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魔王に婿入り!?  作者: 虚幌須
二章 異世界へようこそ
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能力を測定しよう(後編)

無駄にプロレス技が出てきたりします

「ぬぁ、俺は・・・どうなったんだ・・・」

目を覚ます光。ふと、後頭部にやわらかい感触に気づく。

(こ、これが噂の膝枕か。なんてことだ!!誰のひざなんだ。アリスか、マーモンか)

上を見上げる。

「よっ、目が覚めたか?」

さわやかに笑いかけるデウスだった。光はヘッドバットをあごに叩き込んだ後、うつぶせに寝かせてキャメルクラッチを極める。

「ギ、ギブ!ギブ!!ギブッて!!!」

「うるせぇ。なんて事しやがる!野郎が野郎に膝枕されて喜ぶと思ってるのか!!」

時折うつぶせに戻してはあげてを繰り返して背中をそらせる。

「ちょっ、マジでギブ!!」

「ヒカル!!」

呼ばれてふと前を見る。こっちに向かって走りこんでくるアリス。

「デウスをもっとそらさせて。そして、目をつぶってて!!」

光は指示通りにする。

「ぐぼろぁ!!」

何かがめり込む音と奇声が聞こえてきた。目を開けてみれば、アリスがデウスの顔面に喧嘩キックを入れていた。

「・・・。なぁ、このキックに意味はあるのか?」

「特に」

いけしゃあしゃあと答えるアリスに光はこれ以上彼女のことを知りたくないと思ってしまった。






「でだ。俺がキャメルクラッチを食らったのはわかる。だが、その後の喧嘩キックはなんだったんだ?」

鼻頭を押さえつつ、立ち上がるデウス。

「「ノリ?」」

アリスの言葉に合わせて同じことを言ってみることにした。

「お前ら・・・似たもの夫婦だな・・・」

「「なっ!」」

アリスは照れた顔をして、光は愕然とする。

「ちなみに、どの辺りが似てると思うんだ。気に入らなければ殴る。何かしゃべれば殴る。さぁ言ってみろ!」

「外道なところが・・・、ってオイ。何俺を担ぎ上げてるんだ。そして、肩にのせてるんだ。おい、まさかその技は・・・」

光は呼吸を少し止めて吐き出す。

「この、ヘタレが!!」

両腕に力を入れて背中を弓なりに反らせる。筋がバキバキ鳴ってるのがわかる。

「ぐぁ、痛い。マジでやばいってこれ!と言うか、そんな大技どこで知ったんだ?うぐぁ・・・」

デウスの悲鳴が響き渡る。アリスはと言うと未だにデウスの言葉に照れている。





「お、ヒカル目が覚めたみたいだな。って、デウスどうしたんだい、その包帯」

研究室にはタバコをふかしているマーモン一人だけだ。

「あ、実はヒカルに、な、なんでもない。なんでもないから」

光はデウスをにらみつける。

「ふぅん、まぁどうでもいいや」

煙を天井に吐き出す。紫煙が天井を漂う。

「さて、測定は一通り終わったが、何か質問あるか?」

「魔力を増やすことは出来ないのか?」

「それは無理だな。一時期薬で底上げしようとしたことがあったが成功例は無い」

「じゃあ、訓練とかしたら増えるのか?」

「訓練ってわけではないけど、ある程度なら体力の増加で上下するそうだ」

煙を吐き出して吸殻を灰皿に置くマーモン。

「さて、それじゃあ魔晶装具の使い方でも教えようか」

そういってマーモンは正八面体のクリスタルを取り出す。

「あたしの得意属性は『空気』」

マーモンは灰皿の上にあるタバコに手をかざし、ブツブツと呟く。すると火が燃え盛る。

「タバコの周りの酸素濃度を上げてみた。そして」

正八面体のクリスタルに魔力を通す。出来たのは身の丈ほどの大剣。

「武器は大剣だ。さて、本来なら詠唱して初めて魔法は成立する。でも、魔晶装具を介して使うことで、得意な属性を詠唱無しで実行できる」

大剣を振りかぶる。大剣の周りの空気が揺らめく。振り下ろすと纏わりついた風が壁に向かって飛んでいく。壁には斬撃の後が残っている。

「こんな感じだ。今のは私の得意な空気属性を使った『真空刃』だ」

「すっ、すげぇ・・・」

光は感嘆の声を出すしかなかった。

「ところで、マーモン」

「ん、何かなアリス」

マーモンが魔晶装具をクリスタルの形に戻してるところにアリスが話しかける。

「壁の修理、誰がするのかしら」

「「あ・・・」」

「・・・」

眉間に青筋を立てるアリス。ここは共同生活をしているとはいえ、アリスの家(城)であるのだから無理はない。

「デウスが後で修理するとさ」

「はぁ?!お、俺が」

「何か言った!!」

すごい剣幕でマーモンに怒鳴られるデウス。哀れすぎる。

「給料から引いておくわね」

どうやら偉大な七賢者も給料をもらっているようだ。





「さて、話がそれてしまった。魔晶装具の使い方はわかったか?」

「いやまったく」

否定的な返事を行う光。

「いい度胸してるじゃないか・・・。そんなに切り刻まれたいのかい?」

すでにマーモンの魔晶装具は大剣に変わっている。

「だだだだってさ。そういうのは自分で出来て初めて理解できたかどうかがわかるもんだろ」

手をあたふたさせながら必死に弁解する。言い訳が通じたのかそれとも納得したのかわからないが大剣をクリスタルに戻す。

「まぁ、一理あるわな。じゃあ、やってみな」

魔晶装具を光めがけて放り投げる。キャッチして両手に持ち、魔力を流すイメージをする。しばらくして形が変わり、のこぎりに変わる。

「何度見ても、無骨すぎるな・・・」

「性格が現れてるな」

笑いながらデウスが指差してくる。

「だまれヘタレ。アリス、職権乱用であいつの給料カットできないか?」

「出来るわよ。ただし、ヒカルが私に乱用したくなるような条件を提示してくれれれいいわよ」

嫌な予感しかしなかった。アリスのことだ。どうせ、セクハラじみた条件を言ってくるのだろう。

「じゃあ、いいや。で、どうやればいいんだ?」

「魔力を更に送り込むんだ」

光は自分の体の中を巡る魔力を意識する。たとえそれが極少量でも一度意識してしまえばわかる。しばらくして。

「ところで、得意属性は無い場合はどうするんだ?」

「「「あ・・・」」」

得意属性が無ければ魔晶装具を使う意味はあまり無い。

「そうだった・・・」

「何で気づかなかったのかしら・・・」

「普通は無いからな・・・。得意属性が無いって言うのは・・・」

哀れみの目で光を見つめる三人。

「もう、好きなようにしてくれ」

あ、戸が斬れてる

これで後書き(毎度寒くてすいません

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