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愛犬と行く怠惰な異世界スローライフ  作者: レーザーらいおんマン
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至福の時③

「ひゃあ〜! 暖まるなぁー!!!」

『気持ちいいのですぅ〜』

「、、んがっ! 危ない危ない、、」


シャワーを浴びていざ尋常に、勢い込んで風呂に飛び込んだ隼とおっかなびっくりしながら入ったベルとキュイではあったが、やはり慣れてしまえばひたすら気持ちいい極楽の世界である。

シャワーもシャワーで高度な魔道具であり、その水は霧吹きを強烈にしたようなものになっており、これがまた気持ちいいものではあったのだが、こう健康にいい温水に浸かってしまうとその快感も薄れるようで2人と1匹の顔にシャワーの余韻わ見当たらなかった。

個室の風呂、1人用の部屋ではない分まあまあの広さがあるその風呂場は2人とスライム1匹入るにも関わらず狭苦しく感じることもないとゆう、なかなかに充実した空間であった。

そんな空間にあってとろけた顔の隼は、やはり日本人である。

キュイはなかなか性に合っているらしく、正に極楽とゆう雰囲気を出してお風呂を楽しんでいた。

気持ちよさそうなその声は聞く者が聞けば相当危ない思想に陥りさらって四六時中お風呂に浸からせてあげたい欲望に駆り立てられそうな危うさを孕んでいた。

とはいえそんな危ない思想の持ち主はこの場には居合わせないのだが。

さて、問題はベルである。

何を隠そうこのオオカミ娘、気持ちよくなると眠くなるタチなのである。

シャワー中にも数度、お風呂に入ってからは休みなくうつらうつらと覚醒を繰り返していた。

その光景を楽しそうに眺める奴も一定数いるわけで、実際となりで水に浮かぶキュイを撫でながらベルに生暖かい目を向けている者がいる。

そんな視線が気になるとゆうのも、1つ覚醒の要因であるのだろう。


「これはダメなやつだァ、ボクなんで今まで嫌がってたんだろぉ〜」

「そぉだろぉ? 気持ちいいだろぉ? 」

『うん、気持ちいいのですぅ〜』

「キュイかわいい」

「ん、キュイかわいい」

『ほえ!? どうしたのです!? ありがとうなのです!!!』

「んふっ、かわいいね」

「ベルもね」

『うん!ベルくんも可愛いのです!』

「そーお? かわいあろぉ〜〜、、zzZ」

「あ、! ベルさーん!起きてー!」

『ベルくん気持ちよさそうなのです〜 えいっ!』

「ひゃっ!! んっ!!ゴホッゴホッ!!」

『あ、ごめんなさいなのです!』

「ベル大丈夫!?」

「う、うん、大丈夫!」

『ご、ごめんなさいなんだよぉ、、』

「キュイは謝れてえらいねぇ〜」

「あ!甘やかしてる! コチョコチョの刑だー!」

『あうぅ、!! こしょがしいのですぅ〜!』

「キュイこちょこちょ〜!」

『くっ!! くるしいのですぅ、!!』


うたた寝してたらキュイに脇腹をツンツンされて飛び起き、その勢いで溺れかけるベル。

さすがに可愛すぎると思うのだが、元凶のスライムは酷いことをしてしまったとシュンとしてしまっていた。

そんなキュイの様子に怒るに怒れない様子の隼は「反省はしてるし、いっか、」と小さく呟くとコチョコチョして空気を和ませにかかる。

それに習ってコチョコチョするベル。

そして抵抗むなしく体をくねくねさせながらのたうち回るキュイ。

そんなキュイが、どこか幸せそうな声を出しているのは気のせいだろうか?


「ごくらく、」

『ごくらく、なのです、』

「こくら、、zzZ」


コチョコチョも一段落しまったりモードが帰ってきた隼達一行、それから20分ほど浸かると誰とは無しに限界を迎え仲良く全員で風呂場を後にする。

限界のタイミングまでおそろいなのはさすがに仲良すぎる気もするが、まぁ今更だろう。

風呂場を出る際、隼が不用意にベルを抱き上げて冗談抜きでぶん殴られたりもしていたのだが、隼曰く「ベルがキュイに嫉妬してる気がした」のだそうだ。

まぁ、嫉妬はしていたのだろう。

そうゆう難しいオオカミなのである。

全く愛らしい。

ある意味元凶とも言えるキュイはと言えばその絡みには入らずマイペースに体をプルプルさせたりドライヤー?みたいなものを触ってビックリしたりしていたのだが、それはそれで可愛い光景であった。



