異世界組④
「ハヤトさん!!ご無事だったんですね、!!良かったぁ、、」
「、?ルーナどうしたんだ?なんか目頭が赤いような、」
「それは別にいいんですよ! アンナさんに聞きました! オークに襲われたんですよね? 胸の骨を折りながら何とか勝ったと聞かされたとき私がどれだけしんぱいしたかわかりますか!?」
「ちょっ、大丈夫だよ! シオンが回復魔法をかけてくれたから骨折も治ったし!」
「回復魔法、ですか、? 本当ですね?嘘ついてませんね?大丈夫なんですね???」
「だ、大丈夫だって!」
「ふん、ならいいです。 薬草出してくださいハヤトさん」
「え、あ、うん!」
カウンターに行くなりまくし立てられて混乱顔のシオンを置いて話し込む隼とルーナ。
半刻前にきたアンナが一部始終を説明したことで街の近くにオークの集落を考え現在Dランク以上の探索者に調査依頼を出しているギルド、その職員であるルーナがその概要を知らない訳もなくそんな報告を聞いてから隼が来るまでの間心配でまともに仕事にも手が付かない状態だったりした。
安心したら怒りが込み上げてきたようでなかなかに迫力がある。
隼はタジタジだ。
、、、とりあえず安心したルーナはパッと営業モードに切り替えるとカウンターをパンパンと叩いて薬草を催促した。
「えーっと、80本ですね、オークの討伐についてはアンナさんからハヤトさんにお金を渡して欲しいと言われてるのでハヤトさんにお支払いしますからね?素材になるような部位はほとんどなかったですけど肉は食用で売れますし、魔石も綺麗に残ってたので、そうですね、銀貨5枚で買取にしましょっか!薬草が銀貨8枚で金額1枚と銀貨3枚になります!」
「うーん、薬草については僕ほとんど寝てただけだからなぁ、オークに関してもシオンのサポートありきだったし、」
「いやいや!そんなことないよ? ハヤトだって10本ぐらいつんでたじゃん!」
「そうだっけ、? よし!じゃあ僕は銀貨3枚貰うか!残りはシオンにしとこ?な?」
「ん? ってことは?どうなるの、?」
「気にするな気にするな!大丈夫!当分みたいなもんだって!」
「そ、そうなの、?ならいいけど、」
「え!?ハヤトさんほんとにいいんですか!?」
「いいのいいの!はいこれギルドカード!ほらシオンも!」
「あ、うん。 ど、どうぞ、!」
戸惑いつつも2人のギルドカードを受け取ったルーナは慣れた手つきですぐに手続きを済ませる。
見た目ちょっと勉強できそうな感じ出てるのだが計算が苦手で自分の取り分がよくわかっていないシオンは終始混乱しっぱなしだった。
まぁその中には人見知りで話が半分も入ってきてないとゆうのが1つあるのだが。
「ではシオンさんはこちら、で、ハヤトさんはこちらですね」
「ん!ありがとう!」
「あ、ありがとうございます、!」
「依頼、お疲れ様でした!」
「ルーナも受付お疲れ様。 頑張ってね! それじゃシオン行こっか」
「う、うん!」
「、、、なんか仲良くないですかあの二人、???」
金貨1枚とギルドカードを受け取ってズボンのポケットに突っ込むシオン、銀貨3枚とギルドカードを受け取りアイテムボックスにしまう隼、その2人がどうもいい雰囲気なのが気に入らないらしいルーナは2人がギルドの出口を開く頃に呟くのだった。
ーーーーー
時間は戻って隼達がまだオークに出会う前、アンナ達も薬草採取に励んでいた。
湖側に向かったことからも何となく分かるかもしれないが、ここは大木側よりも薬草が群生しているのだ。
まぁ、その分危険も多いとゆうのが現状で来る途中アンナ達は何度もモンスターの襲撃を受けているのだが、これが問題になることは無かった。
今もベルの一撃で脳髄を撒き散らしながら倒れ込む巨大なトカゲのモンスターをアンナがアイテム袋に入れているところだった。
「ベル君ほんとに強いね? これ私要らなかったんじゃない、?」
『アンナさんも凄いよ! 僕よりもいっぱいモンスター倒してるじゃん?』
「それを言うならキュイちゃんがすぐに教えてくれるからこそだよ! キュイちゃんほんとに凄いよね? あんな魔法初めて見たよ!」
『、?キュイ凄かったです? 嬉しいのです!!! 襲われる前に教えるから任せて欲しいのです!!!』
「うん!キュイちゃん頼りにしてるね!」
『キュイはホントにもう偉すぎるなぁーーー!!! 頼りにしてるよ!』
『っ!!うんなの!!!』
頼られるのが相当嬉しかったようで薬草を採る手が目に見えて早くなる。
ピョンピョン飛び跳ねる様子が可愛くてホッコリしていた一向に、急にキュイが鋭く声を上げた。
『なにか来たのです!』
「よし、次は私に任せてくれる?」
『うん、そうだね。 頑張って!』
『アンナさん頑張って!なのです!!』
「うん!お姉さん頑張るよー!」
『あ!そっちじゃなくて反対側の草の中なのですー』
「、、よーし!頑張るわよー!!」
後ろから飛んでくるベルとキュイの声にどこか楽しそうに手を振って進み出るアンナ。
