09
朝。強い吐き気で目が覚め、明楽はトイレへ走った。
「うっ!」
大量の血を吐いた。
「明楽さん!」
クロが背中を撫ぜてくれた。
「大丈夫です。私がいるので、落ち着くまで待ってますよ」
明楽は涙を浮かべながら吐き続けた。
「クロ…辛い…」
クロは頷くことしかできなかった。しばらくしてようやく落ち着いた。明楽を洗面所へ移動させた。
「ありがとう」
明楽はゆっくりと口を洗った。
「無理はしないでください」
「わかってるよ。大丈夫」
リビングへ行き、椅子に座った。
「クロとエナジーだけだな…弱音を吐けるの」
クロは暖かいスープを明楽に渡した。
「いつでも聞きますよ」
「ありがとう」
明楽は一口スープを飲んだ。
「おいしい…」
「よかったです」
明楽はゆっくりとスープを飲み干した。
「ご馳走様。行く準備するね」
明楽は身支度をした。
「クロ。行ってくるね」
「気をつけていってらっしゃい」
「クロも気をつけてね」
明楽は玄関を開け、出て行った。
駅へ行くと、クリスマスの音楽が流れていた。
「もう、クリスマスなのね。早いな…」
多忙だった事で月日の流れが早く感じていた。
「今日は帰りにクロにプレゼント買って行こうかな」
明楽は来た電車に乗った。
「今日は、ここまで。次回は膵臓癌について講義します」
クロは医学の授業に参加していた。実習はできないが、講義は受けることができた。
「ふぅ…」
ノートにわかりやすくまとめ、片付けた。
「さて、昼飯でも食べますか…」
食堂に行くと、多くの生徒で溢れていた。
「あら、ルーマス君。久しぶりね」
食堂のおばちゃんが声をかけてくれた。
「お久しぶりです。最近自炊してたので、食堂を利用していませんでした。今日は久しぶりに来ました」
「えらいわね。今日のイチオシはハヤシライスと、チョコケーキよ。食べてってね」
「では、いただきます」
クロはハヤシライスとチョコケーキをトレーに乗せ、席についた。
「いただきます」
ここの大学の食堂は、美味しいと評判の食堂で多くの学生から愛されている。
「うまい」
あっという間にハヤシライスを平らげた。食堂からラジオが流れていた。
“さて、もうすぐクリスマス!今日はこの曲で締めようと思います!”
ラジオからアコスティックギターのクリスマスが流れた。
「そうか…もうクリスマス」
クロはチョコケーキを見た。
「今日の晩御飯。ケーキでも出そうかな。明楽さん…食べれるといいが」
クロはチョコケーキを一口食べた。
「久しぶりのケーキはうまいな」
クロはチョコケーキを食べ終え、食器を返した。
「お疲れ様です」
次々と帰っていき、明楽と設楽が残っていた。
「設楽さん」
「なんでしょうか」
「行ってみない?今日は様子を伺うだけ」
明楽は一応銃を用意していた。
「ちょ!明楽さん!なんで銃…」
「しっ!静かに!行くの?行かないの?」
設楽は迷ったが。
「い…行きます」
「様子見だけだが、危なかったら逃げてよ」
明楽はスマホを開いた。
「エナジー。私達が今から通る監視カメラ、偽造しといてね」
「了解です」
「行こうか」
なかなか投稿できずに申し訳ないです。
さて、もう直ぐクリスマス。クリスマスといえばいろんな曲があると思いますが
今回、明楽とクロが聞いたクリスマスの曲は『聖夜二人Silent Night』です。
作者、THE ALFEEのファンでしてこの時にこの曲が流れたら合うなー
と思いながらいつも書いています。THE ALFEEのクリスマスソングといえばこの曲なので
イメージして書いていました。