表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/49

竜の花嫁 14

魔族はアタシらには荷が重いから、とにかくチョビ髭の配下たちだけでも食い止めないと!


「カグヤ、アーティファクト出して!」


アタシは思いつくなりカグヤにどこでも蛇口と焚火装置を出してもらう


「そんなものでどうするつもりじゃ?」


こうすんのよ!


「待ちなさいチョビ髭の腰巾着ども!

これがどういうことだか分かるわよね?」


アタシは騎士たちの前に立ちはだかり、右手で隠すように壁に蛇口を付け水を出す

そして左手には火を付けた焚火装置、もちろん素手は危ないから鉄の棒の上に置いてある


「……こ、このエルフ

属性魔法を二属性同時に使ってるぞ!!」


「なんて魔力量だ…化け物か!」


ふっふっふ、畏れおののけチョビ髭の腰巾着ども


「なんの迷いもなくハッタリかますおぬしの度胸は大したもんじゃな

で?このあとどうするんじゃ?」


「ふははははぁ………あ〜……そのぉ…どぉーしよー」


するとクレアが私に耳打ちをする


「水の量をもっと増やして下さいませ、

限界までお願い致します」


なんだか分からないけど言われた通りに蛇口を全開に開く

すると少し傾斜があった事もあり、流れた水が騎士たちの方へと大量に流れ込む

……だからなんだって話なんだけど?


「王子、その水に向けて雷撃を

少量で構いません」


「おぅ!任せとけ!」


王子がトン、と足で床を蹴ると小さな電流が水の方へ走り、

水溜りになった床を踏んでいる騎士たちに軽い電撃がほとばしる


「「「うがぁぁぁぁぁ!」」」


「あ、あのエルフ、電撃まで!?

三属性魔法の同時攻撃なんて有り得ないぞ!」


「高等魔術師…いや、賢者クラスの使い手か!?」


やだ、なに、アタシ、今とっても気分が良いわ〜


「調子に乗るでないぞ、足止めもそう長くは出来んのだからな」


……確かに

それに他の所にいる騎士たちはすでに人質たちのいる部屋に踏み込もうとしている

さすがにこれ以上は……


「おい!どうなってる!人質が一人もいないぞ!」


部屋に入った騎士の一人が叫ぶ

これはもしや…


「ラヴィさんお待たせ」


アタシのすぐ近くの部屋の床からマリエラが顔を出してる


「最後の人質もオラが間一髪で転移させただよ

…あと、もう眠いだよ」


まずいメグルが中途半端なところで眠りそうだ


「メグルさんはぁ私が連れ出しますねぇ〜」


エステルがメグルのいる部屋の床から現れメグルを連れ出した

これで人質を気にする必要はない


「ネフェニル、こっちはオッケーよ!」


私の言葉に振り向かずに頷くと、再び構えに入るネフェニル


「分からん女だな!その技は無意味だと言ったはずだ!」


「分かってないのはあなたよダグラス

その程度の魔物、技を使うまでもないわ」


邪なる者よ闇へと還れ(ライト・ザ・ライト)


高く掲げた剣から眩い光が辺りを照らす


するとあれだけ溢れ出ていた魔物は跡形もなく粉砕されていた

それと同時にネフェニルの持つ剣も砕け散る


「上級消滅魔法…だと!?

詠唱もなしに……これがエーテライトの力、か……」


力なく膝をつくチョビ髭

しかし、同時にネフェニルも膝をつく

そして2人は同時に叫んだ


「「恐るべし上級消滅魔法!!」」


って待てーい!

ネフェニル、アンタ自分でぶっ放したんでしょうが!


