47 鉄パイプ
ルキアスが更に大通りを歩いていると、肉屋が目に入った。原形を留めた豚や鶏が吊されていれば嫌でも目に付いてしまう。
ところがその豚を見た瞬間、ルキアスの頭に何かが過ぎった。つい最近似たようなものを見た覚えがある。
(あ、猟師のお爺さんのところで……)
老いた猟師の自宅に吊されていたものにそっくりだ。連想して老人の姿を思い浮かべ、彼の背負っていたものも思い出す。
(あ、銃。鉄パイプは銃に似てたんだ)
先日鉄パイプの切れ端に覚えた引っ掛かりは漠然と銃を連想したからであった。
(鉄パイプを銃に出来ないかな……)
出来そうな感触はあるものの、ルキアスは銃の構造を知らない。判るのは、使う時に爆発音がするのだろう事と、鉄の筒から何かを飛ばすのだろう事。その爆発音にしてもかの猟師が現れる直前にそんな音がしたから銃の音だと思っただけである。
それでも想像は可能だ。
(飛ばすのは矢じゃないよね。矢なら弓を使う筈だから。
木……は簡単に砕けそうだからないとして……。石? 鉄?
それをどうやって飛ばすんだろう?
あ、あの爆発音。飛ばす時にあの音がするのか……。
でも何だろう?
いや、生活魔法でどうにかできなきゃ駄目だから、音に拘っても仕方ないか)
そうこう考えている内に町は抜けて街道の真っ只中だった。先はまだ長い。
(思い付いた事を試しながら行こう)




