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怪異怪域 怪異探偵の助手、白瀬真の怪異譚  作者: 山外大河
二章 名称不明【仮称】魂の商人

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8 専門家のやり方 上

「でしたらやれる事からやれるだけやっていきましょう。まず何からしますか?」


 霞に指示を仰いだ。

 とにかく、何だってやるつもりだ。

 何せ自分はある意味怪異と関わる為にこの事務所で働く事を決めたのだ。

 ようやくその時が来た。


 他人の不幸が関わっている以上、待ち望んだなんて事は口が裂けても言えないが、それでもこういう時を待っていたという感情に嘘は付けない。

 故に困難な相手ではあるがモチベーションは高い。

 そしてそんな真の問いに、少し考えるように間を空けてから霞は答える。


「じゃあ白瀬君。それに綾ねえも……もしまた私の言動がおかしくなるようなら、その時は全力で止めて欲しい」


 そう言ってスマホのスリープを解除し、ロック画面も解除しようとする霞。


「ちょ、黒幻さんストップ!」


 それを見て思わずスマホの画面を手で覆って静止させた。


「な、何やろうとしてるんですか。今見ようとしていましたよね、あの返信!」


「そうだね」


「いやいや、さっきそれ見て大変な事になってたんですよ! 手探りがどうこう言ってたのに、なんでいきなり地雷踏みに行こうとしてるんですか!」


「そこに地雷があると分かっていればいくらでも対処の手段はある。二人が居てくれたおかげで私は探りを終えて安全経路を確保したんだ」


「対処ってどうやって……」


「そういう類いの結界を私に施した。例えるならばパソコンやスマホにウイルス対策ソフトをインストールしたようなものだと思ってくれればいい」


「そんな事までできるんですか……」


「できるよ。専門家だからね」


 そう言って少しドヤ顔を浮かべる霞。

 浮かべても良い。

 浮かべられるだけの凄い事だ。


 結界を始めとして、怪異の専門家である霞は様々な技能を使える。

 明確に一般人の域を超えた何者かであるのだから。


 果たして自分はその領域まで到達できるのだろうか。

 せめて指一本引っ掛かる位の所にまでいけるのだろうか。

 同じ場面で同じように、前へ進める何者かになれるのだろうか。


 自分が何も変わらないまま停滞している事を、この手の類いの仕事が全然入らなかったからだと考えていたが、いざこうして現実を直視すると決してそれだけではないと思えてくる。


 何も無い間に、霞はこういう力の使い方を教えてくれようとしていた。

 にもかかわらず何もできない自分が此処に居る。

 やはり自分はどうしようもない凡人という訳だ。


 ……だから、事こういう事に限って言えば、凡人であり素人に毛が生えた程度の自分が霞の行動を止めるなんて考えを持つこと自体がおこがましかったのかもしれない。


「それで、あの返信もう一回見てそれから。それからどうするつもりなんですか?」


 あまり出過ぎた真似はしないようにしようと、そう考えながら問い掛けた真に霞は答える。


「あのURLを押してその先に進んでみようと思うんだ。そしてその先で今回の怪異と直接対峙を試みる」


「直接対峙?」


 何やら嫌な予感がしてそう問いかけると、霞は落ち着いた表情で答える。


「被害者は各々指定の場所に呼び出されて魂を抜かれたと考えて良い。つまり怪異の掌の上に乗ればその怪異に会えるという訳だ。その時手探りで……現場判断で立ち回ればいい。その怪異との対峙から無事生還し、被害者の救済ができる方法を見つけ出してね」


 ……これは本当に止めなくても良いのだろうか?

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