ふと……見上げた空【WEB】
ふと……見上げた空
けたたましく忙しい日々が続いている。
毎日毎日、けたたましい日々に魂を削って生きている。
父の残した忘れ形見の借金返済に追われている。
父が亡くなるなんて想いもしないで、全てを壱纏めにして肩代わりしたその壱月後……父は病院のベットの上で母と私たち兄弟全員に看取られて何度も何度とピーと鳴ってはピッピッピッピッを繰り返して半日後に、呆気なく他界した。
全然悲しくなかったのを今もこの胸に残っている。
寧ろ、ああやっと膨れ上がる借金の底が見えたと思ったくらいだろう。
なんて親不孝者なんだろうな……わたしは。
利息も含めれば壱億近くあった借金も、後伍百萬位になった。
けたたましく、働いて働いて働いて……仕事終わり真っ暗な駐車場でふと……こんな人生想い描いてたのとは、違うもんだなあ……これが現実かあ……。
ふう……雪がチラチラ舞だした。
ふと……見上げた夜空にオリオン座があった。
小さな頃、父に買ってもらった望遠鏡で月を眺めてたなあ。
嗚呼……肆っつの星の真ん中に参っつ星が並んでるのが、オリオン座って教えてもらったんだったな。
他にも色んな星の名前とか……教えてくれたんだっけかな。
はは……頬に涙が壱筋流れて……。
何でだよ……何でだよ良い想いでしか浮かんで来ねえや……。
オリオン座って冬の星座だっけかな……。
なんとなく、そんなことをポツリと呟いた……。




