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愛犬と行く怠惰な異世界スローライフ  作者: レーザーらいおんマン
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戦闘講習②

異界の森②のステータスについて。

今後重要になってくる知能と運気のステータスを追加しました。

忘れていたとかではなく完璧な追加要素です。

困惑されるかもしれませんがよろしくお願いします。

知能が高ければ高いほど転移前オプションの知識の引き出しにたくさんの情報が入れられることになっていて、この辺が隼とベルの明確な差になってきます。

あと知能ステータスが低いとギフトの数が減ったり魔法の習得に苦戦するなどのステータスに乗らないバッドステータスが発生します。

また、運気はダンジョン突入後なのですが、宝物やドロップアイテム増加、他にもスキルの習得などに若干のバフがかかったり、レア個体として生まれるモンスターになりやすかったり、魔法や弓などの命中率が上がるなどの特典があります。

「まず5人1組に別れ私と戦ってもらいます! 素養を見るものではありますがあまり気負わないように! この段階で評価を決めるようなことはありません! 5人1組での戦闘が終了した組から各自型の見直しや組手などもいいでしょう。 私は巡回しつつその場その場でアドバイスに徹します! それでは5人1組を作ったものから私の元に来てください」


アイーシャ先生が言い終わると直でに5人組を作っていたものたちが列を為した。

1組目の戦闘は既に始まっている。

完全に出遅れは隼はとりあえず組めそうな人を探すためウロウロとすることしか出来ない。


「ハヤトくんハヤトくん」

「ん?あ、アンナか、どうしたの?」

「あと一人足りないんだけど組んでくれない?お願い!この通りだよ!」

「い、いいのか!? たすかる!!」

「みんなも構わない?」

「おう!おれは全然大丈夫だ!」

「私は、アンナが決めたなら、誰でも歓迎、」

「強いならモーマンタイだね!」


隼の狭くなっていた視野にアンナの他に3人の女性が着いているのが見えた。

全員、アンナのことをかなり信用しているみたいだ。

かなり羨ましそうな目をアンナに向けながら、隼はその4人と一緒に列の最後尾に並ぶ。


「まずは俺から自己紹介だな! 俺はハイラだ! 武器はこの斧! 得意な戦闘方法は超至近距離でのぶん殴り合いだ!」


バトルアックスと呼ばれるような巨大な斧を担いだ整った顔に狂気の籠った何かを目に宿す金髪を肩でバッサリ揃えた女性、ハイラと言うらしい、が自己紹介をする。

並びながら自己紹介を済ませてしまおう、とゆう事になったのだ。


「次はアタシでいいかい? そんじゃ、アタシはカーク、見ての通り格闘家さ。 この篭手は師匠から譲り受けた物なんだが、相当な業物らしくてな? 打撃の回数分ダメージが上がっていく上に軽い破損なら自己修復するっつぅ代物さ。 アタシの戦闘スタイルもハイラと同じく超至近距離、あと中距離も得意よ? ハイラがパワータイプならアタシはスピードタイプだと思っとくれ」


カークと名乗った女性は狐のように細長い目の奥で金色の瞳を鋭く隙無く飛ばすような女性だった。 髪の色は栗色、それをポニーテールにして腰より少し高いところまで伸ばしている。

かなり長いが邪魔にはならなそう、体は細いがしっかり筋肉が着いている。


「次、私かしら?私はシオン、シオン・サカガミ。アンナやハヤトさん?と同じ転移者、いちおう。 転移してきたのは4日前だから、多分新参者だとおもう。 アンナに拾われて、今はこの3人と金剛女子ってゆうパーティーに所属してる。 武器は槍、あまり戦闘慣れはしていないけど。突くだけならできる、目がいい方だから、サポートなら任せて欲しい、」


シオンと名乗った女性は黒い髪に黒い目、真っ直ぐ伸びた背とは対照的に常に俯いているのでくらい印象を受ける女性だった。

黒髪をボサボサにして目元を隠しているから表情は分かりずらいが、どうも同じ匂いを感じて勝手に親近感を覚える隼である。


「えっと、僕はハヤト、武器はこのナイフ、それから、えっと、無手の格闘もかなり得意です。スピードもパワーも人並み以下ですが、柔術には自信があります、よろしくお願いします、 」


