表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
掃除屋の恋  作者: takerou73
15/63

15 掃除屋の話15

数日は何もなく過ぎたが、ある日、先輩から連絡があった。

「今日は仕事の話じゃない」

そう前置きすると、直接話した方がいいからと、先輩がアパートに来ることになった。

部屋に入ると周囲を見渡し、「相変わらず何もないな」と呟くと、床に腰を下ろした。


「お前も知っているだろうが、俺たちの依頼は、県内を仕切るでかい組織からのものがほとんどだ」

そういう話を聞いたことがある。最近は県だけでなく周囲の県境まで勢力を伸ばしているとも聞いた。

「そのトップが倒れて入院した」

それが今月の頭ごろだ。同じ時期から、依頼の数が増えてきている。

「跡目を狙っているのは、傘下の二つの勢力で、一つは倒れたトップに近いが、もう片方はことあるごとに反抗してきたらしい。」

それでも組織から排除されないのは、若い世代の構成員からの支持が大きい。

「街を徘徊する若いやつを勧誘して、急激に数を増やしている」

公園で自分をカツアゲしてきた茶髪の男を思い出す。背後にいた男も、そういった奴らに違いない。だが彼はこの前死体になっていた。

「それで、今厄介なことが起こっている」


トップには孫がいるらしい。稼業には関わらせないが、万が一のために護衛をつけている。

「その孫が殺された」

仮に、トップに近い方を「A組織」、そうでない方を「B組織」とする。Aは、Bがやったと非難し、Bは逆にAの策略だと反論する。

「だが、誰が殺したか、まだ、判っていない」

先輩は、ポケットから写真を取り出した。

その顔は見覚えがあった。二人いたうちの一人だった。

美しい顔をした、小さな花を咲かせた死体だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