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幻想図書~orphic archive~  作者: No-Text
第一冊:白金の装飾が施された聖剣の表紙を持つ本
11/13

四聖人(上)

「アリウス様、謁見の準備は整いましたでしょうか?」

「大丈夫です」

「それでは謁見の間までご案内いたします」

 王都に到着して二日目、今日は王様に謁見して他の勇者と顔合わせをする日だ。

 今は謁見の準備のために執事さん達が着付けをやってくれたお陰でそれなりに様になっていると思う。それはそれとして、他の勇者がどんな人物なのか気になっている自分も居て落ち着かない。

「今回陛下の意向で礼儀作法はあまり気にしなくても良いとのことなので楽にしていてください」

「わかりました」

 前に答えて貰ったことを改めて話すゼラスさんに対して反応を返す。

 とりあえず礼儀作法とかで下手を踏んで死ぬなんてことにはならなさそうで一安心しているけれど流石に王との謁見となると体が少し緊張する。

「ではご案内いたします」

 そしてゼラスさんに案内されて謁見の間へと足を進める、道中で最低限の礼儀作法をゼラスさんから教えてもらうけど覚えるのが大変だ。

「陛下は礼儀作法には頓着がない方ですがそれでも出来る限り礼儀作法に気を付けて頂きたい」

「で、出来る限りは……」

 ゼラスさんの目が怖い、下手に無礼を働いたらつまみ出されそうな勢いだ……なるべく気を付けるようにしよう。

「では……こちらです」

 大きな扉の前で足を止めたゼラスさんはそれだけ言うとゆっくりと扉をあける……壁も天井も床も全てが豪勢な装飾で彩られていて呆気に取られる。

「……す、すごい……」

 ここに来てようやく王城に呼ばれた実感が湧いてしまっていやに緊張する……正面には椅子に座る人物とその前で跪いている三人の人物、その左右には数人の兵士と多分家臣の人達が立っている。

 椅子に座っているのはこの国の王様……だと思うけれど思っていたよりもずっと若い。

「陛下、連れて参りました」

「あぁ、ご苦労」

 ゼラスさんと王様が軽く会話をしている間に王様の前に並んでいる他の三人と同じように跪く、隣にはリエナが並んでいた。

「昨日ぶりだな……」

「そうですね……」

 小さく挨拶を交わしていると王様が俺達四人を見渡して椅子から立ち上がった。

「よく召集に応じてくれた勇者諸君、私はヴェクター・クレデルト……この国の王だ、是非覚えてくれたまえ」

 自信に満ちた笑顔で俺達を出迎えるように自己紹介を済ませたクレデルト陛下は楽にして良いと合図をする。

 それを確認した俺達は立ち上がる。

「既に伝わっているとは思うが現在予言によって災禍の存在が示唆された、私はこの災禍が魔王のことを指していると考えている……勇者諸君にはこの災禍を打ち破るための剣となって貰いたい」

 つまりクレデルト王は魔王を俺含む四人の勇者で倒して貰いたいと……俺はまだ勇者になりたて、他の三人はどうかわからないけれど勇者の話が村まで伝わっていなかった辺り多分勇者になってからそこまで時間が経っていないはず……そんな四人で言い伝えにある魔王を倒すことなんて出来るのか?

「勇者諸君はまだ勇者になってから日が浅いと聞く、そこで君達には実戦で勇者の力を鍛えて貰いたい……無論私も最大限君達をサポートしよう、そして手始めに君達には迷宮(ダンジョン)を攻略して貰いたい」

 迷宮(ダンジョン)の話は聞いたことがある、いつの間にかそこに発生する詳しいことがわかっていない現象なんだとか……。

「一先ず今日は顔合わせをするために召集した、勇者諸君もこの謁見が終わった後で親睦を深めると良い……聖具以外の装備品はこちらで既に用意してあるから部屋に戻った後使用人に声をかけてくれ」

 こうしてクレデルト王が言葉を締めくくり謁見は終わった、俺を含めた勇者はゼラスさんによって別室に案内されて改めて顔合わせと自己紹介の場を設けてくれるらしい。

 にしても勇者の力を鍛えるために迷宮(ダンジョン)に潜るなんて……かなり危険なことをしているように思えるけれど大丈夫なのか……?

◇聖杯と聖女

 この作品では聖杯と呼ばれる聖具を教会が管理しているらしいよ、教会の行事でシスターが身を清めて聖杯に触れるなんてものがあるみたいだね。

 今回の聖女ちゃん……リエナちゃんだっけ、その子はその行事で聖杯に選ばれたっぽい?

 聖杯に選ばれた勇者を教会は"聖女"と呼ぶらしいよ、仮に男が選ばれたとしたらどうなるのか気になるよね。

……聖杯って女好きなのかな……?

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