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愛犬と行く怠惰な異世界スローライフ  作者: レーザーらいおんマン
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いざ訓練場③

『じゃ、まず操毛魔法からかな?』

『おー!ベル君のすべすべの毛が動くやつー?』

「え!?動くの!?なぜ!キュイは知ってて!僕はしらないんだ!!」

『隼嫉妬しないの〜』

『ご主人様しないの〜』

「むぅ、仕方ない、、さて、ベル!見せて!」

『はーい』


最近キュイに甘々なベルにちょっと嫉妬している隼である。

、、、ベルは返事する方が僅かに早いだろうか、操毛魔法を発動させる。

ベルのシルクの様な質感のモフモフの毛がうねうねと動き始め、、


『こんな感じかな』

「おおー!!伸ばしたりもできるんだな!」

『もふもふですぐ寝ちゃうやつなの、!』


元々そこまで長くない毛だったベルの毛はどんどん伸びていってアフガンハウンドみたいなモサモサの毛になっていく。


「おおーー!!!」

『コホンッ、これでおしまい!』

『えー!キュイはね?寝たいのー!!!』


これは確かに秒で寝れるなぁ、!と目を輝かせる隼、喜んでいる隼に照れた様子でパッと元の長さに戻すベル、そして残念顔のキュイ。


『さ!パッパと行くんでしょ?増幅付与いくよ?』

「あ、そうだった! まずは、ゴーレム生成!」

『どんなスキルなの?』

『あぁ、そっかキュイには説明してなかったね!』

「ベルさん僕も聞いてない〜」

『隼は忘れてるだけでしょ! えっとね、増幅付与ってゆうのは僕のステータスを、例えば隼に貼り付けたりできるスキルだよ? Lv1なら10個まで付与できて、1個を攻撃力で使うと、そうだなぁ、隼の攻撃力に攻撃力を3付与して、速度を3付与して、防御力を4付与するとするでしょ? そうしたら攻撃力が18000、速度が18600、防御力が20000プラスされる、感じかな?』

「分かるような、分からないような、」

『ベルくん難しいの!』


説明が難しい、とゆうのもあってよく分かってない隼とキュイ。

簡単に言うとベルのステータスを最大10倍まで付与できるスキル、と言った感じだろうか?

本来フェンリルが使うことを想定していないスキルだからこんなイカれた感じになってるけど、普通に人間が使おうと思ったらMPのバフ要員、とかで使わないとMAXまで攻撃力にバフをかけたってモンスターに力で勝てるわけじゃ無いからそこまで意味は無かったりする。


