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魔力測定,

「納得出来ないでありますっ!いくらあのレミリア様の婚約者であるお方と言えどレミリア様やマリア様がここに到着されてからまだ小一時間も経っておりませんっ!失礼ではありますがこの短時間に黒魔石と魔獣の問題を解決したとは到底思えないでありますっ!」


ニッサはそう言うとキッとクロード様を睨みつける。

それはまるで獅子身中の虫、モグラ、スパイ、詐欺師を見るような表情と目つきである。

その状況にわたくしはクロード様──いえ、逃すつもりは毛頭御座いませんので最早伴侶と言っても差し支えないでしょう。そのため最早クロード様は私の夫であるとも言える最早夫で間違いない──もといわたくしの夫へ向ける濡れ衣の視線を辞めて貰う為にも、信頼できるお方である事を知って頂く為にもここは私がクロード様の人となりをニッサに叩き込みたいのだがニッサの言う通りこの短時間もの間に黒魔石と魔獣の問題を解決した事を証明出来る事が今のわたくしには出来ず、歯痒く思う。


「そうですね。信用出来ないのも理解出来ますしこの後調査して頂いも構いませんよ。俺としても黒魔石や魔獣を見落としてしまっているせいで後日被害者が出るという事になるのも避けたいですしね。むしろ念入りに見抜かりが無いよう調査して頂ければと思います」


しかしわたくしの夫は怒るでもなくニッサの気持ちを汲み取り、更に自分の不手際があるかもしれないとニッサへ念入りに調査するようにお願いをする。

普通の貴族ならば敵意を隠す事もせず疑われた場合キレて怒鳴り散らしていてもおかしくない状況でもおかしくないというのにである。

不覚にもわたくしは夫のその対応に不覚にも惚れたばかりだというにも関わらず更に惚れ直し、天井だと思っていた好きの度合いが更に強く、そして大きくなりとどまる事を知らない。

最早夫の事を考えるだけで発情してもおかしくない、いや間違いなく発情すると断言できる。

それはレミリア様も同じらしく惚れた瞳で夫を見つめている姿が見受けられる。

そんな夫を尊重して普段ならばニッサを咎めるのだが今回はしないでおく。


「と、当然でありますっ!では私はこれより周辺の調査で忙しくなるのでここで失礼するでありますっ!」


そう言うとニッサは敬礼を一つすると踵を返し乙女薔薇騎士団を率いて草原へ向かって行くのであった。




「ナグル様、報告が御座います」

「ふーん、あの盛った猿王子のしていた事が帝国にバレて幽閉されたねぇ」


盛った猿もとい第二王子に付けていた密偵が彼の悪事がバレて現在帝国に幽閉されている事を俺に教えてくれる。

 しかし、もう少し使えるかと思っていたルイス第二王子は思いのほか使えない奴であった。

 逆に考えれば自分の感情をコントロール出来ず欲に走り行動する奴など計画が緻密になればなるほどそいつの所為で綻びが生まれ計画そのものが破たんするだけではなく俺自身にまで火の粉がかかる危険性がある為、この計画が早い段階でルイス第二王子の使えなさが露呈した事はある意味では早々に不安分子を取り除けたと喜ぶべきであるのかもしれない。


 そう思い自分の怒りを鎮めようとするのだが、心の奥底の方でチリつき発火しそうである。

 結局は使えない奴ではあったもののあいつは王族としての権力に関してはかなり重宝していた事も事実である。

 それが無くなるとなればこの計画の進行は数年遅れる事も視野に入れなければならない事を考えれば腹も立つというものである。


 しかしながら自分の感情に左右されればどのような結末を迎えるのかこの苛立ちの元凶が実を呈して教えてもらい再確認した為その感情のまま奴を救い出して遅れを出さない様にするなどという愚策はしない。

 まあ奴にとって助け出されたとしても今回の件の不始末による罰は受けなければならない為ある意味このまま助け出されず帝国にて幽閉されている方が良いのかもしれないが。


「ふむ、どうしたものか」


 そこまで考え、思わず言葉を発し深くため息を吐いてしまう。

 普段ならば美味しく感じられるワインすら不味く感じてしまうくらいには精神的に今回の件でストレスを感じているのであろう。


 そして俺はワインのボトルの横にあるベルを手に取ると三回振りベルを鳴らす。


 「お連れ致しました」


 そのベルが鳴って半刻程経ったとき、洗礼された無駄のない動きでメイドが入って来ると二日前購入した奴隷をつれてくると、そのまま一礼し「それではお楽しみくださいませ」と言うとメイドは部屋から出ていく。

 連れてこられた奴隷は十歳前後の女性であり生気の抜けた様な眼を俺に向けて来る。

 しかしその瞳は未来に希望を持っておらずくすんでいたとしても『未知』という漠然とした未来に少なからず脅えを滲ませていた。


 当然であろう。

 例え未来に希望が無く生に執着が無かったっといても、それこそ今死んでも良いとすら思っていたとしても痛いのは嫌であるし怖い。

 それはこれから起こる事が未知数であり拷問紛いの事を今よりされるかもしれないという可能性があるのだから、それは死ぬことよりもさぞ恐ろしい事であろう。


 そんな複雑な奴隷少女の表情を見て俺は燻っていた感情が別の感情へと塗り替えられていく事を身体全体で感じ取る。


しかし、一つ欲を言えば屈強な男性の方が自分の好みではある。

そういった男性は奴隷としての使い道は多岐にわたる為なかなか手に入らないのだから致し方ないのだが屈強な男性が見せる絶望と恐怖の感情というギャップがたまらなく俺の嗜虐心をたまらなく刺激する。


