〜Prologue〜
ただ、この日常が続けばいいと思っていた。笑って、泣いて、悩んで。だけどそれは幻想だった。俺には悩み留まることすら与えられなかった。
時は俺に二つの選択肢を与えた。
独りで生きるか。
死ぬか。あまりにも無情なこの選択を、運命ってやつが突き付けた。俺もバカだな。大した誇りもなあ意地を張って勝手に苦しんで。見てくれる人もいないっていうのに。後に引けなくなって今更後悔してんだよ。
以前の俺ならとっくに果てただろうな。本当バカだよ俺。綺麗な生き様を見て、俺もできるって思ってやんの。ハハ、本当バカだな。いっぱいいっぱいのクセにまだ望んでやがる。あいつと俺は違うっての。
ああ。だけど・・・。アイツは俺を信じてくれた。最後の最期まで。微塵の曇りもないあの真っ直ぐな眼差しで。無理だっつってもガンてして聞きやしねぇ。
けどまあ、あれだけ俺を信じてくれたんだ。こんなとこで諦めたら泣いちゃうだろうなアイツ。泣き虫だし。アイツのためってワケじゃねえけど、最期まであがいてみるかな。大丈夫、きっとできるさ。他人のアイツが俺を信じたんだ。俺が俺を信じれねぇワケねぇんだ。やってやるさ。けどアイツのためじゃねぇからな!