表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
掃除屋の恋  作者: takerou73
46/63

46 掃除屋の話33

初対面なのにそんな気がしなかった。


もちろん、それは私の一方的な感覚で、似た顔の遺体を袋に収容したが、その人物は別人で、しかも双子と関係なかったし、こっそり望遠鏡越しに眺めていたが、見ていたのが私だと知らないはずだった。

いや、誰かから私のことを聞いた可能性もある。祖父である死んだ老人が、一連の出来事に関わった人間として、伝えていたのかもしれない。


色々なことが頭に浮かんだが、答えは出ない。聞けば話してくれるかは自信がなかった。会話の邪魔をされないように、せっかく先輩を気絶させたのに。


美しい顔をした人は、黙ったままの私の言葉を待っていた。

私は、かろうじて、「彼女は、誰なのですか」とだけ尋ねた。

「僕の姉です」と彼は悲しそうな顔で答えた。

彼と彼女の顔を見比べたが、けして似ているとは思えなかった。私の困惑を見て取ったのか、「事情があって」と答えてしばらく黙った。それから、

「母親の計画のために顔を変えられたのです」と吐き出すように言うと、じっと私の目を見つめた。


かなり複雑な事情があるようで、聞き出すのはためらわれたが、ここまでくれば私も無関係ではない。見届ける資格があるのではないか。

彼の顔を見ると、当然そのつもりのようだった。

「いったい、何があったんですか」と彼に尋ねた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