魔王の思いつき
魔王の朝は早い。どのくらい早いと言えば、七賢者の誰よりも早く、メイドたちよりも遅い。魔王はふと思いつく。
「今日は何して遊ぶか・・・」
魔王の頭の中では遊ぶことしか考えていなかった。窓を開けて外を見る。落雷と吹雪。
「決まりだ。今日は---」
「「「「「「「「「城内サバイバルゲーム大会!!」」」」」」」」」
七賢者+α&βが同時に叫ぶ。
「また無茶なことを」
「準備はどうするんだ?」
「面白そうね」
「・・・」
「楽しみだわ」
「よっしゃぁ!」
「無茶振りよね」
「お父様・・・」
「なんじゃそりゃ・・・」
9人9様の意見が飛び交う。
「うむ、今朝思いついた。それに、訓練もかねてだ。戦争は起こることはないだろうが、万が一攻められて何も出来ないでは、家族や守りたい人を守ることも出来ない」
「確かに・・・。実戦経験がある人物は少ない」
ベルゼーが納得顔をする。
「それじゃあ、魔王軍直属の兵士全員参加か?全部で2000人くらいいるんですぜ?」
デウスが疑問を残す。
「意外と兵士居るんだな」
光が人数に驚く。
「あら、ここの城に住んでるのは30人足らずだけど、兵士を含めたりしたら2500人くらいは城の敷地内に住んでるのよ」
アリスが解説する。
「ベルサイユ宮殿を思い浮かべてくれれば、いいと思うぞ」
マーモンが光に助言する。
「そうなのか・・・。ってなんでベルサイユ宮殿なんか知ってんだ?」
「そんなのご都合主義だからよ」
レヴィが冷たく言う。
「作者もネタがなくなったのかな・・・」
「・・・」
ルーシーとベールが作者を非難し始める。
「ちなみに、30人のうちの七賢者以外は全部メイドよ」
サターヌが蛇足を言う。
「ところで・・・。今は朝食中なんだけど、いかがかしら、皆さん・・・」
メフィスのデビルスマイルが大広間を凍らせる。そう、朝食時の会話である。
「あぁ・・・、すまない」
黙々と静かに食事を始める七賢者+α&βである。
朝食を終えて、七賢者+α&βと魔王が大広間で会議を始める。
「さて、朝食を食べて落ち着いたところでルールを説明しようか。まず、参加人数は30人と考えている。七賢者とアリスとヒカル君は強制参加だ」
「強制参加かよ・・・」
うなだれる光をよそに、解説を続ける魔王。
「銃は訓練用のを使用する。マーモン、どのくらいある?」
マーモンの方に向く。
「種類を選ばなければ300はあるはずです」
「自動魔力供給機構の銃は?」
「100ですね。種類はいろいろありますが・・・」
「よし。あと、魔力シールド発生装置と避難装置は?」
「さぁ、数はわかりませんが30個はあります」
「わかった。さて、ルールは簡単だ」
一息つく魔王。
「銃で相手を避難装置を発動させれば勝ち。自分の非難装置が発動した時点でリタイア。最後まで生き残れば勝者というわけだ」
「商品はあるのかしら、お父様」
アリスは手を上げながら質問する。
「うむ、勝者の願いを一つ魔王権限でかなえようではないか」
ずいぶん太っ腹な発言をする。
「判定は頭は1発でリタイア。それ以外の部位は5発までだ。ただし、シールドの強弱をいじって防御するのもありだ」
「どういう意味ですか、魔王様」
ルーシーが具体的な説明を要求する。
「例えば、頭は1発でリタイアだが、シールドの強弱をいじって頭を頑丈にすることもできる。ただし、シールドが耐えれるのは1発だけだ。2発目はリタイア。その後もとの設定に戻してもシールドの耐久は全て1発になるので注意してくれ。なお、シールドは大気中の魔力を取り込んである程度は回復する。銃も同じだ。3分で1発回復するように設定してくれ」
「了解」
サターヌがうなずく。
「なお、違反行為は厳重に取り締まる」
「ハイ質問」
手を上げる光。
「ハイどうぞ」
「違反行為とはどういうことですか」
「徒党の結成、魔晶装具の使用、訓練用の銃以外の使用だ。きちんと守ってくれよ」
(優勝してヒカルと・・・ムフフ)
(ルーシーとキャッキャウフフしたいわ~)
(元の世界に返れるように頼んでみるか・・・)
(有給を一週間くらいとれればいいな・・・家族で旅行も悪くないな)
(・・・ウフフ)
(やっぱ、研究の予算UPだな)
(おいしいお菓子とか食べ放題がいいな~)
(願いはないけど、負けるのは癪よね・・・)
(ギャルのパンティもくれるのかな)
9人9様の欲望が渦巻く中サバイバルゲームは始まるのだった。