濡れ衣と生贄人形②
生活指導室のドアを開いた男女3人に見覚えがあった
女子は公金堂の経営者の娘、赤波江 敬子
少しだけチャライ男子生徒は 井上 宝物
身長の高い気が弱そうな男子生徒 滝場 清次
井上が一輝を見つけた瞬間、生活指導室に入り、一輝の制服の襟首を掴む
「おい相川!」
「お前どういうつもりだ」
「なんのことだい?」
「とぼけんな!!」
とぼけたフリをする一輝の態度に井上の怒りが更にヒートアップし、一輝を壁へ叩きつける。
「井上!話も聞かずに一方的に怒鳴ったり手を出すのか!!」
「相川!お前が犯人だろうが!」
大内が大声で井上を止めるが井上はそれを無視して一輝に怒鳴る。
とぼけたフリをしている一輝に対して滝場がぎこちない事件の説明をする。
「赤波江の店の商品がな、何個もこ、壊されたんだって」
「あら……そりゃたいへんだー」
その説明を聞いた一輝は棒読みで受け流す。
その態度に更に井上の怒りがヒートアップする。
「お前あの事件で俺達をまだ恨んでるんじゃないだろうな!?」
「井上君、まずいって!」
大声で一輝に怒鳴り、壁に一樹の身体を更に叩きつける。
[あの事件]に触れた井上が赤波江に止められる。
その大声を聞いた八橋や他の教師、野次馬が生活指導室に集まってくる。
八橋は生活指導室に入って無言で井上を叩く
井上が一輝から手を離し、八橋が一輝に近寄り声をかける。
「一輝、怪我は大丈夫?殴られたりしてない?」
「…………」
一輝は無言のまま無表情で黙っている。
そして無表情から気味の悪い張り付いた笑みにかわり、その後に井上にゆっくりと近寄る。
「ああ……恨んでいるさ」
「じゃあやっぱりお前が!」
と一輝に対して井上は拳を構えるが、八橋が一輝の前に庇うように立つ
「八橋……」
「貴方に呼び捨てされる筋合いはないわ、井上君」
井上は一輝を八橋が庇ったのを見て、戸惑う。
「井上、これ以上の暴力行為は謹慎処分どころじゃすまないぞ!」
「とりあえず関係ない奴は帰れ!」
大内が野次馬を追い払う、井上や滝場、赤波江と八橋も追い出される。
赤波江さんは関係あると思うけど…まあ黙っておくか
一輝は大内が生徒達を追っ払うのを黙ってみていた。
野次馬を追い払って少し時間が経つ、その時に一輝が大内にあることを念のために問いただす
「先生、今回の件は警察に被害届がでているのでしょうか?」
「被害届は出していないらしい、公金堂に教師全員で謝罪をしたかいがあったのかもな」
「この古い学生証を発見したのは?」
「俺が店内から発見した、カメラの人物が
お前なのか確かめたいと言ったら簡単に貸してもらえたよ」
「先生が発見して警察以外には知られてないんですね?」
「多分な」
「――うん、なるほど」
「なにかわかったのか?」
「先生、手帳を盗んだ犯人と商品を破壊した犯人がわかりました」
「なっ……!?一体誰なんだ?何の目的で!?」
「恐らく犯人は――――」
時刻は18時、夏の薄暗い夕焼けの空の中、八橋と泉は校門の前で一輝を待っている。
「一輝随分遅いなー」
「………」
「俺は何も事情はしらないけど、やっちゃんは一輝っちにそんな顔見せちゃいけないぜ?」
泉が八橋の事を励まそうとする。
「私は別に落ち込んではいないわ、ただ…」
「嫌な予感がするんだろ?俺もだよ」
泉が真面目な顔をして八橋の言いたいことを代弁する。
そして丁度、一輝が校門前から出てくる。
「随分遅いな、一輝っち」
「そのあだ名をやめてくれないか?」
「お堅い事言わないでくれよ」
「まあいいけどさ、君達ここで何をしているんだ?」
「貴方を待っていたのだけど、余計だったかしら?」
「まあそれは別にいいんだけどさ…」
「それで一体なんの騒ぎだったの?」
八橋からこの質問を来るのを待っていた。
この際だから協力してもらおう
「その説明をするのはいいけどさ、頼み事があるんだよね」
「!?――貴方が頼み事なんて珍しいわね」
「内容次第ならいいぜ」
八橋も泉も興味を持ち、心なしか八橋の表情が明るくなる。
「僕の奢りでご飯でもどうだい?忍も呼ぶつもりだけど」
「一人暮らしの俺にとっては奢りと聞いたら飛んでまでも行くぜ!」
「私も行くわ」
「決まりだね」
一輝は八橋と泉に事情を話す事と協力してもらう事にした。
泉が前にも似たような事があった気がしたが、まあいいかと流してしまう
八橋も泉と同じだったが、一輝が昔みたいに自分達を頼ってくれる事が何より嬉しかった。
だが八橋も泉も知っていた。一輝が協力を仰いだ本当の理由を
文章力が無さ過ぎるという事に今回で気がついた作者です。
読みにくかったらごめんなさい