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『「お前の仕事はAIでできる」とクビになった俺、異世界では“働けない若者”の希望になった』  作者: げのげのもへじ


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2/5

魔道具にできない仕事を、若者が見つけた日

第一話を読んでくださり、ありがとうございます。

第二話では、 魔道具が便利になりすぎた街で、 若者たちが初めて“働けるかもしれない”瞬間を描きます。

主人公・悠真が感じた 「魔道具が万能なわけじゃない」 という違和感が、少しだけ形になる回です。

若者たちの表情が変わる瞬間を、 楽しんでいただけたら嬉しいです。


翌朝。

俺はリオたちと一緒に、街の大通りへ向かった。


《ルーメン商都》は朝から活気に満ちている……ように見える。

だが、よく見ると違和感がある。


市場では自動仕分け機が黙々と野菜を選別し、

荷車を引く魔道具が人の間をすり抜けていく。

店先に立つのも、案内をするのも魔道具だ。


(……本当に、人が働く場所がないんだな)


リオが不安そうに袖を引いた。


「兄ちゃん……本当に、俺たちにできる仕事なんてあるのかな」


「探してみないと分からないだろ。

 魔道具が万能ってわけじゃないはずだ」


そう言いながら歩いていると、

市場の端で、ひとりの老婆が困った顔をしていた。


「……あらまあ、どうしましょうねえ……」


木箱の山の前で、途方に暮れている。


俺は声をかけた。


「どうかしました?」


「ああ、旅の方。

 この木箱、仕分け機が“異物”と判断して弾いちゃってねえ。

 でも中身は全部、ちゃんとした野菜なんですよ。

 人の目で見れば分かるんだけど……」


リオが小さく息を呑んだ。


「……俺、できます!

 仕分け機が弾いたやつ、見分けられます!」


老婆が目を丸くする。


「まあ……本当に?」


リオは木箱に手を伸ばし、

一つひとつ丁寧に野菜を確認していく。


「これは形が少し歪んでるだけ。

 これは色が薄いけど、傷んでない。

 これは……うん、問題なし!」


老婆は驚き、そして笑顔になった。


「すごいねえ……!

 仕分け機よりずっと正確じゃないかい!」


リオの顔がぱっと明るくなる。


「ほ、本当ですか……!」


「もちろんさ。

 助かったよ、ありがとうねえ」


リオは胸を張った。

昨日までの沈んだ表情が嘘のようだ。


ガルムが小声でつぶやく。


「……リオ、すげえじゃん」


アイナも微笑む。


「やっぱり、人にしかできないことってあるんだね」


俺はうなずいた。


「ほらな。

 魔道具が便利でも、完璧じゃない。

 人の判断が必要な場面は、必ずある」


リオは拳を握りしめた。


「兄ちゃん……!

 俺、働けたよ……!」


その声は震えていた。

昨日までの“働けない自分”を否定するように。


老婆が言った。


「明日も来ておくれよ。

 仕分け機が弾いた分を見てもらえると助かるからねえ」


リオは目を見開いた。


「……いいんですか!?

 俺で……いいんですか!」


「もちろんさ。

 あんたの目は確かだよ」


リオは涙をこらえながら、深く頭を下げた。


「ありがとうございます……!」


若者たちの表情が、一気に明るくなる。


俺は心の中でつぶやいた。


(……これだ。

 こういう“人にしかできない仕事”が、まだ街に残っている)


そして、

若者たちが働く意味を取り戻すための道が、

少しだけ見えた気がした。


***


市場を離れたあと、

リオは何度も何度も言った。


「俺……働けたんだな……!」


その姿を見て、

俺は確信した。


(この街には、まだ“人の仕事”がある。

 それを見つけていけば……)


若者たちの未来は、きっと変えられる。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


第二話では、

魔道具が弾いてしまった“人にしかできない仕事”を、

若者たちが拾い上げる場面を描きました。


特にリオの

「俺、働けたんだ……!」

という言葉は、この物語の大きな転機になります。


次の第三話では、

二つ目の成功体験が描かれ、

若者たちの自信がさらに育っていきます。


続きも読んでいただけると嬉しいです。

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