ーーーーー



「ぷはぁー!! やっぱり風呂上がりはコーヒー牛乳だなぁ! これはもう真理だと思う、!!」

『ごきゅっごきゅっ、、ちょっと苦いけど美味しいのです!!!』

「うへぇ、2人ともよく飲めるなぁ、僕はこの手の苦いものはてんでだめだよ、、」


ところ戻って個室内。

ホンワカした空気の漏れ出るその室内には2人と1匹の姿が見て取れる。

こじんまりした3つの座布団の上、丸机を囲むように座る一行の前に置かれているのは瓶である。

片手で掴むには丁度よさそうないささか小さな瓶からはまだかすかに冷気が漏れており、少し前までその中に何かキンキンに冷えた飲み物が入っていたのだろうと伺える。

あ、正確に言うとふたつの空瓶とは別にもう1つは半分ほどのところで残されており、中の茶色い液体を窺い知ることは出来る。

室内に充満するのは、コーヒーの匂いだろうか、ミルクで薄められ十分な砂糖も入っているコーヒー牛乳は、少々の苦味はあるものの十分ジュースと言っていい仕上がりになっていた。

、、、のだが、ここにそれでも満足しない、否!受け入れられないワガママオオカミがいる!


「ベルさんや?残すなら僕にくれな、、」

「それはヤダ!!!キュイならいいけど!!」

「ええ!?なんでぇ!?」

『キュイならいいのです〜?? やったー!なのです、??』

「うん、キュイならいい〜」

「いやいやいや!! 僕はダメの意味がちょっと分からないんですけど!? あっ!キュイまってって! まだ僕のになる可能性もぜろじゃ、!」

『おいしいのですっ!おいしいのですっ!!』

「ふふ、美味しそうに飲んでくれて嬉し、」

「いいなぁ、ベルの飲みかけ、、」

「『えっ、、』」

「?どうした?」


ベルさんには少し大人の味だったらしいコーヒー牛乳、その取り合いが巻き起こるかと思いきや、そんなことが起きることは無いようだった。

ベルが何を嫌がったのか、薄々わかるような気もするが、まぁ気にすまい。

キュイならいいとゆう発言からも大体のことは分かることだろう。

、、、さて、なかなか危ない発言をしている男がいる。

ベルとキュイにしてみれば危ない発言など今に始まったことでもない、言うほど混乱するとゆうこともない。

が、それでも多少なり混乱はある様子で、ベルは何を思ったか真っ赤になって背を向けてしまう。

その丸くなった背はあまりにも小さく、細い。

そこにはフェンリルとしての威厳のようなものはなく、ただただか弱く、そしてどこまでも繊細な少女の姿があるばかりだ。

見る人間が見ればそれこそ庇護欲が爆発して大変な暴走になりそうなその反応は、しかし長い付き合いてある隼からすると割といつもの事らしい。

「いつもベルは可愛いなぁ、」と、そんなことを言いたげな分かりやっスい顔を向けてニマニマしていた。

実際ベルの柴犬時代はこうゆう事がしょっちゅうだった、とゆうのが理由だろう。

元来甘えん坊気質無くせにツンデレの気もあるベルと生涯甘えん坊気質100%みたいな隼だ、むしろそうなることの方が自然であったろう。

日本での半監禁時代はよく隼が飲んで放置していた水なんかをこっそり飲んで、それが見つかりどこかえ逃げてしまうとゆうことがよくあった。

、、、おっと、この話はこれくらいでいいだろう。

それよりもキュイである。

キュイは隼の犯罪スレスレみたいな発言にどうな反応を示しているのか、キュイは、ベルと隼を交互に見つめていた。

その目にはどこか温もりというのか、なにか生暖かいものを感じ取ることが出来る。

それは隼人も感じているのだろう、、


「、、あ、いや、別に食い意地が張ってるから飲みたかったとかじゃないぞ、??」

「え、?う、うん、? そうだろうね、?? いや!そう言うことじゃなくて、! いや!あれ、どうゆう事だっけ!!」

『2人とも、!仲良しなのですぅっ!!』


地味に窓を外した言い訳を並べ始めてしまった。

その発言にさらに混乱するベル。

キュイは、なにか楽しそうな、嬉しそうな、それでいて少し寂しそうな表情(?)を浮かべ、ベルと隼の間に入るようなことはしないのであった。

その意図は分からないが、少なくとも隼より気配りが優れていた、とだけ付け加えておこう。

気遣いしてるキュイも凄まじく可愛いので、寧ろうしていてもらった方が何全倍も助かっているまであるな。

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