第14話
「ごめんなさい」
「……」
「AIが暴走してしまって、、、」
「……」
「B幕は、なかったことに。って言っても遅いから、よかったら読んでください」
「……」
「改めて、C幕から再開します」
「……」
「相沢君の証券取引の話は、A幕として、続きを書きます」
「……」
「本当に、ごめんなさい」
「……」
「文字数が少なくて、これだけでは投稿できないっていうことなので、かつて、ラストシーン用に書いた原稿を貼り付けます。ただ、今回は違う結末になるかもしれません」
「俺の言ったことを、一つ一つ思い出してみろ」
「……」
「天才トレイダーを作り出すことはできるが、自分が天才トレイダーになることはできない」
「ええ。……」
「客の勝ち負けは、その客が果たす役割に過ぎない」
「ええ。……」
「客には、税引き後の差益を、証拠金に加えて渡せ」
「ええ。……」
「我々の客は負けていても、どこかのグループの客は勝っている」
「ええ。……」
「これだけ言ってもピンと来なければ、到底見込みはない。悪いことは言わない。お前も俺と一緒に、今まで付き合いのあった人間の前から、姿を消すことだ。余生を楽しめ」
「はぁ。……」
「味をしめて、同じことを繰り返すから、取り返しのつかない事態に陥るんだ。足元が明るいうちに、家に帰れ」
「はぁ。……」
「俺は行方を晦ますが、どこかで小笠原さんの遺志を継ぎたいと思っている」
「……」
「法律を何も犯さないではいても、弱者をイジメたり、陰険な行いをする人間よりも、少しだけ法を破っても、虐げられている人、理不尽な目に遭っている人を助けている人が、俺は好きだ」
「……」。頷く。
「俺は好んで、法を犯している。公権力への復讐だ」
「……」。頷く。
「お前を、巻き添えにはできない。それとも、お前、好んでクズの仲間になりたいと言うのか?」
「俺は、……」。勢い込んで、付き従おうとするゲンタだが、
「ダメだ。お前もそう思うなら、お前はお前でやれ。一緒には、できない」
「なんで、……」
「窮地に陥る奴ってのは、そうだからだ」
「……」
「お前も、くれぐれも肝に銘じておけ。上手くいっても、何度も同じことを繰り返すのは、愚か者の極みだ」
「はい。……」
「もう、行くぜ」
「はい。……」
「あばよ」
一陣の風が吹き去るように、アツシは姿を消した。
どこか遠くを見ているような、茫洋とした目のゲンタが、一人。取り残されたように、突っ立っていた。(完)
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