表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神木さんちのお兄ちゃん! ~美人すぎる兄は、双子の妹弟を溺愛してる~  作者: 雪桜
第11章 恋と雨音

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

452/619

第437話 雨音と濡れ髪


 それから、3日ほどがたった平日の水曜日。


 それは、飛鳥とあかりが、映画に見に行くと約束した前日のことだった。


 ザーザーと雨が降りそそぐ中、大学の講義を受けていたあかりは、なかなか授業に集中できずにいた。


 だって明日は、この大学一の人気者と、映画を見に行くことになっているのだから。


(どうしよう……ついにきちゃった、明日が)


 ノートを取りながら、あかりは、頬を赤らめた。


 ただ映画を見に行くだけなのに、デートなんていわれたせいか、やはり意識してしまう。


 なにより、今まで異性と付き合った事がないあかりにとって、男性とのデートは初めてのこと。


 だからこそ、着ていく服にしろ、髪型にしろ、どのようにすればいいか全く分からない。


(デートって、何を着ていけばいいのかな? いやいや、別に服装とか気にする必要ないじゃない! だって、私は明日、神木さんに嫌われなきゃいけないんだから!)


 そうだ! 嫌われるなら、むしろ超ド級にダサい服で行った方がいいかもしれない!


 だが、あまりにもダサすぎるのは、あかり自身、ちょっと恥ずかしかったりもする。


 女子大生になってからは、それなりに垢抜けたと思うのだ。


 明らかに、田舎町で暮らしていた頃より、オシャレにも、髪型にも、気を使うようになった。


 だから、ダサい服を!と考えても、ちょっと抵抗がある。


(うーん……ダサいのはやっぱり恥ずかしいし、普通の服でいいわよね? 特に気合いとか入れずに、普段着でいけばいいのよ。だって、映画を見るだけなんだから)


 そして、ここにもまた、ただ映画を見に行くだけだと思いこんでいる、恋愛初心者がいた。


 デートに関しての予備知識が一切ないせいか、お互いに前途多難な二人だったりする。


 だが、そんな二人のデートも、ついに明日へと迫った!


 二人とも、明日は大した講義もなく、平日ということもあり、比較的ゆったりと映画をみれることが予測された。


 だが、残念なことに、天候は、あまり良くないらしい。


(……明日、晴れるかな?)


 ザーザーと降る雨音を聞き、あかりは、窓の外に目をむけた。


 その雨は、まるで泣いているように、辺りを雫で染めていた。そして、その光景をみると、少し切なくなる。


 正直、あかりは、雨音があまり好きではなかった。


 雨の音を聞くと、あの日、シャワーに打たれながら亡くなっていた、彩姉ぇのことを思い出してしまうから。


 だが、天気ばかりは、どうすることも出来ない。


(仕方ないよね。なにより、嫌われるつもりでいくんだし、明日のデートは、どの道、いいものじゃないわ)


 明日、完全に嫌われてしまえば、もう二度と話すことは、ないかもしれない。


 そう思うと、胸がキューッと締め付けられた。


 まるで、嫌われたくないとでも言うように。


 でも──


(嫌われなきゃ。せっかく橘さんから、嫌われ方だって学んだんだし)


 そして、それが、神木さんのためにもなる。


 そう決心したあかりは、改めて迷いを打ち消すと、再びノートをとり始めた。


 

 *


 *


 *



「っ……もう最悪だ」


 一方、部活帰りに、一人で帰宅していた蓮は、突然降り出した雨に、愚痴をこぼしていた。


 時刻は、夕方6時過ぎ。


 帰宅途中、いきなり降り出した雨は、蓮の制服をビショビショに濡らし、マンションに辿り着いた頃には、もう下着まで濡れている状態だった。


(やっぱ……傘もって行けば良かった)


 濡れた髪から、シトシト雫が落ちる中、蓮は、濡れた髪をかきあげながら、ため息をついた。


 なぜ、判断を誤ってしまったのか?


 いや、別に誤ったわけじゃない。朝の天気予報では、夜から雨が降ると言っていたのだから。


 しかし、所詮、予報は予報。

 完全とは言い難い。


 オマケに、折り畳み傘すら忘れてしまい、友人の航太は、部活を休んでいたため、帰りも一人。


 それ故に、前のように、航太と相合傘的な展開にもならなかった。


(なんか、寒っ……帰ったら、すぐに風呂入った方がいいかも?)


 その後、軽く身震いをした蓮は、濡れた身体のままエレベーターに乗り、自宅まで進んだ。


「ただいまー」


 そして、いつも通り玄関を開け、湿った靴を脱ぎ、リビングまで行くと


「おっかえりー」


 と、双子の姉である華が声をかけてきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