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7 目標

 ルキアスが周りの皆が特別な魔法を持っていること、いや、自身が特別な魔法を持ってないことを知ったのは八歳の頃。タードの町にずっと住み続けることが叶わないと理解したのは十歳の頃だった。

 その十歳になった年、天職が家業に合わなかった友人が遠い町に養子に行った。

 最初は居なくなったことしか判らなかった。しかしその理由をしつこく父親に尋ねると、父親は言いづらそうにしながらも理由を語ってくれたのだ。

 それでルキアスは理解した。天職を持っていても家業に合わないだけで遠い町に行かなければならないなら、『天職無し』のルキアスの居場所はタードのどこにも無いと。

 直ぐにではない。父なら見捨てたりしないとも理解している。しかし一生頼り続けるのは不可能なのだ。


 それを切っ掛けに、ルキアスは旅立ちの準備を始めた。

 最初に行き先、と言うよりも「行ける先」を探した。そして町で知り合いのおじさんに聞いて知ったのがダンジョンだ。『天職無し』の墓場とも聞いたが、よくよく聞けば『天職無し』の多くが行き着く先で、一生そこから離れられない人が多いからと言う。

 少ないながらもダンジョンで貯めたお金で自分の店を持った人も居るとも聞き、ルキアスは目標をそれに決めた。


『ものは考えようさ。天職が必要なら人を雇う側になって雇えばいいのさ』


 おじさんがそう言って笑ったのをルキアスは憶えている。しかしルキアスとしてはそこまで大きな店でなくて良い。こじんまりしていた方が自分の思い通りにできるからだ。

 だがそれはあくまで将来の目標であり、最初に行くのはベクロテの町で、ダンジョンであることに違いは無い。

 そして行き先の決まったルキアスは試行錯誤しながらテントを作り、鉄屑を集めた。


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