第一部 第十二章 オーガ
「「マジかよ」」
俺と総一郎が同時に呟いた。
廃屋の外の森の中からでかい剣を持った二メートル以上あるオーガが出て来た。
二匹いる。
「オーガかよ」
雄一が一緒に覗いて身震いした。
「まずいな。相当に強そうだ」
総一郎がため息ついた。
俺が三本あった錆びた肉厚の中華包丁みたいな包丁を自分で一本と総一郎に一本渡した。
「ちょっと、俺にもくれよ」
和真が言うので、最後の一本を渡した。
「俺達はどうするんだ? 」
仁が聞いた瞬間にオーガは剣を抜いて廃屋を破壊しながら乗り込んできた。
「嘘だろ! 」
上手い事、総一郎がそのオーガの一撃を錆びた中華包丁で受けるが、その錆びた刃が火花を散らして欠けた。
「ひぃぃぃっ! 」
雄一と裕也さんが悲鳴を上げて奥へ逃げた。
総一郎は最初に乗り込んできたオーガと錆びた中華包丁で戦っていた。
でも、相当押されていた。
もう一体のオーガも最初のオーガが破壊した壁から入って来た。
廃屋の奥に逃げるべきだったが、宗也と陸が逃げ遅れていた。
「早く、奥に入れ! 」
俺が叫びながら、竈から火のついた薪を取ると、それを入って来たオーガに投げつけた。
オーガはそれを気にもせず剣で両断した。
「どうやったって、助かんないじゃんか」
和真が泣き言みたいに呟いた。
奥では火花を散らしながら剣と中華包丁で総一郎がやり合っていた。
だが、分が悪そうだ。
まあ、当たり前だが。
「あっ! 」
そして、俺の方はもっとヤバくなった。
陸は奥へと駆け込んだが、宗也がこけた。
パニックになってるようだ。
それを後から入って来たオーガが剣を振りかぶって、建物を壊しながら宗也に斬りつけて来た。
「ギンッ! 」
鈍い音がして俺がその剣を持っていた錆びた中華包丁で受け止めた。
そしたら、見事に割れた。
刃が綺麗に斜めに割れて和包丁みたいになった。
「ああああああ! 」
宗也が叫ぶ。
「心配すんな! 絶対守るから! 早く奥へ行けっ! 」
俺が叫びながら、宗也を庇うように前に出た。
俺にスキルの再生能力があるなら、恐らく少々の怪我では死ぬまい。
痛いだろうけど。
そう思って、手が斬られる覚悟でオーガに踏み込んだ。
流石に廃屋とは言え、まだしっかりした部分があるのと、オーガの身体の大きさと剣の長さもあってオーガも戦い辛そうだ。
そこを短刀のような錆びた中華包丁みたいなので小回りで勝って相手をいなす。
総一郎がやっているのもそれだった。
俺もうまく廃屋の頑丈な部分の前で戦ったりして、美味くオーガが剣を振り回せないのを利用して斬り合った。
「絶対守るから! 先に奥に行ってくれ! 」
ようやく立ち上がった宗也に俺はそう声をかけて、割れた中華包丁を手に再度オーガに踏み込んだ。




