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体育祭

それから何日もの練習を重ねて体育祭当日がやってきた。私たちは青色のハチマキを縛って、次のリレーの待機をしていた。今、緑が1位、青が2位、このリレーで勝負が決まる。私が緊張していて顔が真っ青になっている時に星野くんがやって来た。「大丈夫?柴田さん?心配しないでよ、俺、絶対一番取ってやるから!」星野くん、頼もしいなぁ「ありがとう、星野くん私も全力で走って星野くんにバトン渡すから‼︎」星野くんが声をかけてくれたおかげで緊張がほぐれた気がした。

そしてついにリレーの番が来た。夢月(ゆづき)がいつものぶりっ子モードはどこかへ消えて真剣、というか恐ろしい顔をして走ってきている。そしてバトンをパスされた。私は長い三つ編みを揺らしながら全力で走った。今、青組は6位中2位、緑組が1位を保っている。「星野くん、頼んだよ‼︎」と私が言うと「任しとけ!」と言って星野くんはバトンを受け取った。私は息を弾ませながら走り終わった人達の後ろに並んで、星野くんの走っている姿を目で必死に追う。緑組の人まであと1m...50cm...30cm...そして追い越した。そのまま星野くんはゴールテープを切った。「青組の逆転勝利です‼︎」と言うアナウンスの声をかき消すくらい、私たちは叫び、喜んでいた。

退場し、星野くんが姿を現した瞬間にみんなは一斉に星野くんの周りに集まっていた。

「やったな慧斗!」「さすが50m6秒台‼︎」などみんな喜びの声をあげている。「星野くん、1位おめでとう!あと、ありがとう‼︎」私は喜びすぎて自分でも何を言っているのかわからなかったけど、星野くんにはちゃんと伝わったみたいだった。「こちらこそありがとう柴田さん!柴田さんが他の色と差を開いてくれたおかげだよ!」と言って、今までの中で一番爽やかで、かっこいい笑顔を見せてくれた。その笑顔を見た瞬間、私の胸がキュンッとしたような、甘くて酸っぱいような、なんとも言えない幸せな気持ちが込み上げてきた。

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