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魔王に婿入り!?  作者: 虚幌須
四章 サバイバルゲームと忍び寄る影
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侵入者

彼の住む国では神託は絶対であった。そして彼に神託が与えられた。与えられたときから彼は『勇者』となった。勇者の剣は勝利へと導くものでもあり、時には勇者を守るものでもある。時代が変われば『剣』も変わっていく。彼の持つ『勇者の剣』は想像を絶するものだった。






光サイド

「っててて。すっげぇ衝撃だな・・・」

光は頭を抑えて立ち上がる。スナイパーからの射撃を頭に受けた光が助かったのは奇跡でも偶然でもない。あらかじめシールドの設定を頭をカバーするように設定していたからだ。スナイパーの射撃は正確無比。一撃でリタイアさせるために頭を狙うのがわかったからだ。だが、シールドは一発でも受けるとリタイア寸前まで追い込まれてしまった。光は全力で時計台まで走りぬける。その間に撃たれることはなかった。時計台に到着すると階段に腰をかけてシールドの回復を待つ。

「いよいよか・・・。俺を狙ってたのは誰だったんだ」

その疑問を解消するべく階段を上がる。シールドは一発は耐えれる。階段を上ることにした。一段一段踏みしめて上る。朝のような吹雪が収まったせいか少しの寒さだ。最上階にたどり着く。そこに彼女は待ち構えていた。





解説席サイド

「いよいよですね。ヒカルちゃんとアリスちゃんの戦い」

メフィスが魔王とベルゼーに話を振る

「ああ。ところで、ヒカルにはお嬢様を倒す算段はあるのか・・・」

「どうだろうな。それよりも、ヒカル君が残ったことが驚きだよ」

三人が笑っていると一人の兵士が入ってきた。兵士の表情は蒼白。

「た、大変です。国内に謎の機動兵器が入ってきました」

「なんだと!!」

「市街地の被害は?」

「今はまだ。現在市街地の市民を非難しております。機動兵器の数は1です」

驚いた表情の魔王とベルゼー。二人は顔を見合す。大広間に集まった観客もざわざわと騒ぎ始める。

「城内に戦闘配置。メフィスは城内の非戦闘員を城内の地下室へ案内。ベルゼーは現場で指揮を執ってくれ」

「「わかりました」」

「ベルゼー以外の七賢者を大広間に集めてくれ」

魔王は報告に来た兵士に指示をだす。





????サイド

国境にいる番人がこちらを見ている。背丈は2メートルを軽く越えている。背中には大きな試験管のようなものが3本刺さっており、黒いコートを着ている。そのコートの外側からでもわかるくらい屈強な体をしている。番人の名は『ベルセルク』。その凶暴性と敵味方を識別する知能は前大戦の時に厄介とされていた。だが、それ以上に厄介なのは驚異的な回復力。当時の最大火力をもってして殺しても、すぐに復活する。しかし、それは10年以上前の話だ。機動兵器は左腕を構える。左腕にタンクが取り付けられており、左手には発射口が付いている。そして、発射口の隙間にねずみの前歯のようなものが付いている。発射口から液体が発射される。一体のベルセルクにかかる。異変に気づいたベルセルクは機動兵器に近づく。ねずみの前歯のようなものから電気が流れ、液体に引火しベルセルクを焼き払う。ベルセルクは白銀の地面に倒れる。雪が解けて水蒸気が上がる。地面に残っているベルセルクの姿は黒くこげており、コートは跡形もなく燃えてしまっている。一本の試験管の中身がなくなり、ベルセルクは立ち上がる。

