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エターナルトラベルオンライン  作者: 鯖の味噌煮
9/19

#9 JOKER


解放アウェイクン・・・<五十三番目の殺意ジョーカー>!!」

全てを破壊キャンセル、そして消去デリートする能力。俺から溢れた『殺意』は影、『殺戮影キルオーダー・シャドウ』となった。

ドラゴンは危機と認めたのか、<パンデミック・ブレス>を放つ。標的は俺。

「『殺戮影キルオーダー・シャドウ』、迎撃」

影を俺の前に展開。<パンデミック・ブレス>を破壊キャンセルする。影を収縮させた途端、

病爪シックネス・クロー>が襲いくる。影を刀身に纏い、振る。ドラゴンの爪は切られた直後、数字とアルファベットの羅列となって崩壊した。これが消去デリート能力だ。ただ、さすがにデバフはくらってしまった。皆と同じ[感染病]デバフ。

「エクス」

「ああ。」

「全員待避させろ。」

「了解。・・・撤退!てったーーーい!!」

残るは俺一人。死ぬのは俺だけで十分だ。いや、死ぬ気はさらさら無い!

「絶対に、殺す!」

ドラゴンは俺に答えるかの様に、咆吼をあげた。

俺はこのとき気づかなかった。俺の頭の中が殺意で満ちていたことに。



「大丈夫かな?」

エクスは途中、ヤマタ達を拾ってユースフルの入り口まで戻って来ていた。

「あいつが死ぬとは思え無え。」

「あいつが死んだらもう絶対俺達じゃ勝てない。」

「それもそうか・・・」

「だいじょうぶ!先輩は戻ってきますよ!」

「ああ、なんたって、俺達のマスターなんだからな!」

向こうから、彼のギルド「ダウナーズ」メンバーの声が聞こえた。

「・・・絶対帰ってこいよ、イズモ。」

エクスは、そう呟いた。



「ラアッ!」

エクス達が戻った数分後、噴水広場では熾烈な戦いが繰り広げられていた。

ドラゴンがいくらデバフを与えても、簡単に破壊キャンセルされる。もちろん、ただでやられるわけでも無く、俺は隙をみつけては攻撃する。そのたびに、ドラゴンの一部が崩壊する。

HPは両者残り3割。削りきれそうで削りきれない微妙な数値。しかし、ドラゴンはここで最もやってはいけないミスをした。使えるスキルが無くなった。その隙を見逃さない。

跳び上がって、<ドラグニアブレード>、連続して<ギガスラッシュ>、次いで<影斬カゲギリ>。形状変化メタモルフォーゼで大剣に変え、思いっきり<オメガスラスト>。

残り1割。スタンを入れまくってドラゴンは動けない。この機を逃さない!

「死ネ・・・絶滅剣キャンセル死去デッド・デリート!」

全てを削り、消す。壊す。暴虐を全て集めてなお足りない様な、悪意、害意、敵愾心。それらの奔流に飲まれたドラゴンは為す術無く、消滅した。

街にあった、嫌な感じ、不快な色彩が消える。目の前に『1000人単位超難易度大規模戦闘ルナティックレイドクリア!』のシステムメッセージが表示される。

(よかった、クリアできた・・・)

「マスター!!」「先輩!」「ボス!!!」「イズモ!」

皆から名前を呼ばれる。しかし、もう限界だ。

(みんな・・・しばらく寝かせて・・・)

そこで俺の意識は途絶えた。

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