隼の様子に直感的にシオンと同じ人種なんだろうと察したハイラとカークが、生暖かい目で見てくるのでいたたまれない顔の隼。

そんな隼にハイラが聞く。


「柔術ってのはどうゆう物だい? アタシは聞いた事のない武術なんだが、出来れば1度掛けてもらえるとたすかる」

「あ、そんなに危険じゃない技もあるので、そういったものなら、」

「よし!それじゃ頼む!」

「あ、はい、!」


急に技をかけろと言われテンパりながらもハイラに手を差し出して貰い、その手を握る。


「行きますよ、?」

「おう!」


瞬間、腕を起点としてハイラが一回転する。

ビックリして抗おうとするのも関係なく両の足が持ち上がり、次の瞬間には同じ場所に立っていた。

あまりに、あまりに凄まじい光景に目を見開く4人、隼は緊張の糸が解けたように溜息を吐いている。

初対面の人に技をかけるのは怖いものだ。


「こ、こうゆう技です、例えばハイラさんの場合なら、重いバトルアックスを背負ってるのでかなり前に重心を置いている状態ですよね?」

「あ、ああ、そうだな?」

「その力を左右に振ってあげれば人を回すくらい訳ないんです、これが柔術となります、」


言うは易し、とはまさにこの事である。

事も無げに言うハヤトの、その凄まじい技術は、地球における達人と呼ばれるものたちを持って驚愕させるものだ。

まして重心操作、とゆうものがまだまだ未開拓のこの世界において、その点で言えば最高峰となるだろう。


「「「す、っご、」」」


誰ともしれず呟かれたその声は、周りで目に入った探索者全員の思いだったろう。



ーーーーー



「次!始めますよ!」


4人が驚愕から覚めて数分、遂に隼たち5人の出番が来た。

進み出てそれぞれの武器を構える。

ハヤトはもちろんナイフを抜いて逆手に持ち心臓の前で構える。


「うおおーーー!!!!」


最初に駆け出したのはハイラ、巨大なバトルアックスを真っ直ぐに構え、アイーシャとは少し離れた所で地面を打つ。

弾け飛ぶ砂、砂埃が立ちこめて視界が悪くなった。

その瞬間、ハイラの後ろを影になるように走っていたカークがアイーシャに急接近、その勢いのままボクシングのような構えでストレートを放つ。


「作戦自体は悪くない、けど相手が悪かったわね? 私、こうゆうのは大得意よ?」


言うが早いか片手剣を横凪にふるアイーシャ。

篭手を擦るようにカークの首筋で止まった剣。

アイーシャの装備は片手剣だ。

軽く使いやすいが、軽すぎないので威力も申し分ない。


「1人チェックメイト、次はアンタよ!」


そう言って重心を低くするアイーシャ、以前隼が狼のボスにやったのと同じように爆発的な加速でハイラに肉薄したアイーシャは小回りの効かないバトルアックスのデメリットを上手く使って振り下ろされた瞬間懐に入り、袈裟斬りのすんでで止める。


「2人目。」

「チィっ!」


瞬く間に負けた仲間、その光景に唖然とすることも無く肉薄していたシオンとアンナ。


「はっ!」


チェックメイトの瞬間できる一瞬の隙を突く槍がアイーシャの眼前数センチのところを通過する。

後ろにバックステップして避けたアイーシャは、次の瞬間にはシオンの脇に触れる寸前で片手剣を止める。


「3人目、狙いわ良かったよ?」


ウインクしてまたバックステップで数メートル下がるアイーシャ、次の瞬間、そこにハルバードと呼ばれる槍と斧が1つになったような武器が地面を抉った。

次の瞬間、低姿勢で加速したアイーシャが肉薄する。

隼はどうしたかって?

