第十一章
マルジェラは、貴族の家の娘として生まれた。
マルジェラの家は天使教会とも関わりが深かったので、幼い頃から天使教会に接していた。
その中でも、マルジェラは天使騎士団に強く憧れていた。
平時は信徒達を助け、事が起これば剣を取り、悪い異端者を打ち倒す。
そのあり方は貴族として育てられたマルジェラの心に深く響き、彼女が天使騎士を目指そうとするのは自然な流れだった。
彼らの身につける剣や制服に憧れ、女の子だというのに、木の枝を持って天使騎士の真似をしては、両親に苦笑されていた。
それでも、幼いマルジェラが天使騎士になりたいと父に話すと、父は喜んでくれた。
それから、マルジェラは勉学に剣技に励んだ。
特に、体格が良いのと、天賦の才もあったのか、剣技、格闘に置いてマルジェラは特に優秀だった。同年代の男子ですら、彼女にかなう者は一人もいなかった。
そして、規定の年齢に達してすぐ、マルジェラは天使騎士団の従士になった。
従士とは騎士見習いのことで、ここで結果を残せば、晴れて天使騎士になれる。
入団する前から、その力を認められており、貴族でもあったマルジェラは、天使騎士団の団長にも目をかけられていた。
マルジェラは期待どおり、従士として、めざましい活躍を続けた。
特に腕には自信があったので、悪い連中が暴れていれば、すぐに駆けつけて片付けた。
その時に覚えた決まり文句がある。
「The Riot Act has been read」
この言葉を聞くと、悪党どもは逃げだし、人々はマルジェラが来てくれたと安心した。
マルジェラは町の治安を守り、人々にも好かれていた。
少なくない女の子達が、美しく強いマルジェラに憧れていた。
もうすぐ天使騎士になれる。
マルジェラも、町の人々も、そう信じていた。




