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魔王に婿入り!?  作者: 虚幌須
四章 サバイバルゲームと忍び寄る影
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七賢者たちの戦い

機動兵器は天井すれすれで城内を進行していく。機動兵器は熱探知を行う。近くに三つの熱反応が現れた。ベルセルクが三体だ。左腕の火炎放射器を構える。液体がベルセルクにかかる瞬間だった。

『空気よ、凍て付く』

突風が液体を凍りつかせる。機動兵器は熱探知を再び行うが、反応がなかった。熱探知から、光学探知モニターに切り替える。ベルセルクの後ろに隠れて二人の女性が立っていた。二人の周りはかなり冷気が集まっていた。冷気を利用して熱探知から免れていたのだ。

「やっぱ寒いわ・・・」

「我慢しろ。あたしだって寒いんだ。それよりも、何か策はあるんでしょうね?」

マーモンがサターヌに話しかける。サターヌは冷静に言う。

「ええ。大丈夫・・・たぶん」

「多分・・・って。まぁ確証がなくてもやるしかないわね」

二人は魔晶装具を構える。サターヌはスピアにをマーモンは大剣を。







二人はどちらが先に銃弾が当たるかを確認することが出来なかった。目の前にデスサイズを構えるルーシーがいた。ルーシーは二人の銃弾を斬りおとしていた。

「ルーシー、邪魔しないで!」

再び銃口を光に向けるアリス。発射された銃弾をルーシーが斬りおとす。その早業に光は驚くだけだった。

「それどころじゃないんだってば。今、城内に未確認機動兵器が侵入してるの。けが人はあまり出てないけど、どんどん魔王様のところに近づいてるの」

ルーシーが一息に話すと、アリスは冷静さを取り戻した。

「それはまずいわね。お父様はほとんど戦闘できないからね」

「だから、このゲームは中断。急いで玉座の間に行くわよ」

そう言うとルーシーは空間をデスサイズで切り裂く。異空間とつながり、アリスと光を引っ張って異空間に入り込む。そして、気が付けば、魔王が玉座に座っている所に出てきていた。ルーシーの手の中に有ったデスサイズが正十二面体に戻り、すぐに砕け散った。





「はぁぁ!!」

烈波の勢いで機動兵器の足を大剣で斬るマーモン。だが、傷一つ付かない。足元の魔族に右腕を構える機動兵器。マーモンはバックステップをして、間合いを取る。だが、その間隙に銃弾がばら撒かれる。それはマーモンには当たらなかった。マーモンの壁になるようにベルセルクが立ち、銃弾を体で受け止めていた。機動兵器はすぐさま左腕の火炎放射器に切り替える。サターヌがスピアの先端を床に突き出す。氷が火炎放射器の液体燃料を覆う。着火ができずに失敗に終わる。

「マーモン!」

「わかってる!空気よ!!」

「凍て付く!!」

マーモンが大剣から風を起こし、その風にサターヌがスピアの冷気を乗せる。再び発射された液体燃料を凍らせる。サターヌはスピアに冷気を集めて機動兵器の足に突き刺す。だが、冷気は足に届く前に消え、スピアが足に当たる。貫くことも出来ず、はじかれてしまう。

「おかしいわ」

再びスピアに冷気を集める。床に突き刺して氷の柱を地面から生やして先端を機動兵器に当てる。氷の柱は機動兵器の足元に生えてくる。だが、貫けずにその場でとまるだけになる。

「まさか・・・」

ベルセルクが、機動兵器を殴る。身長差はかなり有る上に、質量もぜんぜん違う相手にもかかわらず少し吹き飛ばした。

「マーモン、もう一度いくわよ。標的は機動兵器」

「了解、空気よ!!」

大剣を構えて空気中の水分を集める。サターヌはスピアの先端に冷気を集める。

「凍て付く!!」

暴風を起こし、暴風の中に冷気が混じりこみ、吹雪を作る。吹雪は機動兵器を凍らせるはずだった。吹雪が機動兵器の前で消え去ってしまった。正確に言うならば何かに当たって霧散していった。機動兵器は右腕を構えていた。二人はベルセルクの背後に回り、銃弾を凌ぐ。

「間違いないわ。あの機動兵器は魔力を完全にシャットダウンしてるわ」

「魔力をシャットダウンって・・・?馬鹿な」

ベルセルクが前のめりに倒れる。銃弾はいまだにベルセルクを穿っていた。別のベルセルクの後ろに隠れる二人。

「私も最初はただ装甲が硬いだけと思ったわ。でもね、硬いだけじゃなかったみたい。魔力を集めた攻撃は全て効果がなかったわ」

「そういえば、あたしの一撃も効いていなかった。なるほど、魔力を弾いて霧散させるシールドか何かを開発したということか、クライストは・・・。なかなかいい技術持ってるじゃないか」

うれしそうにマーモンは話す。

「喜んでる場合じゃないわ。私たちの主な攻撃手段は魔力を魔晶装具に集めての攻撃だから、私がスピアで突いたところでクリスタルで鉄板を突いてるようなもんだわ。何か、破壊する方法はないかしら技術部主任」

「有るには有るだろうが・・・・」

「何?」

二人目のベルセルクが倒れる。今度は完全に倒すために火炎放射器でベルセルクを焼き始める。周辺に生き物を燃やしたときの独特のにおいが広がる。二人は壁に隠れる。

「大量の魔力を持ってガンドを使い、継続的なダメージを与えつつ、シールドの限界を超えさせる。後一つは・・・、早速お出ましだ」

ひときわ大きな銃声が通路に鳴り響く。機動兵器の右腕に当たる。サターヌが振り向いた先に居たのはレールガンを構えたデウスだ。

「お嬢様方、ご無事でしょうか」

恭しくデウスは言う。

「あれ?」

「ああ。あいつのレールガンは魔力を変化させた電気エネルギーを使って伝導体の弾丸を発射している。魔力自身は消せても、撃ったときに出来た運動エネルギーは消せないからな。レールガンの威力が勝つか、相手の装甲が勝つか・・・だ」

再びチャージをするデウス。だが、機動兵器はデウスを危険因子とみなして集中的に襲ってくる。右腕をデウスに向ける。

「しまった!!」

だめだと思ったデウスの前に最後のベルセルクが盾となり、デウスを守っている。デウスは一気に大量の魔力をレールガンに流し込む。レールガンを構えて、ベルセルクごと機動兵器を狙う。大きな銃声が通路に響く。銃弾はベルセルクを穿ち、機動兵器の足の関節に当たる。でも、大きなダメージではなかった。

「あの運動エネルギーを上乗せした弾丸でも貫けない装甲なんて・・・」

最後のベルセルクも力尽きてしまい、床に倒れる。回復する前に機動兵器の手によって燃やされてしまった。

「万策・・・尽きた・・・な」

「ええ」

サターヌとマーモンは床に座り込んでしまった。機動兵器はそんな二人を通り過ぎて、進行を続ける。ひときわ大きな扉を右腕の機関銃で撃ち壊して中に入る。そこに居たのは、玉座に座った魔王だ。

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