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愛犬と行く怠惰な異世界スローライフ  作者: レーザーらいおんマン
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異世界組⑤

ベルが疾走している、音速を超えたその速度に空気が熱を持ちその周囲の気温が5℃ほど上がるがベルは一向に気にしない。

そんな時、キュイの探知圏内に膨大な量のモンスターが引っかかる。

その数実に100匹以上。

キュイの探知能力はそのモンスターの正確な形を認識するようなタイプのものではあるのだが、いかんせんモンスターについての知識が少ないキュイにはそれが何なのかよく分からなかった。

貿易都市にとって幸運だったのは、その群れがベルの進行方向を塞ぐように生息していたことだろう。

そこに居たのはホーンラビットだった。

ホーンラビットは真っ白な毛皮と真っ赤な目、薄黄色の角を持ったモンスターだ。

その特徴的なネジ巻上の角に静電気ほどの弱い電気を流すことで知られており、この角で刺されると”麻痺・弱”の状態異常が付与されることで知られており、出来るだけ距離をおいて戦うのが基本とされていた。

が、これはあくまで5匹以下の群れであった場合の話だ。

ホーンラビットの脅威度は群れの規模に比例して爆発的に上がる。

5匹以下の群れの場合は心配ないのだが、仮に低ランク帯の探索者が20匹近いホーンラビットに出会ったなら全ての防具をかなぐり捨ててでも逃げ出すだろう。

仮に50匹の群れだったならDランクの探索者を持ってして逃走が最善と言えるだろう。

この理由として、ホーンラビットはその帯電する電気を媒介にして雷を落とすとゆう自爆技を行使するのだ。

これが可能になるのが個体差はあれど10匹からだと言われている。

ホーンラビットがピンチを察した時に出す特殊な鳴き声が一気に周りのホーンラビットの角を帯電状態にしその地点に巨大な雷を落とすのだ。

20匹以上のホーンラビットの群れの場合、ランクはEランクとされる。

50匹以上ならDランクで依頼書が張り出されることも珍しくないだろう。

が、最も厄介なのは100匹以上の群れであった場合だ。

そうでないならともかく、100匹以上の群れの場合そこには高確率でホーンラビットの正当な上位種であるプラズマラビットが統率している。

コイツは電気エネルギーの角度を変えるとゆう特殊なスキルを持っている。

このスキルにより、ホーンラビット達が作った雷、ただでさえその数が増えれば増えるほど強くなる雷を自爆ではなく真っ当な攻撃手段として使えるのだ。

これにより、プラズマラビットが率いている可能性のある100匹以上のホーンラビットの群れはBランク依頼として処理される。

そう、それだけ危険なものが今、ベルの眼前に広がっているとゆう話だ。

気の毒に、相手がベルでさえ無ければせっかく拡大した群れを失うこともなかっただろうに、、


『ベルくん! 前の方に沢山のモンスター!たぶんアンコちゃん?みたいな姿!』

