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クラス委員長もまさかの……!?

「よしっ☆! 私も璃緒ちゃんもお互い下の名前で呼び合えるようになったし、それじゃ改めて部活に行こ〜う☆! オ〜☆!」


「コ〜ラ、待ちなさい」


「へっ……?」


「ん……?」


 私たちが部活に行こうとすると、ここで1人の女の子が声をかけてきたの。


 この子の名前は新山萌果。私と朱音ちゃんのクラスメイトであると同時にクラス委員長も務めているの。新山さんは成績がとても優秀で、みんなからとても頼りにされる正にクラス委員長に相応しい存在です☆!


「あっ、新山さんだ♪ 一体どうしたの?」


「どうしたもこうしたもないわよ……。全く……。谷村さん、国語の提出物まだ出してないでしょ? 大塚先生困ってたわよ」


「あっ、すっかり忘れてた! テヘッ♪」


「もぅ〜……、何やってんだか……」


「あっ……、あはは……」


 朱音ちゃん、国語の提出物まだ出してなかったんかい! もぅ〜!


「今すぐ出しに行かなきゃ! 新山さん、大塚先生って今どこにいる?」


「今は職員室にいるわね♪ せっかくだから付き添ってあげる♪ ニヒッ♪ それに谷村さんにはちょっと聞きたいことあるしね♪」


「ん……?」


「へっ……、私に聞きたいこと?」


「そう♪ 提出物出した後に話すね♪」


「うん、了解♪ あっ、そうだ♪ ねぇねぇ、良かったら璃緒ちゃんも一緒に行こう♪」


「へぁっ!? うっ……、うん……。別に良いよ……♪」


「やった♪」


「私ももちろん賛成だぞ♪ それに人が多ければ多いほど賑やかになってとっても楽しいからな♪ イェイッ♪」


「うんうん、確かに♪」


「ハッ……、ハハッ……」


 いや……、ただ提出物出しに行くだけでしょ……。何でそこに賑やかさを求めるの……? 新山さんもちょっと変わった人だね……。うっ……、何だか物凄く嫌な予感が……。そんな……、まさかね……。


 そしてこの嫌な予感は後に的中することとなったの……。



「無事に国語の提出物を出し終えました〜☆! わ~い☆!」


「谷村さん、おめでとう♪ 心から祝福するよ♪」


「いや〜、どうもどうも♪ ブイッ♪」


「あっ……、あはは……」


 もぅ〜! 何で提出物を出しただけなのにわざわざ祝福なんかするのよ!? 全然意味が分からないんだけど! しかも遅れて出してるんだから尚の事余計にね! フンッ! ダメだ……。新山さんのイメージが僅かながらに下がってしまったよ〜……。しくっ……、ぐすん……。


「それじゃ提出物も出し終えたことだし、新山さんには約束通り私に聞きたいこと全部話してもらうわよ♪ カモンカモ〜ン♪」


「約束だからね♪ もちろん全て話すつもりよ♪ ぜひ楽しみにしててね♪ ニヒッ♪」


「は~い☆! 楽しみにしています♪ ドキドキワクワク♪」


「ハッ……、ハハッ……」


 2人共何だか凄くテンションが高くなってるわね……。まあ当然っちゃ当然か……。それにしても新山さんは朱音ちゃんに何話すつもりなんだろう……? それはそれでとっても気になるわね……。


「それじゃいよいよ話すわね♪」


「よっ、待ってました〜☆! ヒュ〜ヒュ〜☆!」


「遂にこの時が来たわね……」


「ねぇ谷村さん、その……、提供クレジット同好会を作ったって以前山井さんと2人で話しているのを耳にしたんだけど……、それって本当のことかな……?」


「はっ……? はああああぁぁぁぁ〜〜〜〜っ!?」


 新山さんが朱音ちゃんに聞きたかったことって、まさかこのことだったの!? 嘘でしょ、信じらんない! でもどうしてそんなことを聞こうと思ったんだろう……? もしかすると新山さんって実は……。ううん、そんな訳ないよね! お願いです……! どうかそうじゃありませんように……!


「うん、本当だよ♪ イェイッ♪」


「まあそこはちゃんと正直に言っちゃうよね!」


「おぉ〜、やっぱりそうだったのか☆! ヨシッ☆!」


「しかも何かとっても喜んでるんだけど!?」


 えっ……、ちょっと待って……。どうしてそこまで喜ぶ必要があるの……? 新山さんのリアクションがあまりにも謎すぎる……。考えられるものとすれば恐らく……。そんな……、嘘よね……? 何かの間違いであってほしい……!


