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魔王に婿入り!?  作者: 虚幌須
二章 異世界へようこそ
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メイドとお姫様

光が目を覚ましたのはアリスに殴られて1時間後だった。すでに昼食時だ。

「なんか、今朝に比べて人が少なくないか?」

机の前に座っているのは合計で5人。ルーシー、サターヌ、アリス、放心状態の魔王。

「まぁ、いつものことだから気にしないで」

「私なんか、私なんか・・・」

まだぶつぶつ呟く魔王。

「いいのか?」

光は魔王を指差す。

「あれもいつものことだから」

アリスの魔王に対する扱いがひどいと思う。

「あ、ルーシー。口の周り汚れてるよ」

「え、拭いて拭いて~♪」

「仕方ないわね・・・。ほら取れた」

そんなやり取りをするルーシーとサターヌ。

「ところで、もう一度聞くが・・・」

アリスは租借していたパスタを飲み込んでナプキンで口を拭く。その仕草だけ見るなら、様になっているのに。

「何かしら。また、サターヌの下着の話じゃないでしょうね・・・」

ガチャーンと食器を落とす音が聞こえる。音のしたほうに向くと、サターヌがフォークを取り落としていた。

「違うから。姫さん、彼女を紹介してくれないか。まだ、名前聞いてないんだが?」

サターヌを指差さず、手で指し示す。指で人を指すのはマナー違反だ。

「え、教えてなかったっけ。まぁいいか。彼女はサターヌ」

「サ、サターヌです。よろしく・・・」

「あぁ。よろしく」

ぎこちない挨拶をする。

「言、言わないでね。その・・・パンツのこと・・・」

顔を真っ赤にしながら一言言う。彼女は天然だろうか。それとも、あれなのか。

「言わないよ。というか、またボロ出してるぞ・・・」

もそもそと口元にパスタを運ぶ。会話が続かない。

「それにしても、ここの料理うまいな」

パスタの麺の硬さは一般的にはアルデンテが理想的だといわれているが、好みによって差が出てくる。この麺はおそらく芯を多めに残して余熱でちょうどよい硬さに仕上げたのだろう。硬めの麺が好きな光にとってはうれしい限りである。