『うん!分かった!ホーンラビットの群れだね!』

「群れ、厄介ね、、」

『そのまま突っ切るよ!!』

『がんばれなのー!!!』

「突っ切るってどうゆう、、っ!?」


突如、起きたことにアンナは目を見開いた。

一瞬前まで小規模な森の手前だったせいでその中の様子が見えていなかったアンナの目が、次の瞬間には森の真ん中に移っていたから。

その周りには大量のホーンラビットと離れたところに一際大きな個体。

恐らくあれがプラズマラビットだろう。

ベルの出現に動揺していたホーンラビット達、その体を容赦なくベルの爪が引き裂いていく。

一撃で首が飛び、一撃でその体が潰れ、一撃も必要ないただの歩行に巻き込まれてグチャグチャに潰れていくホーンラビット。

アンナが現実に追いつく頃にはホーンラビットの数が約半数まで減ってしまっていた。

その状況にそのまま混乱していたプラズマラビットが、段々と冷静になりホーンラビットに指示を飛びす。


「キィーー!!キィイイーー!!!」

「キィ!」

「キイィイイ!」

「ダンッダンッ!!」


プラズマラビットの甲高い鳴き声を素早く聞き取ったホーンラビットたちは急に冷静になり、プラズマラビットの周りに駆け寄る。

その間にも数匹が犠牲になったが、その尊い犠牲の上に成ったのは巨大な雷雲だ。

ゴロゴロとなり始め、、


「ヤバいよベルくん!! 雷が落ちる!!」

『かみにり!? ってあのゴロゴロの事なの!? 燃えちゃうんだよ!キュイは怖いんだよベルくん!!』

『うん!分かってる!大丈夫だよキュイ、安心して見てて?』

『、、? うん、!分かったの!』

『よし!偉い、、』

「ゴロゴロゴロゴロゴロ!!!!!!」


ベルのその言葉を遮るように鳴り響く雷の音、落ちたのはプラズマラビットの真上だ。

それを見て、その正体を悟ったベルが一瞬でその場から消えた。

雷の角度を変える、そのほんの一瞬前に、プラズマラビットの首が弾け飛んでいた。

途中まで操作状態だった雷は中途半端な状態で空中に留まったせいで威力が衰えたらしくそのすぐあと地面に落ちるが軽く地面を焦がしただけだった。

その光景に戦慄を覚えたのはホーンラビットだけでは無い。

その光景を流れる景色の中で見たアンナが目を丸くしてほうけている。

そんなアンナには気付いていないらしいベルは残った残党を処理するため地面を蹴る。

大将首を取ってからは本当に早かった、2分もかからずにホーンラビットは殲滅されたのだがら。

残ったのは拡散され薄く広く地面を抉った雷による焼け跡とベルの踏みしめによる深い足跡、それと大量のホーンラビットとプラズマラビットの死骸と死臭だけ。


『ふぅ、これ一歩間違えたらシューガル大損害だったんじゃないの、?まぁいいけど、』

『大損害?なのです? よく分かんないけどベル君スゴすぎるのですー!!!』

「えぇ、ホントにすごいよベルくん!! ベル君の言う通りこれだけのホーンラビットの群れが野放しにされてたら沢山のギルドが損害を受けたと思う! 特に商業ギルドかしらね?あんなのが居たらマトモに街道も通れないでしょうし」

