05
気がつくと夜になっていた。
「…クロ?」
「お目覚めですか?夕飯の準備ができましたよ」
明楽は服が乱れてない事に気づいた。
「クロ…何もしてないの?」
「なんのことでしょうか?第一、許可がないのに無理やり襲うのは、私の趣味ではありません。ただ…」
「ただ?」
「寝顔がとても可愛かったですよ」
明楽は顔を真っ赤にした。
「は…恥ずかしいじゃない!見ないでよー」
「いや…横で寝てたら見るじゃないですか…そうそう。夕飯はたまご粥を作りました。だし汁入れてるので、風味はいいと思いますよ」
明楽は席につき、たまご粥食べた。
「…相変わらずうまい」
「よかったです」
クロも椅子に座った。
「お体は大丈夫ですか?」
「うん。さっきより少しいい」
「よかった」
たまご粥を食べ切り、ホッとしていた。
「今日、すごく楽しかった」
「私もです」
「また、行こうね!」
「ええ。ご同行します」
「先にシャワー浴びるね」
明楽は着替えを持ち、シャワーを浴びた。その間、クロは食器を片付け、部屋に向かった。窓を開けると、カラスが飛んできた。カラスはクロの腕に止まり、耳元でクチバシを動かした。
「わかった。安心だな」
カラスにオヤツをあげた。カラスはそのまま飛び立った。
「クロ。空いたよ」
「はい。今行きます」
クロも着替えを持ち、シャワーをあびた。
明楽は部屋でスマホを開いた。
「お疲れ様です。明楽さん」
「エナジー。今日は楽しかった」
「それは何よりです。明日から仕事なので、もうお休みになっては」
明楽はベットに横になった。
「エナジー。今日はありがとうね。見守ってくれてて」
「いえ。でも、今日の明楽さん。幸せそうでよかったです」
「もう寝るよ。おやすみ」
「おやすみなさい」
スマホの電源が切れた。
朝。明楽の体調がいいのか、すぐに起き上がれた。
「今日はいい日なのね」
すると、スマホの画面が光った。
「おはようございます。明楽さん」
エナジーからのモーニングコール。扉のノックもなった。
「おはようございます。明楽さん。朝食できました」
「今行く」
明楽はリビングに座った。
「毎日お粥だと飽きると思ったので…」
白米に味噌汁と焼き魚が出てきた。
「和食…いつ以来だろう」
明楽は味噌汁を飲んだ。体が温まり、ホッとした。
「美味しい」
「よかったです」
明楽は完食した。
「美味しかった」
「明楽さん。お仕事がんばってください」
クロは食器を片付けた。
「ありがとう」
明楽は身支度をした。
「今日もいつも通りに帰れると思うけど、遅くなったら、入ってていいからね」
「ありがとうございます」
「私、先行くから。鍵お願いね」
「御意」
明楽は玄関を開け、出ていった。
いつもの電車に乗り、警視庁に向かった。
「エナジー。今日の情報は?」
イヤフォンからエナジーが情報を話し出した。
「今日は仕事の後の予定は、入っておりません。入り次第連絡します」
「わかった」
「それと、例の件ですが…」
「それは焦らなくていい。昨日ゆっくり出来たから、予定なかったら私もやる」
「わかりました」
目的の駅につき、明楽は降りた。警視庁につき、自分のデスクに座った。パソコンを開き、メール等のチェックをした。
「特に…重要案件はないのか」
「おはようございます」
設楽が入ってきた。
「おはようございます」
「三月さん。聞きました?今日から新しい人が入ってくるそうですよ」
「そうなんですか…」
しばらくすると、続々と出勤してきた。最後に、井上と新人が入ってきた。
「みんなおはよう。今日から一緒に働くことになった、新塚サラだ」
「新塚です。よろしくお願いします」
大人っぽい女性で、スタイルも抜群だった。目つきも鋭く、明楽は違和感を感じていた。
「新塚さんは、私の隣に机があるからな」
「はい。がんばります」
新塚は軽く礼をした。
仕事が始まり、明楽はパソコンを操作していた。
「三月さん。コレやっといて」
明楽の机に書類の束を置いた」
「はい…」
新塚は机に戻った。
「三月さん。大丈夫ですか?」
設楽が声をかけてきた。
「このくらい大丈夫です」
「にしても、気が強い女ですよね」
「…すみません。お手洗い行ってきます」
明楽は席を立ち、トイレへ急いだ。
「うぅ…」
明楽は血を吐いていた。
「明楽さん。大丈夫ですか?」
スマホからエナジーが声をかけてきた。
「大丈夫。エナジー」
「なんでしょうか?」
「新塚サラ。情報探して。なんか嫌な予感してたまらないの…うっ」
また明楽は血を吐いた。
「わかりました」
明楽は手洗い場で口をゆすいだ。鏡をみて、汚れてないか確認した。
「さて…片付けますか」
明楽は戻って行った。
なかなか投稿できずに申し訳ありません。
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