「そうかしら。いつも食べてるからわからないわ・・・」

「右に同じ」

「同じく」

「私なんか、私なんか」

魔王も一応会話に参加(?)している。しているのか・・・。

「そういえば、姫さんは家事全般苦手らしいな。さすがお姫さんだ」

ニヤニヤしながら光はアリスに聞く。

「なっ、だ、誰がそんなことを・・・」

「ルーシー」

ピキッと引きつるルーシー。

「ル~シ~。あなたねぇ・・・」

修羅のような顔になるアリス。怖いよ。

「だ、だって、ほんとじゃない・・・」

「それでも、ヒカルに教えるなんて・・・」

よっぽど、秘密にしていたかったらしい。脱力するアリス。

「で、何にも作れないのか?」

「ひ、ひとつくらい。つ、つくれる・・わよ?」

「何で疑問系なんだ?」

言葉がだんだんおかしくなるアリス。図星を付かれて焦ってるのだろう。

「まぁいいや。ゆで卵じゃないよな・・・?」

「・・・」

「・・・。(コクリ)」

「8回に5回くらいの割合で失敗するとか。電子レンジで爆発させるとか・・・」

「・・・(コクコク)」

とたんに脱力する光。そして周りは周りで一人を除いて沈黙状態。

「ベ・・・」

「べ?」

「ベタ過ぎじゃ!!!」

光が切れた。今日半日でここまで突っ込んだことで沸点が下がったみたいだ。

「どんだけベタなんだよ。もういい。帰る。てか、帰らせてくれ・・・」

最後は悲痛な叫びとなって城内に響き渡った。





「で、あそこが大浴場」

一回の大広間から少し奥に進んだところを指差すアリス。

「ちなみに、混浴じゃないからね。まぁ、どうしてもって言うなら・・・」

光は賭けた。次の台詞が外れていたならアリスの願いをひとつかなえてみようと。なぜかそれだけの自身が沸くくらい予想ができてしまった。

「一緒に入っても・・・、いいよ」

「勝ったな・・・」

「何に?」

「それより、女の子がそんな事言うのははしたないと思うぞ?」

「でも、好きな人に全てを知ってもらいたいって言うのは、はしたなくはないと思うけど?」

光を見つめるアリス。可愛いのに性格の癖が強すぎるのって・・・。天は二物を与えずとは言ったものだ。

「はぁ・・・」

「ため息ばかりだね。ヒカル」

誰のせいだよ。と言いかかったが、ぐっとこらえる。

「あ、アリスちゃん。隣の人が噂の婿殿かしら。早速デート?」

大浴場のほうから出てきたのはメイド姿の女性だ。一言で表すなら、まさしく年上の女性である。全てを包み込むような母性を持っていそうな、そんな女性だ。そして、光は知らぬうちにその豊満な胸の方に目がいく。それは仕方ないことだろう。

「あ、メフィスさん。ええ。彼が噂のヒカルです」

「そう、ヒカルちゃんって言うのね。ふぅ~ん」

メフィスと呼ばれた女性が光の目を覗き込む。思わずどきりとしてしまう。メフィスは「うふっ」と微笑んで

「なかなか、可愛い子じゃない。ねぇ、私の婿にならない?」

「え、それは、その・・・い「だめです。ヒカルは私の婿になるんだから。それに、そんな発言旦那さんが怒りますよ」」

思わず良いと答えてしまいそうになった光の発言をアリスの言葉がさえぎった。助かったと安堵する。また、殴られて気絶するのは勘弁したい。

「人妻なんですね・・・」

「ええ。こう見えて一児の母でもあるのよ。それと、もうひとつ」

また、メフィスは顔を光の顔に近づける。赤くなるのを感じる。こんな美人に顔を近づけられる機会なんてそうそうなかった。そして、耳元に小声でささやく。

「あんまり女性の胸を見るのは感心しないわよ。それも、彼女の前だとなおさらね」

いたずらっぽく艶やかにささやかれる。気づいていたんだ。

「か、彼女って。そんな間柄じゃな「わ、私とは遊びだったの。ヒカル・・・」」

「遊びもくそも、付き合って無いじゃないか。そもそも、婿になるかどうかはわからないし」

「じゃあ、婿になることも考えてくれてるの?」

「そ、それは・・・」

瞳をウルウルさせるアリスに弁解する。そのやり取りをメフィスは微笑んで見ている。

「さぁさぁ、その辺にしとかないとヒカルちゃんも困ってるでしょ。アリスちゃん、男の子を引っ張って引っ張ってしても良いけど、時には寄り添うようにしたほうがいいわよ」

「は~い」

メフィスはアリスをなだめる。

「さて、夕飯の支度しないとね。それじゃあ、また後で・・・」

メフィスはそう言って大広間を抜けていった。

「彼女は何者なんだ?」

アリスは光の腕をそっと取って組んできた。

「メフィスさんはここの給仕長をしてるのよ。たぶん、この城の一番の古株メイドじゃないかしら」

アリスは顔を腕にもたれさせてくる。

「そうなんだ。意外と若く見えるのにな」

「少なくとも、私が物心ついたときから居たわね。時に、ヒカル」

腕を組んで顔をもたれさせて更に指を光の胸板をなでているアリスが上を見上げる。

「んぁ?」

ここまでされて光が何のリアクションを起こさなかった理由はあまりに自然な動きでしていたからである。だが、最後に間抜けな声を出してしまう。

「そんなに、胸って重要?」

アリスにも見られていた。アリスは腕を解くと少し離れる。

「ちょっと、ドン引き・・・」

と言いながらも自分の胸を見下ろす。無くは無いが少しある。それが光の評価である。

「いいわよ。あと五年もすれば、大きくなるわよ」

いじけた姿はなんとも可愛げのあることか。

「まだ成長するはずよ。きっと・・・」

なんか自分で何書いてるかわからなくなってきましたw

まぁ、がんばって執筆しますので応援よろしくお願いします

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