「わしの長年の苦労が…」

「危うく自分で自分を浄化するところだったわ…」


「あやつ自分が魔族堕ちしとる事忘れとったな」


見ればネフェニル大ダメージ

盛大な自爆だ


「勇者にはもれなく残念属性でも付いとるのかのぅ」


「しかもさっき属性強化とかやってたよね

残念属性強化…ぷぷっ…」


「白薔薇の姫の固有属性は光属性、退魔の力でございます

つまり魔法を使うと、魔族になったご自分にも影響を及ぼすという事でございますね」


「難儀な事じゃのぅ」



「ふ、ふふ…ふふふ、相手が悪かったわね、私は人間も魔物も両方得意分野よ」


精一杯の強がりを見せるネフェニル

そうね、武器破壊に魔物・魔族特攻、そして自分特攻とか恐ろしいスキルだよね


「バカな…バカなバカなバカなバカなバカな!!

ここまで来てわしの計画が失敗するというのか!」


チョビ髭は余裕なさすぎだなぁ

ネフェニルの方は結構瀕死なんですけどねー


「ダグラス、あなたの計画なんてどうでも良いわ

それよりも出しなさいな

“私を魔族堕ちさせた”張本人を!

あなたを(そそのか)した“魔王”がいるはずよ」


狂乱に近いほど悔しがり暴れ狂うダグラスを冷ややかに見つめるネフェニル

どうやら黒幕が他にもいたらしい

ネフェニル、膝笑っちゃってるけど大丈夫?


「そうじゃな、あれほどの勇者を魔族堕ちさせるなど教会の一件があったとて難しかろう

なればそれが出来るのは、間違いなく魔王クラスか」


「………ガハハ、グァハハハハ

さすがは白薔薇の姫ロゼリア・アーデンフェルト」


するとチョビ髭の口から先ほどとはまるで別人のような声が溢れ出す

まるで直接頭の中に響くような不快な声…


「よもや自力で記憶を取り戻すとは恐れいった」


「何者なの?記憶は戻ったけれど、どうしてもあなたの姿が思い出せない

2年前、確かに私はあなたと戦ったはず

私の仲間たちを殺し、教会を襲ったあなたを私が忘れるはずはないのに!」


どうやら2年前、ロザリアクイーンが勇者や冒険者たちを皆殺しにした事件には裏があったようね

要は全部、あのチョビ髭の口を借りて語る魔王の仕業…


「それが魔族堕ちの代償というものだ

我の姿は誰にも見せぬよ、決してな…」


「けれどその気配だけは分かる

アルカディアに流れた後ですら感じていた禍々しい気配」


「我は君の味方のつもりで見守っていたのだがね!

同じ魔族の同胞となった君を!

君がアルカディアの森に逃げ延びた時もそうだ、

調査にやってきた騎士や冒険者たちを、君の存在を知られぬよう我が食い殺してやったのだ

感謝して欲しいものだな

最も一人だけ我の目をかい潜り接触した者がいたようだが…」


魔女討伐の依頼を出すきっかけになった唯一の生存者のことね

というかあの件にも関わってるの!?

それ、アタシたちもヤバかったんじゃ……


チョビ髭の身体がガクガク震えながら宙に浮く

ちょっとしたホラー状態だわ


「今回はこれまでとしよう

我も中々面白いモノが見れて楽しめた」


するとチョビ髭の身体が丸めた紙クズのようにめちゃくちゃに折りたたまれ、突如現れた黒い空間に食われるように吸い込まれた


「ダグラスをどうしたの!?」


何もなくなった空間を睨みつけ、ネフェニルは叫ぶ


「ん?食ったまでの事、我も腹が減ったのでな」


空間に響く魔王の声…

恐ろしい奴

人の命をなんとも思っていない

いや、人間はただの食料としか見ていないのか…


「ではまたいずれ…

おぉそうだ……アルカディアの者たちよ、一つ忠告してやろう」


アタシたちに向けて強く響く声


「近く大きなウネリがアルカディアを襲うであろう

その時がアルカディアの最期の時と肝に命じておくが良い

フハハハハハハハ!」


そして不快な声はその存在を完全にかき消していった……





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