「---------」

言葉にならない咆哮をあげるベルセルク。それに呼応してもう一体が来る。だが、再び焼かれるベルセルク。

ベルセルクにとって機銃やロケット弾は意味がなかった。なぜなら、彼らは痛みを知らない。そのため、腕が無くなっても突き進んで戦闘車両をその豪腕で叩き潰すし、腹に穴が相手も敵と判断した相手を死に追いやった。だが、炎は別だった。ベルセルクも生き物だ。炎によって皮膚を焼かれればいくら痛みを感じていなくても確実にダメージを蓄積させれる。ダメージが一定を過ぎれば背中の試験管の中身を使って回復する。回復して立ち上がったところでもう一度焼き払う。つまり、復活しなくなるまで焼き払えば、いいわけなのだ。

二体のベルセルクは黒い何かに変わってしまい、雪の地面で蒸気を出しながら動かなくなってしまった。

機動兵器は市街地を進んでいく。



ベルゼーサイド

「ベルセルクが沈黙してます」

斥候の兵士がベルゼーに報告する。

「あのベルセルクを倒すとは・・・。どんな機動兵器だ?」

「はい、全高約5メートル。寸胴な姿をしており、左腕に火炎放射器を備えている模様」

「生体反応は?」

「はい、中から人間の反応がありました。おそらく有人の機動兵器です」

「おのれ・・・。ここを死守するぞ」

「は!!」

ベルゼーはコートのポケットから一つの水晶を取り出す。水晶にはその水晶の片割れを持っている者の姿が映っている。

「すまないが、増援をもらいたい。国境警備のベルセルクが落ちたみたいだ」

『あのベルセルクが・・・。わかった。至急送ろう。あまり無茶するな。魔王命令だ』

「了解」

ベルゼーたちは配置に付き、機動兵器を迎え撃つ準備をする。




魔王サイド

「あのベルセルクが・・・。わかった。至急送ろう。あまり無茶するな。魔王命令だ」

『了解』

通信が消える。城内に連絡を入れる。

「至急城門前に増援に行ってくれ。これは訓練じゃないぞ」

魔王の言葉が城内に響き渡る。そして、そのすぐ後にベルゼー以外の七賢者が集まる。

「非常事態だ。レヴィは負傷者の処置を頼む」

「わかりました」

「ベールとルーシーは大広間入り口を頼む」

「はい」

「・・・」

「サターヌとマーモンは城内入り口を、デウスはベルゼーの援護に向かってくれ」

「「「了解」」」

三人が外に出て行く。魔王はデウスを呼び止める。

「あれの許可を出す。有効に使ってくれ」

デウスは驚いた顔をする。

「いいのですか?」

「非常事態だ。仕方ない」

「わかりました」

「アリスとヒカル君は避難したのか?」

魔王はレヴィに聞く。

「おそらく、この非常事態に気づいていないかもしれません」

時計台の通信設備は壊れたままである。

「何!ルーシー、これを使ってあの二人を大広間に連れてきてくれ」

ルーシーは正十二面体のクリスタルを受け取る。

「わかりました」





光サイド

「アリスが最後の残りか・・・」

目の前の女の子に光はガンドを向ける。

「おそらく・・・ね。でも、そんなの今はどうでもいいと思ってるの」

「何?」

「今あなたと全力で戦ってみたい!!」

アリスはいきなり発砲してきた。狙いは胴。頭を狙って一発リタイアはさせないみたいだ。光はすぐに柱の物陰に隠れる。お互い弾切れの心配があるからどんどん撃つことは出来ない。柱の物陰から顔を出す。柱に銃痕が出来る。

「さぁ、出てきて私を楽しませて」

笑いながら光の方に近づく。

「あいつ、トリガーハッピーか・・・?」

一人呟く光。ここに居ても時間の問題だ。柱から飛び出して走り出す。隣の柱まで約3メートル。光は走りながらアリスに2発発砲。一発はあさっての方に飛ぶが、一発は当たる。

「楽しい、楽しいわ。ヒカル・・・」

アリスは恍惚とした表情でガンド撃つ。隠れ切れなかった腕に当たる。これで光は後一発でリタイアだ。

「くそ・・・」

果たして、光に勝機はあるのだろうか。そして、謎の機動兵器はどうなるのだろうか次回に続く。

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