『こんなのが居るなんて隼達の方にもこんなのが行ったんじゃないよね、? ううん、キュイの従魔契約は解けてないし大丈夫なはず、!』

『うんなんだよ!ご主人様は多分寝てる、?んだと思うんだよ! アンコちゃんとシオンさん?も無事だと思うの!!』

「ほんと!? キュイちゃんが言うなら少しは安心できるわね、さ!安心したところでとっとと合流しましょう!」

『そうだね、さっ!しっかり捕まるんだよ!』


ベルは声を置き去りにし純白の残像を残し疾走を開始した。

ベルが言っていたキュイの従魔契約についてだが、従魔と主人は基本的に魔力の繋がりを通じて大まかな意思疎通と魔力の交流を行えるようになっている。

極々微小な魔力を主人と従魔の間で循環させることで従魔契約はその真価である意思疎通の大まかな位置を察する力を得る。

キュイに限って言えばこの位置を察する力に魔法を合わせることで隼の正確な位置を把握出来ているのだが、普通の従魔なら大まかな方角くらいしか分からないだろう。

ただ、このパスがあるメリットがもう1つある。

このパスを外部から認識することで意思疎通が不可能な従魔を介してでも主人の無事を確認することが出来る。

必ずしもこの機能が有利に働くとは言えない、例えば従魔だけを捕獲し主人を殺害、そのパスを確認して主人の生死を確認することが可能なのだ。

特に希少なモンスター、スライムとホーンラビットの合成生物みたいなやつもそうだが、あーゆうのを奪うためによくこの方法か使われる。


『あ、もうすぐなんだよ!! えーっとね、あっちの方に行ったらすぐご主人様が寝てるんだよ!』

『ん!分かった!そろそろ減速しよっか』

「はぁ、無事だといいんだけどぉ、隼くんもシオンもアンコも、、大丈夫かなぁ、、、」


キュイは嬉しそうにピョンピョン飛び跳ねながらベルに方向を指示している。

その指示を聞いたベルは安心から速度を落とし隼の方へ流行る気持ちを抑えながら向かう。

アンナはアンナで心配そうな顔を黒く焼け焦げ、薬草が弾け飛んで禿げ上がっている地面の方を見ながら呟いた。

三者三葉の様子で近づいた一行は、到着と同時に隼の寝顔を見て安堵のため息を吐き脱力するのだった。



ーーーーー



『隼!!ほんとに良かった、、傷は!?大丈夫!?』

『ご主人様は!?大丈夫なのですか!?』

「シオン!! ハヤトくん大丈夫なの??」

「あ、アンナ!ベルくんにキュイちゃんも!!どうしたの?」

『えっとね!えっとね!黒い雷?が見えたからね!?急いできたんだよ!!』

「あ、そっかあんなに大きな雷なら遠くても見えるよね。 ハヤトさんは大丈夫だよ?いまは疲れて寝てるけどそのうち起きると思う。ただ、回復魔法はかけたけど胸の骨が折れてたみたいなんだよね、、」

『胸の骨が!? なんでそんなことに!!! 回復魔法で治ったんだよね!?』

『ご主人様大ケガなのです!!? ご主人様ァーーー!!』

『ちょっ、キュイ!隼は怪我してるんだから触ったら痛いんだよ!』

『え、あ、、ごめんなさいなんだよ、、』

「ハヤトくん骨折してるの!? シオンの回復魔法なら大丈夫だとは思うけど、、」

「う、うん。とりあえず骨はくっ付いてると思うよ? ただダメージが大きすぎて治っても当分は起きないのが難点なんだけど、、」


シオンの曖昧な言い方に心配が爆発してしまったらしい、ベルとキュイは顔を真っ白にして慌てている。

キュイに至っては勢いよく飛び跳ねて隼に抱きつこうとしてベルに素早く捕まって背中に乗せられている。

お姉さん肌のベルなので隼もキュイも尻に敷かれているのでキュイも大人しく従うのだ。

仲がいいとゆうのもあるのだが。

シオンはそんな2匹の様子に少し隼を羨ましく思いつつも安心させるためにキュイ程じゃないにしても前のめりで隼を覗き込んでいるアンナに優しく微笑んで言った。

その様子にやっと落ち着いた1人と2匹は深呼吸を1つ、少しの間考えをまとめ先にアンナとベルとキュイがシューガルに帰りシオンは隼が起きたら羽衣亭で合流、とゆうことになったようだ。


『それじゃ、シオンさん!隼の事よろしくね!!』

『ご主人様のこと!よろしくお願いします!なんだよ!!』

「シオン、アンコ、任せたからね!」

「うん、アンナ達も帰りの道気を付けてね! それじゃ宿で!!」

『ええ、ハヤトのことは私に任せなさい!』

「うん、2人とも頼りにしてるね」

『じゃーねー!なんだよー!』

『隼のことくれぐれもよろしくね!!』

「またねー!」


最後まで隼のことで気が気じゃない様子のベルを引き連れ街道の方へ歩いていくアンナ達に手を振って送り出すシオン。

1人と2匹の影が見えなくなるとシオンは隼の顔色を確認、元気そうなのを確認するとアンコを引連れて薬草採取を始めた。

余談だが、ベルがこれだけ先頭続きにも関わらずLv1から上がっていない。

何故かって話なのだが、シンプルにベルの1レベルごとの必要経験値が高すぎてホーンラビット100匹と数十匹の雑多なモンスター程度じゃ全然足りていないからだ。

この辺、さすがフェンリルである。

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