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竜の花嫁 3

花嫁探しを開始してしばらく、

様々なドラゴンを見てきたのだが、中々王子のお眼鏡に叶うドラゴンはいなかった


「やはり地元近辺はちょっと難しいなー

見た目は湖のあの子が今んところ一番てのがもうね」


共感できない会話になんとなく相槌を打ちながらドラゴン探しに勤しむ


するとラヴィさんが一匹の蛇竜を発見する


「ヘビっぽいけどあれも竜だよね?」


「あーありゃダメだ

見た目は悪くねーけどオカマだな」


ドラゴンにもオネェはいるんだね


「あの泉のぉ水龍さんなんてぇどぉでしょ〜」


「嫌だなぁシスター、ありゃ大分歳のいったバアさんじゃねーか」


年齢とかわからんけど!?


「ではあの翼竜なんてどうじゃ?

淡い桃色で可愛らしいではないか」


「巫女さんよぉ、あれはオッサンだぜ?

オイラそっちの趣味はねーよ、ガハハハ」


ダメじゃん、根本的に何もかもが判別不能だよ


「王子、あちらの土竜などいかがでしょう

丸々太って美味しそうでございます」


「おぉすっげ、エッロ!

マジか、ここあんなエロい土竜いるんかよ!」


エロいのか…

あれ、エロいのか…

しかも王子、クレアさん今美味しそうって言ってたぞ


「あー、アタシら何探してたんだっけ?」

「もぅどれもぉ同じにしか見えませんねぇ」

「ドラゴン見分けるアーティファクトでも作らんと無理じゃのぅ」


すでにみんな諦めムードだ


「よし、もう少し遠出してみよ」


一旦頭と目をリセットしないと続けられない気がして

強引に提案を出す


「そうね、大型アーティファクトの件もあるし、

一気に西側まで移動してみましょか」


ラヴィさんもその提案に乗り、道のまともな場所まで進んで魔導車を出す

もちろんこれにもテンションの上がる王子だけど、

それに付き合ってられる余裕は今の私たちには無かった


「あー結構キツイかも

向こうに着いたら一旦休憩ね」


流石に探し疲れたラヴィさんの魔力は結構心配ではある

日暮れも近いし、西側につく前に休憩になりそうかも


そんな中、エステルさんの表情がどことなく寂しげな事に気づいた


「エステルさんどうかした?」


「んん〜大丈夫ですよぉ

ただちょっとねぇ」


そう言って私に抱きつきモフモフし始めた


「ん、いいよ存分にモフッていきなされ」


「ありがとねぇ」


………………………………



大分ラヴィさんは頑張った

頑張ったけれど流石に西側は遠かった


「だ、ダメ、だった……」


パタリ


力尽きたラヴィさんをそのままにして、

魔導車を降りて場所の確認をしてみる

さっきいた東にある竜の山付近から一直線には来たはず

恐らくは3分の2ほどは来てると思う


「おや……

皆様、あちらに建物の様なものがございます

歩いて行ける距離かと思われますが、いかがでしょう?」


見れば確かに高い建物がある

屋根が崩れてる所を見ると廃墟なのかもしれない


「あの辺りは確か……」


王子は何か知っていそうだ

しかし先に言葉が出たのはエステルさんだった


「……教会、ですぅ」


「エステルさん知ってるの?」


確か地元とも言っていたし、教会と言えばシスター

もしかしてエステルさんはここで働いてたのかな?


「ほぅシスターも知ってたのか

まぁ話は後だ、あそこで夜営と行こうぜ」


今夜の宿は決まった

エステルさんが寝てるラヴィさんを担ぎ出した後、

魔導車を収納してボロボロの教会を目指して歩き出した



辿り着いた教会は思いの外荒れ果てていた

屋根どころか壁も扉もボロボロ

教会のシンボルである十字架も崩れ落ち、無残な姿になっていた

まるで激しい戦闘でもあったかのような光景だった


とにかく夜営の準備だ

雲が出始め、天気が怪しくなってきたので王子用のテントと女性用のコテージを用意

教会の屋根が無事だったら中で休めたんだけど、

雨が降ったらとてもまずい


「シスター、料理は任せたぞ」


カグヤさんの言葉にエステルさんは反応しない

どこかボーっと教会を眺めている


「僭越ながらワタクシ料理も嗜んでおりますので、

エステル様の代わりに調理しても構いませんでしょうか?」


何かを察したのかクレアさんが料理をかって出てくれた


「すみません、私ぃちょっと行く所があるのでぇ」


そう言って教会近くの森の中にエステルさんは入っていった


「ふむ……妾が後を追おう

そちらの準備は任せたぞ」


何か気になったのか、

カグヤさんがエステルさんを追って森へと入る

超強力虫除けスプレーがあるから魔物と遭遇する心配はないとは思うけど…

エステルさんの様子がとても気になる


「あのシスターはこの教会の関係者か?

いや、しかしオイラがいた時にはいなかったような…

いや待てよ、確かエステルって…」


「ん、王子この教会にいた事あるの?」


「まぁな、ガキの頃の話だけど…

訳あってここで暮らしてたんだよ」


焚火装置を置き、寝てるラヴィさんを引きずって、

手を乗せる


「ラヴィさん、火付けて」


「……ほへっ?」


気がついた反動で焚火装置に魔力が入った


再び気を失うように眠ったラヴィさんを引きずって、

ベッドの上に押し上げた


「ちっこいの、お前中々酷いな、ガハハハ」


火が付いたのを確認して設置したソファに深く座る


「ん、話の続き」


「おうそうだな

えーと、まぁどっから話したもんかな……」



一方、カグヤさんはエステルさんの元へ

険しい森をひたすら歩き

小高い丘を登る

ここまで教会からは中々の距離があった


「……お久しぶりですねぇ」


エステルさんの目の前には簡素なお墓がいくつかあり、

そしてその更に奥の洞窟には……


「大型アーティファクト……シスターおぬし…」


人ひとりがすっぽり入れそうなくらいの機械が置かれていたそうな……


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