「でもどうしてそのことを聞こうと思ったの? 何だかすっごく気になる☆!」


「うんうん! 私もとっても気になる!」


「まあやっぱり気になっちゃうよね♪ いいよ、教えてあげる♪ それは……」


「「それは……」」


 ゴクリ……。そうじゃありませんように……!


「それは……」


「「それは……」」


 そうじゃありませんように……! そうじゃありませんように……!


「実は私も提供クレジットを見るのが大好きなの……♡。エヘッ♪」


「ふぎゃんっ!? ノ〜〜〜〜ンッ……!! はりょはりょ〜ん……」


「えっ、新山さんもそうなの!? すっごく嬉しいんだけど☆! やったやった〜♪」


「うっ……、うっ……」


 思ってほしくなかったことが現実に……。どうやら新山さんも残念なことに提供クレジットを見るのが大好きみたいなの……。そんな……、クラス委員長もまさか提供クレジットが大好きだなんて……。もう終わりだよこの世界……。ズ〜ン……。


 それとちょっと気になったんだけど、わざわざ溜めて言う程じゃないでしょ!? 期待外れにも程があるわよ! あと語尾に♡マークを付けて喋ったのも何だか物凄くムカつく! ムキ~ッ!


「提供クレジットを見る時、読み上げとご覧のスポンサーがどこで区切られるのかドキドキしちゃうんだよね♪ エヘヘ〜♪」


「はっ……?」


 新山さんは一体何を言ってるの……?


「うんうん♪ それチョ〜分かる☆! で、全てのスポンサーが読み上げられたら嬉しくてついガッツポーズをしちゃうんだよね♪ キュンキュンッ♪」


「そうそう♪ それと逆にいきなりご覧のスポンサーって言われたらショックでかなり落ち込んじゃうんだよね……。シュン……」


「そうなんだよね〜……。あれは本当にとっても辛いよね……。そしてスポンサーを読み上げていく度、途中で『と』って言われたら発狂もしちゃうよね♪」


「そうなの☆! 『と』って言った後はご覧のスポンサーになるって分かってるから、怒りや悲しみでいろんな感情が混じって気持ちが爆発してしまうの☆!」


「やっぱりそうなっちゃうよね☆!」


「うん、なるなる〜☆!」


「あっ……、あがっ……」


 2人が何を言っているのかさっぱり分からない……。やっぱり何かの暗号としか思えないんだけど……。そもそも提供クレジットに感情移入して喜怒哀楽になっていること自体が意味不明です……。


「それじゃ、新山さんの提供クレジットへの愛が本物かどうかこの私が確かめようじゃないか♪ ビシッ☆!」


 何か愛を確かめる試験が始まったんだけど!?


「オッケ~♪ もちろん望むところよ♪」


 しかも新山さんもなぜかノリノリだし!?


「では早速行くよ♪ バーザフォンの前の名前は?」


「なるほど、そう来たわね♪ 答えはズバリ、ワズフォンよ☆! ドヤッ♪」


「お見事大正解☆! 流石の一言に尽きるわね♪ ニヒッ♪」


「ニヒヒ〜、ありがとう♪ これで私の愛が本物だと谷村さんに認められたかな♪」


「えぇ、もちろん♪ 新山さんの愛は本物だと認めるわ♪ きゅんです♪」


「エヘヘ〜、やった〜♪ ブイッ♪」


「「同士☆! グッ♪」」


「今ので一体何が分かったのよ!?」


 何かよく分からない茶番を見せられた上に、最後は固い握手を交わして強い絆が結ばれるという謎の熱い友情物語が展開されたわね……。2人にとっては感動的な場面でも、見てるこっちからしたらただの地獄の光景なんだけど! むぅ~!


「うぅ〜……、カオスな状況に頭の整理が全然追い付かない……。ダメだ……、頭の中がオーバーヒートしそう……。そもそもバーザフォンやワズフォンって一体何のこと……? 何を言ってるのかサッパリ分からないんだけど……」


「「今で言うモルヂゲンクの当時の会社名♪」」


「ええええぇぇぇぇ〜っ!? あの有名携帯会社の当時の会社名だったの!? 衝撃の事実に凄くビックリなんだけど! てか会社名って変わることあるんだね!」


 さっきの2つの言葉がまさかそうだったとはね……。全然知らなかった……。でも言われてみれば、いずれもフォンって名前が付いてるから電話関連の会社であることは容易に想像出来るわね……。


「そりゃもちろん変わることもあるよ♪ 買収・合併・会社の方向性などと様々な理由があるの♪ ニヒッ♪」


「そうそう♪ それらの理由に合わせて会社名も変わっていったんだよね♪ ピースッ☆!」

 