既に攻め込んでる。


「!?投げナイフ!?」


瞬間、アイーシャの顔目掛けて飛んでくるナイフ。

驚愕に目を見開いて急停止、剣を両手で握る。

ナイフの狙いは状態の変わったアイーシャに、しかし狂いなくアイーシャの眼前に迫る。そして両手で握られ高速でかち上げられた剣に弾かれる。

隼はどうしたか?もう懐に入ってる。

右利きで両手で剣を握り真上に切り上げる場合、左目の視界は真ん中の半分近くを左手首に塞がれる。

その、死角に入り込み一気に加速した隼は、アイーシャの軸足である左足を両手で絡め取り、急激に減速し後ろに飛んだ。

勢いのまま軸足を取られたアイーシャは為す術なく尻もちを着いてしまう。

一瞬何が起きたか分からず混乱したアイーシャの首を掴み後ろに回り込んでいつでも外せる状態に持っていく隼。


「続ければ首が外れます、どうしますか?」

「ははっ!降参だね!」


本日初めて教官を倒した隼に、会場は拍手に包まれる。

何名かアイーシャの足だの首だのを触ったことに嫉妬の目を向けるものの視線は意図的に無視して、隼は自主練習している団体の方に向かうのだった。



ーーーーー



隼は内心すごく安堵していた。

回収したナイフを手でなぞる、構えを見てだいたいどのように切り上げるかは分かっていても、上手くいかなかった時のことを考えると恐ろしい。

結果的に死角に入れたからいいものの、あれで全く予想と違う動きをされていたら、回避は間に合わないように投げたが仮に回避が成功してしまったら最悪だ。

武器を投げて無防備に飛び出すとゆうのは、あまりにも教官の印象に悪い。

そんなことを思いつつアイーシャと組んだ時の他の選択肢をイメージトレーニングしていた隼。

そこに全てのグループを終わらせたらしいアイーシャがトコトコとやってくる。


「完敗よ、凄いわね?あの技、相当高名な方がお師匠様なんでしょう?」

「え、あー、師匠ですか、師匠は大した人じゃありませんでしたよ?プライドが高いだけ、みたいな人でしたから、他はともかく柔術はほぼ独学なんです」


「初めて3日で投げてしまったので、」と続けようとして辞める隼。

流石に隼でもそのくらいの分別は着くのだ。


「そうなのか! 素晴らしいな、!良ければ後学のため、なにか技を教えてくれないだろうか?」

「技を、ですか? そうですね、剣を使うならこんなのとかどうでしょう、 」


そう言いながらナイフを構える隼。


「剣を構えてみてくれませんか?」

「あ、ああ! よろしく頼む!」

「はい、例えばここ、アイーシャさんの剣の重心と呼ばれる部分です。」


そう言いながら隼が触れたのはアイーシャの剣、そのアイーシャが握る手と手の間だ。


「この重心は常に体の芯に沿って存在します、アイーシャさんならこんな風に、」


そう言いながら少し離れてアイーシャの重心を縦1本、ピッと振り下ろして表す。


「この芯を、ブレさせる技になりますが、」


そう言いながら隼はアイーシャの剣、その中ほどにナイフの刃を当てる。

そのままゆっくりと体とともにナイフを捻っていく。

やがて、芯が地面を離れたアイーシャはまたも尻もちを付いてしまう。


「このように剣を通じて相手の腕をひねる技があります」

「す、素晴らしいな!!! こ、これは私でもできるのだろうか!?」

「え。あ、はい!出来ると思います。 結局重要なのは重心のイメージと動きのイメージを連動させること、なんです。 なので誰かに剣を持ってもらい、止まっている相手に使って感覚になれていけば、自ずと使えるようになるものなんです」

「な、なるほど! 実戦で使う参考に1度襲いかかってくるところを崩して貰えないか??」

「ええ、お易い御用ですよ」


言うが早いか立ち上がったアイーシャ、隙なく剣を構えると、疾風の如く駆け出し横凪に剣を振る。

本当に美しい剣を使うな、と心の中で呟いた隼は横凪に迫る刃を引き付け、あと、およそ10センチくらいだろうか?そこでようやく右手で真っ直ぐ持ったナイフの刃を剣の腹に当てた。

瞬間アイーシャは前転のように飛び上がり空中で一回転して着地する。


「す、凄まじい、術理を聞いたからこそ分かる。君は紛うことなき天才だ、」

「いいえ、僕はタダ学んだものを応用しただけですよ。 僕なんかより3度受けただけでしっかり受身が取れているアイーシャさんこそ素晴らしいです。 天性のバランス感覚が常軌を逸しているんでしょうね」

「ははっ、君に褒められるとなんだか照れくさいな、、ともかく! 本当に助かった!新しい道が見えてきたよ! この恩はいつか返させてくれ! では私は他の者たちを見てくるので、ゆっくりしていてくれ!!」


アイーシャはそう言うと嬉しそうな背中を隼に向けて小走りで離れていく。

久々にこんなに語ったな。と、やや自嘲気味に頬を赤くした隼はアンナ達が訓練してるのに気づき、遠巻きに眺めながらナイフを点検するのだった。

隼、実はかなり強い設定です。

接近戦はもちろんのこと、これから魔法もどんどん成長していきますので、楽しんでやってください!

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