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82 穴空け

 材木を徹夜で乾燥させ、まだまだ乾燥が甘いのに目を瞑れば使えなくはないまでにはなった。完璧を目指すなら同様の方法で後数日は乾燥させる必要がある。しかしそこまで念を入れるのは今後の課題だろう。

 ルキアスは欠伸を噛み殺しながら生活術の講習を受けた。食べられる草や毒のある草についての知識の講義だったが、座ったままのせいか寝落ちした。ノクルの声は気持ちの良い子守歌のようであった。

 起きた時には昼を大きく回っていた。受講者はとっくに立ち去っていて、代わりに個人的な訓練を行う人が汗を流している。ルキアスが眠っていたのが訓練場の端の方だったため、誰も起こさなかったのだ。


(しまった……)


 教官には受講者の居眠りを許さない者も居るが、ノクルはそうではない。命に危険の及ばない訓練場なら寝たいだけ寝させる方だ。

 眠っていたルキアスが知る由もないが、ルキアスが聞き逃しても特に問題は無かった。各種草の現物を見比べての講習ではあったものの、触っただけで危険なものは含まれていなかった。それと言うのもダンジョンの浅い階層にはあまりに危険な毒草は生えておらず、講習に使われたのもその範囲の草ばかりだったからだ。

 そうとは知らないルキアスは若干もやもやとした気分で訓練場を後にする。が、いつまでもそうしてはいられない。銃作りはまだまだ途中。次に考えるのは如何に細い真っ直ぐな棒を作るかだ。


(やっぱり完全な円を作る羽目に……)


 さすがに銃身の長さで歪な形は論外だろう。こんな事なら最初から円を作る方法を考えれば良かったと後悔気味のルキアスである。

 さて、円を描く上で最も簡単なのは中心を固定して棒なりピンと張った糸なりで同じ距離を保ちながら一周させることだ。しかし細い穴を彫るには理屈だけ同じなもっとこじんまりした道具を使う。


(とりあえず三叉錐を作ろう)


 仕上がっているとは言い難くても木材は出来ている。これに錐で真っ直ぐ穴を空ければ真円で空く。この穴と縁に刃を埋め込んで木を削りつつ押し込めば断面が真円の円柱が出来上がる筈だ。

 ところが……。


「また曲がった!」


 真円の穴を空けようと思ったら錐の柄の断面も真円でなければ上手く行かないらしい。


(先に錐の柄を作る穴と刃が必要なのか……)


 まだまだ先は長い。しかし夜までにはまだまだ時間があった。


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