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怪異怪域 怪異探偵の助手、白瀬真の怪異譚  作者: 山外大河
二章 名称不明【仮称】魂の商人

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10 専門家のやり方 下

「半永久的って……それは言い過ぎでしょ」


 流石に誇張しすぎだと思った。


「黒幻さんが此処で解決しなくても、流石に他の誰かが解決するんじゃないですか。当然今此処で行動できた方が被害者は減ると思うんですけど」


 言いながら、これは本当に止めなければならない案件なのではないかと思い始めた。

 大前提として、このような形で誘いに乗るのはあまりに分が悪い。

 そんな事は自分のような素人でも分かる。


 そんな中で霞は一つ一つ、その分の悪い戦いに臨まなければならない理由を探しているように思えた。

 それは慎重なように見えて、どうにもバランスが悪く危うい言動に思える。

 もしかするとこれもまた、自分を二つ返事で受け入れた時に感じた危うさの一端なのかもしれない。

 勇敢な事と無謀な事は違うから。

 例えそれが善性から生まれた言動なのだとしても、止めなければならないのではないかと。

 そう思った。


「色々調べてからでも事に挑める方に賭けませんか?」


「できる事ならそうしたいけどね、半永久ってのは何も大袈裟に言っている訳じゃないんだ」


「……」


「まずこの怪異の被害者だけど、事前に特定するのは難しい。私みたいな呟きをしている人なんて大勢いるし、まさかその全ての所在をその都度すぐに調べて人を付ける訳にもいかない。その上で最終的に被害者が現場に向かってしまう前に、その動きを止めて警察や怪異の専門家に繋がらなければならない。だけどこれまでの被害者を実際に目撃した人達がそうできなかったように、URLを押した後は平静を保っているように見えてしまう以上、それも難しいだろう。傍から見れば元に戻ったんだから」


「……確かに」


「まあ偶然周囲に居た人間が、怪異の専門家や怪異関連の一件だと瞬時に理解できるカンの良い専門家の関係者や警察関係者なら話は別だけどね。そううまくはいかないものさ。こういう可能性はひとまず0と考えておいた方がいい。奇跡を計画の算段に入れるようなものだからね」


「でも黒幻さんみたいに怪異の専門家が被害にあった場合なら……」


 言いながら気付く。それもまた、同じように奇跡のような話だと。


「一人でやっている個人事業主ならその時点でアウト。そしてそもそも……何もわからない状況で突っ込んでも解決できると思える程の優秀な専門家なら、ギャンブル依存症でもなければ金銭的に困る事もないだろう。つまり怪異の専門家がこの一件を自発的に解決するには、金銭的に困窮している上でそれを馬鹿みたいな呟きとしてネットの海に流した上で、偶然隣に白瀬君や綾ねえのようにサポートしてくれる人間がいた、暗中模索で事を解決できるだけの実力者である必要があるんだよ」


「……針の糸を通すような話ね」


「これもまた奇跡みたいな確率。0と考えておいた方がいい。だから……今話したような条件に偶然当てはまった私がやらなくて一体誰がやるんだ」


 そう言う霞の表情からは、クールさもミステリアスさも感じられない。

 責任感の籠った真っすぐな表情だ。

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