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「さてさて、私を筆頭とした皆さんの頑張りによって遂にアリアのレベルが20にまで達しました」
「おい、今サラッと自分を一番にしやがったぞコイツ」
【雲海の都サバーニャ】にある拠点にて箱を積んで作った即席の壇上でヒデムがデジャヴを覚えるような感じにアリア魔王化計画第二段階の経過報告をしている。
「現在のアリアのステータスを情報化すればこんな感じですね」
ドンッとヒデムが取り出したのは、無駄に手間をかけて造られたパネルであり、金箔縁取りにラメ加工まで施されていた。
「……力入れ過ぎてて逆に見にくいわね。もっと見やすいのはないの?」
「予算の問題で予備を用意出来なかったのですよ。いやはや、世知辛いですね」
「その予算配分ってのの内訳も知りてぇんだがなぁ」
「無駄な労力は厭う質なので。さぁ無駄話もそれぐらいにしてサクサク進行していきますよ」
「今更だけど、軽くイラっとするわね」
ニックネーム:アリア
個体名:スライム・オリジン/種族:スライム(起源開放)
Lv20
ステータス
HP:189
MP:114
力:41
防御:256
速さ:55
賢さ:61
魔力:403
運:18
アビリティ
自己再生:B
捕食:B
魔力開放:D
魔力防御:C
受け流し:E
スキル
ゲルウィップ
ゲルハンマー
魔力弾
魔力散弾
「力、速さ、賢さ、運が低いってレベルじゃあねぇが、防御と魔力は逆に文句無しってとこかぁ。受け流しのアビリティもランクは低ぃが有用だしなぁ」
「魔法特化ってステだけど、賢さとMPが低いのが気になるわね。魔法系スキルが単純魔力依存のだけで賢さに依存するスキルがないから構わないのかもしれないけど」
「ええ、流石は起源開放済み。高いステータスは高く、スライムらしく低いものは低いステータス。アビリティやスキルも現状を見れば十分でしょう。しかし、アリアは魔王への進化を目指すスライム、それを鑑みれば問題は山積みですよ」
「具体的には?」
「ずばりステータスですよ。種族別経験値やアイテムである程度進化種族先を操作してるとしても、ステータスに問題があれば目的通りに進化させるには厳しいのです。これを解決するのが急務となります」
「んな事言ってもなぁ?ステータスを弄るってならドーピングアイテムを喰わせるぐらいだろうがよぉ」
「レオの言う通り、ドーピングに頼るのが手っ取り早いでしょう。ですが、安物はモンスターへの悪影響が出たりしますからねぇ。与えるにしてもそのアイテムの質には拘らなければいけません」
「あぁ、話の流れが見えたぞクソが」
「ちょっと、フラグが立つでしょうが」
「フラグが立つとか以前の問題だろうがよぉ」
「お二人とも察しているみたいですね。そう、しばらくは天然由来のドーピングアイテム集めですよ。まぁ大体がAランク程のアイテムになるので各ダンジョンをマラソンする必要がありますが、アーリーは構いませんか?」
「…………仕方ないね」
うんざりして嫌がる二人に笑顔で宣告するヒデム。
二人ともガクッと項垂れるが、アーリーからの許可も出た以上はするのがパーティのルール。
「チッ。で、その目的のブツがあるのは何処なんだってんだヒデム先生よぉ?」
「水星洞より『星屑の欠片』、メメイラ遺跡より『熱殻石』、魔法の森より『白黒ダケ』、ミノウルロス大迷宮30階より『百足蜥蜴の抜け殻』、ミストバレーより『雷神鳥の尾羽根』と、まぁこれらを予備込みで50程あれば十分でしょう」
「……俺の記憶が正しけりゃあ、Sランクアイテムも混じってる気がするんだがなぁ」
「眩暈がしそうだわ……」
「はっはっはっ。では気張っていきましょうか」
アイテム紹介
『星屑の欠片』:Aランク/モンスターの運がアップ(小)
水星洞にある採取アイテム。とあるテイマーの感想では感覚的に100回に1回見つかる程度のアイテム。
『熱殻石』:Aランク/モンスターのHPがアップ(小)
メメイラ遺跡にある採取、又はドロップアイテム。古代文明で使われていたエネルギー源の一つで、ゴーレム等の動力として使われている。非常に壊れやすく、壊れたら下位爆裂魔法と同程度の爆発が起こる。
『白黒ダケ』:Sランク/モンスターのMPがアップ(中)
常に瘴気が渦巻く魔法の森に繁殖しているレアキノコ。人が一口食べれば半年は夢の世界に滞在できるため、一部の都市では禁制品扱いでもある。
『百足蜥蜴の抜け殻』:Bランク/モンスターの力がアップ(小)
ミノウルロス大迷宮30階に出現する百足蜥蜴の抜け殻。ただし百足蜥蜴本体にはステータス上昇効果は無いので注意。ダシにすると鰹節みたいな味がするとか。
『雷神鳥の尾羽』:Aランク/モンスターの速さがアップ(小)
ミストバレーに生息する雷神鳥からドロップする。ただし雷神鳥は危険度Aランクであり、瀕死になると限界量を超えた放電を行って羽がボロボロになるので、元気な状態で引き抜く必要があるが、全身隈なく雷を纏っているためまず引き抜けない。大人しく自然に抜けた羽根を探しましょう。




