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49 粘土

 ルキアスは到着した町でテントを置いて夕食を摂った後、『粘土』を捏ね始めた。本格的にするなら粘土を水で溶いて『篩』に掛けるべきだが、今はお試しなので小石が混じっていてもそのままだ。

 鉄パイプの穴に合わせて円柱状に丸め、『加熱』でさっと乾かしたら鉄パイプに入れて生活魔法『ふいご』で風を送ってみる。


(ビクともしない……)


 口でもフッと吹いてみる。やはりビクともしない。しかしこの時鉄パイプを傾けてしまったせいで、ぽろんと反対側から飛び出て目の前に落ちた。こんなのでは魔物を倒せない。


(何かで突く?)


 ルキアスは棒で突く様子を想像したが、手で投げるより速く飛ぶとは思えなかった。


(何かで弾く?)


 考えられるのは弓のような弦だ。しかし弦なら弓やクロスボウを使えば済む。飛ばすのだって矢の方が良い。

 ルキアスは鉄パイプの端をポンポン叩きながら考える。反対側の端からは空気がポンポン抜ける。


(少し押し込んだら……)


 ルキアスは鉄パイプの先側に丸めた粘土を詰め、それを手で押さえながら反対側から風を送り込む。

 これ以上入らないと判った段階で先側から手を放す。ポンと粘土が飛び出し、口で吹いたよりも飛んだ。実用には程遠いが。


(何かもっと勢いがつくような何か……。

 やっぱり何かを爆発させて……)


 しかし良い案は浮かばない。


(お湯でも飲もう……)


 やかんで湯を沸かす。端から熱湯を出そうと思えばできなくはないが、それをすると熱湯に手を突っ込むことになりかねない。だから水を出した後に沸かすのが常だ。

 ルキアスはシュンシュンと音を立てるやかんをぼんやりと眺める。ちょっとばかり考え疲れだ。

 そうして油断していると、やかんの蓋がカタカタと音を立て、次の瞬間バフンと跳ねた。

 ルキアスは閃いた。


(あ、蒸気! これなら!)


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