第三部 第十一章 天使の愚痴
「で、何しに来たの? 」
俺が焦げ焦げの天使にそう言った。
髪の毛も一部アフロになってる。
優紀が背後で笑いを堪えていた。
「当分、来ないって言ってましたよね」
光彦も冷ややかに呟いた。
「いや、君達、冷たいな」
天使が傷ついたように俺達に話す。
「勝手に転生させて、負けたら女の子にして、まともに食料や資材や武器も渡さず。近隣のオーガに襲撃させたりして、何か俺達に優しい部分がありましたっけ? 」
俺が呆れたように突っ込んだ。
「いやいや、女の子が一人増えるたびにいろいろ渡してるでしょ? これ、今までに無いスペシャルサービスだよ? 」
「今までを知らないから、どうにもならんですけど」
俺が段ボールのかたずけを皆としながら言い返す。
正直、段ボールを天使がぐしゃぐしゃに出して行ったせいで、片づけるのが大変だ。
幸いに大工道具も入ってたから、廃屋の集落で一番柱とかがしっかりしてる奥の廃屋をリフォームして他の廃屋を壊して資材をとって修理するかと言う事で、それの準備もある。
井戸も誰も使ってなかったせいで、すっかり汚い水が溜まってるので、それを掃除する仕事を朝は皆でやった。
幸い、段ボールにロープが入ってたので、それで降りて何度も泥まみれになりながら段ボール箱に入ってた折り畳み式のスコップで底の泥とごみを搔きだして捨てた。
だから、夕方にやっと、それが終わって、ドロドロの身体を井戸の水が澄んできたところで、ロープとバケツで汲みだして、お湯を沸かしてバケツの水に足して身体に浴びて、やっと帰って来た所だった。
それで、疲れ果てて帰って来たのに、天使が下手糞に出したせいで廃屋の崩れた大量の段ボールを見て、ため息をついて片づけている最中にいろいろと言われても腹立つだけだし。
そもそも、昨日の夕方に無茶苦茶な段ボール出し方をしなければこうならなかったのに。
「いやいや、こんなに大サービスで資材とかの段ボールを出したから、いろんな事が出来るようになったでしょ」
天使が口を尖らせた。
「そもそも、私達がこんなとこに呼び出されなかったら、こんな目には会わなかったのでは? 」
優紀がムカついたのか激しく反論した。
「いやいや、君達は死んでたんだよ? 」
「向こうの世界に居たら、輪廻転生とか普通にしてたのでは? 」
総一郎が冷やかに返す。
「いやいや、それだと記憶は無くなってるし、はっきり言うと人格も別だから微妙でしょ。ここなら記憶も人格もそのままじゃない」
天使がフレンドリーに話してくるから余計に腹が立つ。
何なんだ、こいつ?
皆がそう言う目で天使を見た。