「そっ……、そうだったんだ……。なるほどね……」


 そうした事情で会社名って変わっていくんだね……。何か1つ勉強になったかも……。あはは……。


「それに会社だけじゃなくて、学校も名前が変わることあるしね♪ エッヘン☆!」


「うんうん♪ マジそれな♪」


「あっ……、言われてみれば確かに……」


 今の言葉を聞いて完全に納得です……。


「え〜、コホン! そして肝心のモルヂゲンクの当時の会社名のことについて説明するね♪ まずモルヂゲンクの前の会社名がバーザフォンで、バーザフォンの前の会社名になるのがさっき新山さんが言った通りワズフォンになるわけなの♪」


「へぇ〜、そうなんだ。ふむふむ……」


 そこはそのまま連続になっているわけね。てっきりモルヂゲンクとバーザフォンの間にまた何かあると思ってたから、それが無いと分かってとりあえずは一安心ね。ホッ……。


「そして更にワズフォンの前の会社名になるのが伏絵丸テレフォンサービスになるんだよね♪ うんうん♪」


「えっ、ちょっと待って!?」


「ふみふみ……、そうなんだよね♪ ワズフォンの前にも会社名があると知ったときは本当に驚いたよね♪」


「嘘でしょ!? ワズフォンの前にも別の会社名があったの!?」


「「うん、そうだよ♪ エヘヘ〜♪」」


「マッ……、マジか……」


 ワズフォンが最初の会社名だと思ったら、まさか更にその前があったなんて……。うぅ〜……、頭が混乱してパンク寸前です……。プスプス……。


「「ちなみにモルヂゲンクの本来の表記が『Moldi Genk』で、次にバーザフォンの本来の表記が『Bazafhone』、そしてワズフォンの本来の表記が『WAS−FHONE』になります♪ それから伏絵丸テレフォンサービスはそのままの表記になります♪ ペコリ♪」」


「それは別にいいわよ! 第一これって文字があるから成立するやつじゃん! 会話だけでは絶対に分からないわよ! あと2人共ちゃんと話すのは初めてのはずなのに、なぜか凄く息ピッタリだね! 一体どうなっているのよ!? 見事にシンクロしすぎて寧ろ怖かったぐらいなんだけど!」


「「テヘッ♪」」


「テヘッ♪じゃな〜い! むぅ~!」


 ゼェハァ……。ツッコミのオンパレードでかなり疲れたんだけど……。この2人を相手にするの正直とてもしんどすぎるよ〜……。ふえ〜ん……。


「いろいろ言いたいことはあるけどとりあえず言えることは、提供クレジットを大好きになるだけで会社名が変わったことも分かってしまうってことね……。あはは……」


「まあ、そうなるね♪ 提供クレジットを見て、会社名が変わったことに気付いた時はもうすっごくときめいちゃうの♪ キュンッ♪」


「うんうん♪ それすっごく分かるぞ♪ グッ♪」


「だよねだよね♪」


「「イェ〜イ♪」」


 パチンッ☆!


「どこにときめく要素があるのよ!? 理解に苦しむんだけど!」


 やっぱり提供クレジット好きの人たちの思考回路が永遠に分かる気がしません……。ぐすん……。まあ当然っちゃ当然よね…….。あはは……。

 


「う〜ん☆! とっても楽しかった♪ 谷村さんと共通の趣味で分かち合うことが出来て本当に良かった♪ エヘッ♪」


「ニヒヒ〜、ありがとう♪ 私も新山さんと共通の趣味で分かち合うことが出来てとっても嬉しいよ♪ きゅんです♪」


「本当!? エヘヘ〜♪ そう言われると何だかすっごく嬉しいな♪ この趣味を分かち合える人は今までいなかったから、こうして分かち合える人と出会えてとっても幸せな気持ちです♪ ホロロンッ♪」


 うん……。そりゃいるわけないよね……。そもそもこんな趣味を持つ者同士、出会えたことが奇跡に近いぐらいなんだから……。


「うんうん♪ 新山さんのその気持ちとっても分かるよ♪ 私もそうだったから♪ ポトトンッ♪」


「谷村さん……☆!」


「新山さん……☆!」


 ギュッ♪


「「出会えて本当に良かったよ〜☆! うるうる〜♪」」


「何か感動の展開になっているんだけど!!」


 何このカオスな状況……。ハイタッチもそうだけど、まさかハグする展開にまでなるとは……。この感動的なノリに私は当然付いていけるはずもなく、今とても頭痛を感じます……。痛た……。


