ドラゴンの世界
季節が巡るたび、僕は君に恋をした。
あれが初恋だったのだと思う。
小学校六年の春、桜の木の下で交わした約束。
「ずっと一緒にいようね」
あのときの言葉は、今も胸の奥で光っている。
けれど、世界は変わってしまった。
――全世界対ドラゴンの時代。
2050年、突如現れた怪物は、核兵器さえ効かない存在だった。
核を持たない日本は、他国に頼るしかなかったが、その力も無意味だった。
残されたのは、人が命を賭して戦う道だけ。
それでも、人は恋をし、愛を抱いて生きていく。
僕もまた、その一人だ。
そして今、赤紙が復活した。
徴兵の年齢は十八歳。
僕は十七。
――来年には、その紙がきっと届く。
あれが初恋だったのだと思う。
小学校六年の春、桜の木の下で交わした約束。
「ずっと一緒にいようね」
あのときの言葉は、今も胸の奥で光っている。
けれど、世界は変わってしまった。
――全世界対ドラゴンの時代。
2050年、突如現れた怪物は、核兵器さえ効かない存在だった。
核を持たない日本は、他国に頼るしかなかったが、その力も無意味だった。
残されたのは、人が命を賭して戦う道だけ。
それでも、人は恋をし、愛を抱いて生きていく。
僕もまた、その一人だ。
そして今、赤紙が復活した。
徴兵の年齢は十八歳。
僕は十七。
――来年には、その紙がきっと届く。