります。


魔道具が便利になりすぎた街で、

“人の力”がどう扱われるのか。

そして、ガルムが本当に“働ける”のか。


感情ではなく、

街の制度と現場の事情が動く回です。


ぜひ、続きを楽しんでください。

翌朝。

俺たちは再び港へ向かった。


ガルムは緊張した面持ちで歩いている。

昨日の救出劇のあと、作業員から

「責任者に報告する」

と言われたのだ。


ガルムは何度も拳を握りしめていた。


「兄ちゃん……俺、ちゃんと話せるかな」


「大丈夫だ。

 昨日のお前を見たら、誰だって分かるさ」


港に着くと、

昨日の作業員が手を振った。


「来てくれたか。

 責任者が話したいってよ。ついてきてくれ」


ガルムはごくりと喉を鳴らした。


***


責任者の部屋は、港の奥にあった。

中には、白髪混じりの大柄な男が座っていた。


「……ガルムだな。

 昨日の件は聞いている」


低い声だが、怒気はない。


ガルムは背筋を伸ばした。


「はい……!」


責任者は書類を閉じ、ガルムを見た。


「まずは礼を言う。

 あの状況で動けたのは、お前だけだった。

 命を救ってくれて、ありがとう」


ガルムは戸惑ったように目を伏せた。


「い、いえ……俺はただ……」


責任者は続けた。


「だがな。

 “助けた”ことと“働ける”ことは別だ」


ガルムの肩がわずかに震えた。


俺は心の中でうなずいた。

(ここからが本題だ)


責任者は机の上の魔道具の図面を指した。


「魔道具は便利だ。

 だが最近、荷物の種類が増えすぎて、

 エラーが頻発している」


作業員が補足する。


「昨日みたいな“緊急対応”は、魔道具じゃ無理なんだよ」


責任者はガルムに向き直った。


「お前の力は確かに必要だ。

 だが、港の仕事は“規則”が多い。

 獣人だから、という理由で雇わないわけじゃない。

 ただ、正式に雇うには手続きが必要だ」


ガルムは唇を噛んだ。


「……俺、働けるんですか?」


責任者は少しだけ笑った。


「“働ける可能性がある”と言った方が正しいな」


ガルムの目が揺れた。


「可能性……」


「今日一日、試験的に働いてもらう。

 その結果を見て、正式に判断する」


ガルムは息を呑んだ。


「……や、やらせてください!

 俺……もう一度、胸張って働きたいんです!」


責任者は力強くうなずいた。


「よし。

 では今日からだ。

 お前の力、見せてもらうぞ」


ガルムは震える声で答えた。


「はい……!

 全力でやります!」


***


港を出たあと、

ガルムは空を見上げた。


「兄ちゃん……

 俺、本当に……もう一度、働けるかもしれないんだな」


俺はうなずいた。


「“働けるかもしれない”じゃない。

 “働くための一歩を踏み出した”んだよ」


ガルムは拳を握りしめた。


「……ああ。

 絶対に掴むよ、このチャンス」


若者たちの未来が、

確かに動き始めていた。

第四話では、

ガルムが“救った命”とは別に、

働くためには制度の壁があるという現実を描きました。


責任者の判断、

魔道具の限界、

港の人手不足。


その中でガルムは、

「試験採用」という一歩を掴みました。


次の第五話では、

ガルムが実際に“働く現場”に立ち、

その力が本当に通用するのかが試されます。


ぜひ、続きも読んでいただけると嬉しいです。

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