「実のところを言うと、谷村さんとは前々から話したいと思っていたんだ♪ ニヒッ♪」


「えっ、そうなの!? これまたとっても嬉しすぎるんだけど☆! そんな前から私のことを意識してくれていたんだね♪ キュンキュン♪」


「多分そう意味で言ったわけじゃないと思うよ……」


「うん、まあね♪」


「いや、認めるんかい!」


 2人共、今度は百合みたいなノリをしているわね……。何かすっごく楽しそう……。あはは……。


「入学式の日、私は谷村さんの自己紹介を聞いて猛烈に感動したの☆! うるうる〜♪」


「あんたもかい!」


「新山さんもそうだったんだ♪ 背中を押すことが出来て良かったです♪ ベリハッピ〜♪」


 新山さんも朱音ちゃんの自己紹介に感化されたんだね……。まあ話の流れからして薄々予想はしていたけど……。


「ん? 『も』ってことは、もしかして私以外にも谷村さんの自己紹介に感動した人がいたのか?」


「うん、そうだよ♪ 実はユイちゃん先生もそうなの♪」


「ユイちゃん先生?」


「戸村先生のことです……」


「何と戸村先生のことだったのか! そういえば戸村先生の下の名前って確か結衣だったな……。なるほどなるほど、ふむふむ……。しかしまさかユイちゃん先生と呼ぶぐらい谷村さんが戸村先生とそこまで親しかったとは……。とても凄く驚いたぞ♪」


「ナ〜ハッハッ☆! それほどでもあるかな♪ エヘッ♪ それに私とユイちゃん先生はかなり深い愛で結ばれてるの♡。キャッ♡」


「コラ〜! 誤解を招くような言い方をしないでよ!」


「なるほど……。2人がそこまで特別な関係だったとは……」


「新山さん、谷村さんの話信じなくていいからね! 今のは完全な大嘘なんだから!」


 2人の百合的なノリに全然付いていけない……。あまりにもカオスすぎて、見てるだけでかなり疲れちゃうよ〜……。ぐで〜ん……。


「とまあ冗談はさておき、ユイちゃん先生も実は提供クレジットを見るのがとっても大好きなの♪ イェイッ♪」


「戸村先生もそうだったのか! これまたびっくりだな! でもすっごく嬉しいぞ♪ キュンキュン♪」


「うんうん、やっぱりとっても嬉しくなっちゃうよね♪ それともう1つ、私が立ち上げた『提供クレジット同好会』はユイちゃん先生が顧問を務めているの♪ どやっ♪」


「何とビックリ! これまた衝撃の事実が発覚! こんな嬉しい情報が立て続けにサプライズで発表されるなんて、何だかとっても幸せ♪ キュンッ♡」


「いや……、別にサプライズではないと思うんだけど……」


 新山さん、あまりの嬉しさからか随分と誇張した表現をしているわね……。まあそれぐらい喜びを爆発させちゃうのも分からなくはないけど……。あはは……。


「では気を取り直して、ここからは話を本題に戻すわね♪ 谷村さんの自己紹介を聞いて、どうしても谷村さんとお話したかった私はその後クラスの委員長になることを決意したの♪」


「キャ〜☆! とっても素敵♪ キュンキュン♪」


「えぇ〜っ!? 委員長になったのってまさかそんな理由だったの!?」


 何と言う無駄な行動力……! しかも不純な動機だし……!


「そして委員長になった私は、どうにかして谷村さんとお話する機会を作ろうとしたんだけど、憧れの人に対するよくある極度の緊張もあったりして中々上手く行かず、途方に暮れていた時にこのチャンスが訪れたわけなの☆! このチャンスを与えてくれた大塚先生にはマジ感謝感激です☆! ブイッ☆!」


「なるほど、そうだったんだ♪ 極度の緊張をするぐらい私に憧れていたなんて……、そんなのとっても嬉しすぎるんだけど☆! このこの〜☆! いや〜、それと提出物を出さなくて良かったぜ♪ グッ♪」


「いや良くないわよ!」


 何か美談にしようとしてるけど、提出物を出さないのは大問題だからね! あとただ頼み事をしただけなのに、新山さんからなぜか感謝された大塚先生はこれを知ったら内心複雑だろうな……。あはは……。


「そして満を持して、私も提供クレジット同好会に入ろうと思います♪ これが証拠となる入部届です♪ ジャ〜ン☆!」


「新山さんも提供クレジット同好会に入ってくれるの!? わ~い、やった〜☆! とっても嬉しすぎる〜♪ ふみゃ〜ん♪ もちろん喜んで大歓迎するよ♪ ニヒッ♪」


「まあこうなるだろうとは思ったけどね!」


 これまでの経緯から考えると、当然そういう流れになるよね……。あはは……。おかげで私の中での新山さんのイメージが今日1日で完全崩壊しました……。ガクリ……。


 新山さんが入ることで、提供クレジット同好会は更に騒がしくなるだろうな……。ハァ〜……、何だかとても憂鬱……。私の体力やメンタル持つかどうかちょっぴり心配です……。ズ〜ン……。

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