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乙女座と彗星の導き

そして次の週の月曜日、一時間目は国語で私が好きな図書の時間だった。私にとっては授業のなかで最高に幸せな時間だ。私が図書室にきて読む本のジャンルは大抵は天体系だ。星って夜空をまるで宝石をちりばめたように彩っていて、神秘的なところが好きだ。いつも私はお月さまか自分の星座の乙女座を見ているのだが、なぜか今日は彗星のページを開いていた。あれ?なんで私彗星のページを開いてるんだろう?星野くんの慧の字と似てるから?それに、あの体育祭の日に見た星野くんの笑顔も一緒に出てきて、思い出すたびに胸がキュンとして、顔が真っ赤になりそうで。そんな事を考えていたらいつの間にか隣に星野くんが座っていることに気付いていなかったらしく、「柴田さんって星好きなんだ?」という星野くんの声に驚いてしまった。「ほ、星野くん⁉︎いつの間にいたの⁉︎」すると星野くんは「え?さっきからいつ気付くかなーって思ってずっといたよ?」とニコニコしながら言ってきた。私はあの日以来、星野くんの笑顔を見るとドキドキするようになっていた。そんな複雑な気持ちを知られないように頑張って私は声が上がらないように「星野くんも星とか好きなの?」と聞いた。「俺?俺意外と星とか好きなんだよ!最近は天体観察するのにハマってるー」これは驚きだ!「えっ!そうなの?」「うん、でも天体観察って言っても家の窓から空を見上げてるだけなんだけどな。なんか外でもっと広々と星を見たいけど近くにそんな場所ないしなー」それなら私には心当たりがある。しかも、そう遠くない所に。でも、そこには心の底から信用していて大親友のオカルト好き、星好き少女の青木 星奈(あおき せいな)としか行ったことがない。あの場所は、わたしが外で唯一落ち着けて、安心できる所だからあんまり他の人には来て欲しくないのだ。でも、星野くんなら大丈夫だろうというどこからともなく現れた自信と信頼を頼りに、私は星野くんに星が見れる所を教えることにした。「それならいいところ知ってるよ!隣町の星川町(ほしかわまち)に夜は人が来なくて、静かで、すっごく綺麗な星空が見える丘があるの!」「あの...」私は星野くんを誘っていいか一瞬だけ迷った。でも、自然と口が動き「よかったら一緒に見ない・・・?」と誘っていた。ちょっと星野くんは考えていたが、「いいよ!じゃあ土曜日の夜7時に天野(あまの)中の前でいいかな?」「うん、いいよ!」・・・と言ったものの後から私は不安の波に飲み込まれていた。本当に二人っきりで良かったのか?とか、あの場所を教えて良かったのか?とか。でも、最終的には嬉しい気持ちになって「まぁいいか」状態になっていた。そんなことを考えながら図書室で本を読んでいる時に、なにか目線を感じたのでふと顔を上げてみると夢月(ゆづき)と目が合った。しかも睨みつけていた。しかし、私と目が合ったのですぐに目をそらしたが。

私は中学校に入ってからぜんぜん星を見てない、それに星野くんがいるということでいつも以上にウキウキしていた。もちろん、そんな状況で勉強に集中できるわけがない。早く土曜日にならないかな〜とか授業中に考えてて、先生に当てられたときに物凄く困ったり、慌てたりもした。1日がとても長く感じて少し鬱陶しく感じる日が数日続いた。

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