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魔法少女チームを追放されたのでイケメン集めてお前ら殺します  作者: ベルガ・モルザ
一章『多分本気出してた』

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テイク-26【魔力フルチャージ】


 「真花ヘンタイダーってついこの間いなくなったんじゃ……」


 華奢な肩へ龍二の手が触れた。視線は一点、ギャンブルスキーへ。


「もちろんよ! マジエトのみんなでラスボス、サイゴタイダーを倒したんだから」


 理屈の置き場がどこにも見当たらない。説明はない。納得も置き去り。


 だが――さっきの爆風で巻き込まれた客たちが床にうずくまり、うめきだけが島に散っていた。


 真花の掌に、白いハート型ペンがぱっと現れた。


「龍二変身よ!!」


   ペン先のピンクのハートストーンが胸の高さで揺れる。


 真花は一度、深く息を吸い込み――空へ突き上げた。


「魔力フルチャ! 可愛さマシマシ!」


 “キュイン!”

 ハートストーンが光を弾き、空中にピンクの魔法陣がぱっと咲く。


 ――ぴきゅーん♡

 上半身がピンクの光に包まれ、ブレザーとブラウスが瞬く間に形を取る。


 ――ぷりん♡

 腰まわりにふわっとスカートが舞い降り、フリルが軽やかに揺れる。


 ――ぱきゅーん♡

 揃えた足に沿って光が駆け下り、ヒール付きブーツがぴたりと現れる。


――ぽわん♡

 背後にピンクの大型リボンがふわりと結ばれ、柔らかく光を放つ。


 アヒル口で唇を尖らせ、片手でピース。指先を目元にそっと添え、肩を斜めに切って――決めポーズ!


 続くように龍二が変身。


 ペン先のグリーンのハートストーンが胸の高さで揺れる。


 龍二は短く息を吐き、空へ突き上げた。


「魔力フルチャ! イケメンマシマシ!」


 “キュイン!”

 ハートストーンが鋭く光を弾き、空中に緑の魔法陣が広がる。


 ――ぴきゅーん☆

 上半身を包むグリーンの光が瞬き、白のショート丈ブレザーとシャツが形を取る。


 ――ぷりん☆

 膝上のショートパンツがふわっと現れ、軽い裾に緑のラインが走る。


 ――ぱきゅーん☆

 足元を光が駆け抜け、黒の編み上げブーツがぴたりと装着される。


 ――きらん☆

 首元に黒地のネクタイ。中央の緑二本ラインが浮かび、微光を帯びる。


 顎をわずかに上げ、両手はポケットのまま。視線だけでカメラを射抜く――決めポーズ!


「可愛いぃぃ♡ 新しいユニフォーム似合いすぎる〜♡ 写真撮っとこ」


 真花はスマホを取り出し、迷いなく自撮り。


 パシャ☆


 龍二へ寄ってツーショット☆


 ……ただ、龍二の眼は死んだ魚。視線は床。


「28にもなって……なんで俺魔法衣装なんか着てるんだ……」


「何言ってんのよ! いまからヘンタイダーを倒して世間様にいいとこ見せて、ちゃっかりテレビ出演しちゃってお金ガッポガッポ稼ぐのよ!」


 真花は軽く跳び、まだ吹き飛んでいない台の上へ。三脚を立て、スマホを固定。


「これでヨシっと」


 画面の赤いボタンをタップ。RECの小さな点が点滅を始める。


 ギャンブルスキーの正面へ着地。靴底が一拍鳴る。人差し指がまっすぐ突きつけられた。


「怪人ギャンブルスキー、よくもなけなしの1万で当たった台をおじゃんにしてくれたわね! 絶対に殺すから覚悟しなさい!!」


「お前ら、何者だタイダー」


 定型の問い。流石ですギャンブルスキーさん


 真花の目がきりりと締まる。声のトーンが半歩上がる。


「あたし達は世の中の悪を正す正義のヒーロー真華決着団(しんかけっちゃくだん)よ!」


 ……


「ダサ」


 本音がポロリ。龍二の口端が引き下がる。


「何がダサいのよ! この真花様が夜な夜な夜鍋をしてまで考えに考え抜いた最高のチーム名なのよ!!」


「俺も一応メンバーなんだから相談ぐらいしてくれてもいいだろぉ!?」


「嫌よ、あたしがリーダーなの。決定弾は全部あたしにあるの!」


「そんなときだけリーダーぶるなんてズルいぞー」


「やーい悔しかったらあたしを抱いて黙らせてみなさーい」


「手繋いだだけで赤面するくせになにが抱いてみろだ!」


「う、うるさいわね! それとこれとは関係ないでしょ」


 ぺちゃくちゃ、ぺちゃくちゃ。

 

 五分は軽く経過――やっぱり男と女はわかりあえない。


「おい」


 ギャンブルスキーの低圧な一声。


「おーい」


 まだ届かない。


「無視するなタイダー!!」


 瞬間。

 緑に変色した右腕が跳ね上がり、真花めがけて振り下ろされた。


「真花! あぶない!」


 龍二が前へ。右手が払い出され――


「フォースシールド!!」


 バギィィィン!!


 半透明の平面バリアが一瞬で展開。拳がはじかれ、金属音に似た衝撃が島全体へ走る。


「クソ! パンチの速度が少し遅かったタイダー」


「いきなりパンチとは俺の推しに失礼だ」


 前髪が深く目を覆い、鼻梁の高い稜線に影。意地でも崩れない美形の骨格。


「流石ね龍二、訓練した甲斐があったわね」


 真花の口元がにやり。右手のひらが開かれ、空気がきゅっと歪む。


 空間がひしゃげ、白基調の愛らしいステッキが現れた。先端にはピンクのハート型ストーン。


「数週間ぶりのマコちゃんステッキ、起きてマコちゃん戦いの時間よ」


 先端のハートが瞬き始める。丸い輪郭の中、長いまつ毛。ぱっちり大きな青の瞳がぱちぱち。


 続いて、ギザギザの歯が並ぶ口がにゅっと浮かぶ。


「おっそいマコンね、なにほっつき歩いてるマコン」


「ごめんごめん」


「まぁいいマコン。このアタイが目覚めたからには容赦しないぜぇ? ヘンタイダーさんよマコン 覚悟せぇや!」

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