『、、、そうだ!隼ゴーレム殴ってみて!』

「、?わかった!」

『なんでなの?』

『隼に使ってない状態で1回パンチしてもらって、その後増加付与使った状態でパンチしてみたら分かりやすいかな?って思って』

「なんか、僕の拳壊れそうだな、まぁいっか、」

『なるほどなの〜?』


2回もゴーレムを殴るってことでちょっと嫌そうな隼はトボトボと効果音がつきそうなほどゆっくりゴーレムに近づく。

ゴーレムに触れて、ちょっと距離をとる。


「よっと!」


前足を脱力、素早く距離を詰めて全力でぶん殴る隼。

ゴーレムの表面が凹んで、それで終わり。

ゴーレムの表面が凹むだけでも凄まじい威力ではあるのだが、直近でキュイが上半身ぶっ飛ばすのを見ている隼としてはなんかジョボいな、とゆうのが率直な感想だった。


『よし、それじゃ隼の攻撃力に10プラスするね』

「ちょ、ちょっと待って、肩まで痺れてる、!」

『ご主人様大丈夫なの!?』

『隼!大丈夫!?』


殴った腕が痺れているらしい、うずくまって腕を押えている隼にベルとキュイが心配そうな目を送る。

そんな視線を他所にグーパーして何とかしびれが引いた手を持ち上げる。


「よし!もう大丈夫!」

『ほんとに、? 辛かったらやらなくてもいいんだよ、?』

『そうだよご主人様!怪我してない!?』

「大丈夫だって〜 ほらベル!いくよ!」

『ほんとに大丈夫なんだね、? じゃあ、攻撃力+10!』

「おお!?体が軽い、!!」


付与が発動した瞬間、隼は体が羽のように軽くなったと感じた。

間違ってはいない、単純計算で力が3500倍近くに上がっているのだから。


「よっこいしょっ!」


軽すぎて重心が安定しないまま軽くフックのようにゴーレムを殴りつける隼。

次の瞬間、「ドゴォン!!!」とゆう派手な破壊音とともにゴーレムが粉々に砕け散り、行き場を失ったパンチの風圧が地面を数センチ削る。


「お、おぉ、すごいな、」

『すごいのー!ベルくんは力持ちなの!!ってことなの、?』

『そ!これが僕の増幅付与ってスキルなわけ!』


えぐれた地面を呆然と眺めて呟く隼、桁違いに力が強いのは知っていてもここまで圧倒的だとは思っていなかったのだ。

もっとも、重心がグラグラでほとんど力が拡散してしまってのこの威力なわけだから本来はこの数百倍の結果になっていて然るべきなのたが。


「次はキュイの魔法について、かな?」

『キュイの魔法? ???ってやつなら探知系なんじゃないの?』

「そうは言っても1度調べておいて損は無いと思ってさ!ほら!効果範囲とか!」

『キュイの魔法はね?えっとねー、ここの3倍?くらいまでなら分かるんだよ!』

「え!?そんなに広範囲なの!?」

『キュイそんなことまで分かるんだ!凄いねぇーーー!!!ってことは薬草採取の時とかに確認するのがいいのかな?』

『うんなんだよ!だからご主人様のスキルいっぱい見れるの楽しみなんだよ!』

「え、あ、僕のスキルか、まぁパッパと行こうね」


キュイの???魔法は本質に近づけば近づくほどその性質を狭く厚く展開し、本質から離れた使い方をすればするほど広く浅く展開する性質の魔法だ。

1部の機能だけを展開することで初めて可能になる超広範囲探知、それが今キュイの使っている物の本質であるのだが、隼達にそれを察しろと言うのはあまりにも酷とゆうものだろう。

、、、さて、頬をポリポリとかきながら進み出た隼はステータスを見ながらどれから始めるか悩み、、


「よし、湾曲魔法から始めよう!ちょうど思いついたことも試したかったからな!」

『試したいこと?』

『なんなのです?』

「うーん、ま、見せながら説明するよ。 ゴーレム生成」


地面から浮かび上がったゴーレムを見上げながら、改めて考えをまとめていく隼。

順序だてて試していく、とゆうのがどれだけ重要なことかとゆうのは曲がりなりにも富豪の家系で英才教育を受けていた隼である、嫌とゆうほど理解していたのだ。


「まずは普通に、、」


そう言いながら隼はゴーレムの右手に触れる。

魔力を集めて、イメージを確立させていく隼。


「湾曲魔法!」


その宣言とともに、ゴーレムの腕はいとも容易く直角に曲がってしまった。

それに満足したのだろう、鼻を鳴らす。


「うん、いい感じだな」

『湾曲魔法って色んなものを曲げれる魔法、だっけ?』

『そうなのです?キュイはよく分からないのです!』

「そうだな、次に行く前に説明しておくか。 湾曲魔法ってのは定義として1点を固定してそこから先を固定部分を中心として円形に曲げる魔法なんだ。 だから曲げるって状態の解釈を変えてあげれば、、」


そう言いながら再びゴーレムの右腕、直角に曲がった内側のダメージのない方を触る隼。

すると、ゴーレムの腕は曲がるのではなく捻れるようにして腕の中心、その同心円状を回転し始める。

そして1周、もう1周、6周ほど回転して腕がネジ切れてしまった。


「こんな風に捻り切ってしまうことも可能なんだ。」

『この魔法、中心さえ決めてしまえばこんなことも出来るんだ、!』

『おおー!!!すごいのー!!!クルクル回って切れちゃったの!』

「その通り! これがギフト特有の解釈の幅とゆうやつなのさ!!」

『なるほどねぇ、』

『かいしゃくのはば?ってなんなのです?』

「ふむ、まず解釈ってのは物の見方、みたいな事だね。 例えば足の速さだ。僕がベルより足が遅い、とゆうのをステータスの差があり過ぎるから、と考えるか四足歩行と二足歩行では四足歩行の方が有利だからだ、と考えるかは人それぞれだよね?ってこと」

『おおー!わかりやすい!』

『分かりやすいのです!!! キュイが足遅いのはステータスが低いし足が無いから!なのです!』

「お!そんな感じだな!キュイは欠点を認められる子で凄いね」

『キュイ凄いです!!』

『うんうん、キュイは凄い!!』

「それでね?解釈の幅を広げるってゆうのは今みたいに足が遅い、って状態をステータスだけを見たり足の本数、足の長さ、みたいな生まれ持ったものだけで決まると思ってる人のことを解釈の幅が狭いって言うし、これらを1つの要素のしてさらに技術とかを考慮して視野を広く持ってる人のことを解釈の幅が広いって言うんだ」

『なるほどなのです! 』

『隼ほんとに説明上手だね!?ボクじゃ真似出来ないなぁ、』

「ちょ、ベルさん褒められると調子狂うから辞めんさい!