キュイの訂正に無言で振り向きハルバードをグルっと回しながら照れて少し赤くなった顔のまま駆け出した。
アンナの様子に気付いたのだろう、狙われたモンスターはその迫力に少し気後れして、飛び上がる。
「キシャアーーーー!!!」
「おっ! 珍しいモンスターね? 何かしらこれ?」
『おおー?なにあれ、? 強いのかもよくわかんないなぁ』
『キュイはなんかいか襲われたことあるのです! すごく強いのですよ?』
「あら、キュイちゃんが襲われたとなると頑張らなきゃね!」
キュイの声が聞こえていたらしいアンナは飛び上がったソレを認識した瞬間さらに加速すると着地点を予想し、ハルバードを勢いよく振りかぶって、振り下ろす勢いに任せ飛び上がった。
すれ違うように着地したその生物はスライムとホーンラビットの中間みたいな体をしていた。
プルプルの体に赤い目と真っ白な毛皮、そして頭頂部?らしき所に黄色い角が生えている。
ねじれ入った角はネジの先端のようになっていて1度刺すとなかなか抜けないようになっているのだろう。
その謎生物を着地の瞬間、後ろに全力で飛んだ。
次の瞬間ハルバードが上から回転の力を持って振り下ろされその地面を砕く。
勢いを殺さず着地しながら前方に全力で加速するアンナ。
謎生物はバックステップの勢いを殺しきれなかったらしくプルプル震えて衝撃を殺しているようだ。
「捕獲がいいかしら、ねっ!」
ハルバードをアイテム袋に入れて代わりに大きな布の袋を出すと勢いを殺すことはせず一瞬で謎生物の背後を取り、その体を蹴りあげた。
「キッ、シャァア、」
「ほいっ!いっちょあがり〜」
持ち上がったからだをプルプルさせながら叫んだ謎生物を布袋でとらえ、その口をきつく縛って宣言する。
こういった珍しいモンスターは探索者ギルド経由で競売に出されかなりの高値で売買されることが知られている。
こういった特殊な生物をペットにしてその希少性をアピールしたい貴族は5万といるし、そうでなくてもこの手のモンスターは専門家に高く売れる。
ので、希少なモンスターは捕獲が大前提とさえ言われるのが探索者社会だった。
『すごいの! アンナさんすごく早くて憧れちゃうの!』
『そうだね? 慣れてるってことなのかな、ボクじゃ真似出来ないよ!』
「えへへ、そうかしら? 私もかれこれ3年くらい探索者してるからね! 任せでちょうだいな!」
『頼りにしてるんだよー!』
『アンナさんがいるなら隼の探索者生活も安泰だね。頼りにしてる!』
「う、うーん、褒められるの照れるわね、、」
2匹にそれはもう大絶賛され赤くなって照れるアンナが可愛い。
それなりに武功をあげているアンナは褒められ慣れていない、とゆうことは無いがやはり純粋な好意とゆうのは照れくさいものなのだ。
こんなやり取りをここ数時間モンスターが出る度にしている1人と2匹は隼とシオン程じゃないにしてもそこそこ打ち解けていた。
そんな呑気な雰囲気が、そこまで遠くない空で走った黒い光によって消えうせる。
「黒雷、? ハヤト君達に何かあったのかしら、?」
『ご主人様に!? 大丈夫なのです!?』
『隼に何かあったってどうゆうこと!? 今のはなんなの!?』
「あ、それは安心して、今のは私の従魔のアンコが使った魔法だと思う。 ただ、あんなものを使わなきゃ行けないモンスターが出たってことなの、?」
『早く助けに行かなきゃ、! アンナさん!ねぇ!』
『ボクに乗って!すぐに向かうから!!』
「どんなに急いでも3時間はかかるわ、いくらなんでも間に合わな、、」
『早く!!!』
「あ、うん、!」
初めて見たベルの慌てた雰囲気になにか言おうとしていた気もするが、その言葉は喉につっかえて出てこなかった。
急に4メートルほどの高さまで大きくなったベルに目が白黒するが、そんなこと気にしてる場合じゃないと分かっているのだろう。
アンナは黙ってその背に掴まる。
ベルは縮尺自在で戻したからだを起こすと増幅付与をMAXで自分にかける。
あげたステータスは速度だ。
『しっかり掴まっててね、!』
『うんなの!頑張ってなのベルくん!!』
「うん、!わかった!」
その返事が聞こえるか聞こえないかの瞬間、ベルの姿は暴風となって消えたのだ。
残ったのは踏み込みでえぐれ返り湖のそばほどまで弾け飛んだ薬草と暴風のように加速したベルの毛に触れてその空気抵抗で生まれた熱で焦げた薬草、そして足跡のような形のクレーターだけだ。
「な、なんだこりゃ、?? ここ昨日まで普通に薬草が取れる群生地だったよな???」
「ええ、そのはずよ、? 何があったらこんな事になるの、!?」
「凶悪なモンスター同士の縄張り争いでもあったのかもしれない、こんなにシューガルに近い場所でこんなことが起こるなんで、、とりあえずすぐに帰ってギルドに報告しよう」
ベルが立ち去ったあと、数時間ほどしてそこを訪れた新人探索者がギルドに急いで報告しに行くとゆう1幕もあったが、それを隼達が知るのはもう少し先のことになるだろう。