だが無いものをねだっても仕方のない事である為今日はこの幼女で我慢しておくことにする。

それに屈強な男性と違い幼女であれば安く買える為例え潰してしまっても俺の懐は痛くはないと思いながら目の前に差し出された幼女へと歩んでいく。

俺が近付くにつれて幼女の表情が恐怖に歪んでいく。

その様を見ている俺の、鏡に映る表情はこれから起こるであろう事がどんなものであるのかという事を察する事が出来るぐらいには歪んでいた。





大変な目にあった。


いや、起きた事件や出来事を見ると簡単に対処できた為その部分に関しては大変ではなかったのだが大変な目にあった事には間違いがない。

それを聞いた男性の殆どが羨ましく思うのかも知れないのだが俺からすれば素性の知らない女性と婚約するなどなんの罰ゲームだよと叫びたくなる程には大変な事なのである。

何故数多の者が結婚は墓場だと言うのかを一度真剣に考えて欲しい。

俺はそう思うしあんな思いなどもう二度と真っ平ごめんである。


結婚する前はあんなに尽くしてくれた女性が結婚するや否や高圧的になり罵詈雑言は当たり前。

俺の給料は全て奪われ月のお小遣いは昼飯代込みで五千円。

それを訴えたりすればやれDVだ、やれほかに女を作っているなどと喚かれまるで話にならず、堪らずに離婚したはいいが蓋を開けてみれば俺の貯金は全て無くなっており元妻は見知らぬ男性と共に出て行く始末である。

不倫を訴えようにも証拠はなく正に泣き寝入りするしかなかったのだ。


この事からいかに相手を知らずに結婚すればどれほど恐ろしいかという事が分かろうというものである。

初めての彼女に浮気された俺の心の隙間を見事に利用されたのであろう。


見る目が無いと言われればそこまでであるのだが童貞だった俺が初めて出来た彼女に浮気されたばかりの当時の俺は格好の獲物にさぞ見えた事であろう。


あの時俺は強く『女性には気をつける。信用はしない』と誓った筈であるにも関わらずこれである。

自分が情けなくて仕方がない。


「次、クロードさん」


今ここで今一度強く誓っていると俺の順番が来たのか白衣を着た女性教員に呼ばれたので大きな水晶が置かれている机まで歩んでいく。

この水晶に手を置くとその者の魔力量により色が変わるというアイテムであり、今現在はいわゆる日本で言うところの健康診断の魔力版といった事を行なっている最中である。


「では手を水晶へ置いて下さい」

「分かりました」


 そう返事をすると恐る恐る机の上に設置された子供の頭程の水晶へ自分の手を置く。

 もしかすれば魔力があり魔法が使えるかもしれないという期待半分と、恐らく魔力など無いのではないかという諦め半分といったところである。


「あれ?おかしいですわね………こんな事今まで………いやでも」


 そんな俺の期待と不安の入り混じる心境などお構いなしに白衣の女性が三角型のメガネを押し上げああでもないこうでもないとぶつくさとつぶやき始める。


「先生?」

「あらやだごめんなさいね。こんな結果初めてだったから先生驚いちゃったわ」


 だから一体どんな結果だったんだよという言葉を何とか飲み込み「そ、そうですか」と答える。

 ちなみに俺の周りのクラスメート達も俺の魔力量の結果が気になるらしく固唾をのんで診察結果を聞き逃すまいと耳に集中している事が伺える。


「クロードさんの魔力量なんですけど、全くの無反応、ゼロ、無、チリのカスほどにも魔力を持っていないという結果が出ているのよ」


 生徒一個人の情報を不確定多数に聞こえるように伝えるのはどうかと思うものの、その結果に落ち込みはするもののやっぱりかと納得もする。

 しかしその結果に俺の周囲はざわめきだし「隠ぺい魔術か何かか?」「一体どうやって」などという会話が聞こえてくるが、種も仕掛けも無く魔力量無しという判定こそが正しい。


 白衣の先生はその事を、俺が小細工などしていないという事を理解しているが故に驚いているのであろう。

 現に俺の顔をモルモットでも見るような瞳で見つめて来る。


「まあ分からないものはいくら考えても何も研究する物が無ければ分からないわね。残念だけどクロードさんにはこちらの黒色の制服になってしまうけど、落ち込まなくても良いのよ。なんせ学園初の黒い制服ですもの。でも、もしつらくなったとか苛められたとか何かしら嫌なことつらい事があった場合はエリザ先生が手取り足とり相談に乗ってあげるから保健室まで来るように。存分に実験………じゃなくてサンプル………じゃなくておもてなしますから、なんなら何も無くても来てくれて良いのよ?」


 もう後半部分は自分の欲望を隠し切れておらず口からダダ漏れ、その表情はまさにマッドサイエンティストそのものである。

 

「ありがとうございます。今はエリザ先生のそのお気持ちだけで十分ですので、また何かあればお伺いしますね」

「ええ。絶対よ。なんなら毎日来てくれても良いですからね?」

ヒメヒナの鈴木を描いて見ました。

可愛いですよね!ヒメヒナ!!


挿絵(By みてみん)

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