コホンッ、それじゃ次!」


隼は少し赤くなりながらゴーレムに近づくとゴーレムの胸あたりに触れる。

と、その前にギフト由来の魔法とそうでない魔法の違いについて話しておこう。

普通の魔法の中にも湾曲魔法、と呼ばれる魔法は確かに存在している。

これは地魔法と風魔法の混合魔法、その数ある混合魔法の中でも最難関とされる魔法だ。

そして、この魔法もかなり複雑ではあるが古代言語で構成されていることに違いは無い。

そして古代言語で構成されている関係上、自由度はともかく解釈の余地、とゆうものが無い。

ギフト由来の魔法の場合はこの発動に使うのが古代語ではなく使用者のイメージ力に起因する分、使用者の知識の伴った解釈はその魔法の性質にも影響を与えることが出来るのだ。

普通の魔法は魔法効果の大きさを使用された魔力量と術者の魔力適正、そしてベルのような魔法威力を上げるスキルや隼の魔力効率をあげるスキルなどで決める。

それに対しギフト由来の魔法は術者の想像力と具体性でその効果の大きさが変わり、その後に魔力の必要量を威力強化系や効率強化系のスキルを参考に算出することになる。

そのため、実力以上の威力を出すことが可能であり、そしてその分危険が伴うわけだ。

、、、さて、ゴーレムの胸に触れた隼は計算を始める。


「円の半径も弦の長さも高さも自分で決めれるんだし、飛びっきりでかい円を作ってみるか、、角度もとびきりでかく、170°にしよう、 、高さはゴーレムの胴体の厚さと同じでいいよな、、いっぺんに試してしまうか、円を細長くしてその分円を小さく、その部分を威力に、、よし!」


隼の中で理想的な弓形ができ上がる。

起動された湾曲魔法はゴーレムに留まるエネルギーと縦横無尽に暴れ狂うエネルギーを与える。

湾曲とゆう現象をエネルギーと定義しそのエネルギーに無秩序とゆう秩序を与えること、それを弓形とゆう限定範囲で発生させること、これが隼の考えた最適解であった。

これぞギフト由来の魔法の真骨頂であろう。

無秩序なエネルギーに晒され呆気なく崩壊するゴーレム、その胴体はメチャクチャに弾け飛び機能停止を迎える。

さて、最後の1ピースをはめ込めば方程式は完成である。


「最後に、、無秩序なエネルギーの波を前に押し出すエネルギーに置き換える、!」


湾曲とゆう現象を運動エネルギーと定義した上で無秩序なエネルギーを発生させるのが熱エネルギーのように振動するエネルギーだとしたら今から行われるのは光のような1方向だけに生じるよう特化したエネルギーである。

たちまち、ゴーレムはその質量を忘れてしまったように弾き飛ばされ落下とともに崩れてしまった。

その光景に数は少ないが様子を見ていた探索者達が言葉を失っている。

隼は持論が立証できた安堵からその視線に全く気づいていない。

ベルはともかくキュイもそういったものに頓着がないタチなので純粋にはしゃいでいる。


『ご主人様すごいのです!!! 解釈の幅を広げるのってこんなに凄いことなのですね!!!すごいのです!!!』

『隼すごい!!! ボクも考えて使わないとだね!!!』

「そ、そんな凄くないってば、! 」

『そんなことないって! 隼!さすがだよ!』

『ご主人様はスゴいスゴいなのです!!! キュイは確信してるのです!!!』

「うっ、コホンッ、、次行くよ次!!!」

『はーい!』

『はーいなのー!』


元気な返事を背に照れながら次のギフトを試す隼である。

そんな隼達の会話に少し外れた所で訓練していたらしい見覚えのある女性が2人話しかけるタイミングを伺っているのだが、それはもう少し先になりそうである。

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