表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エターナルトラベルオンライン  作者: 鯖の味噌煮
8/19

#8 殺意


「イズモさん、すいません、<ナラク>取ってきてもらえませんか?」

ナラクはちょうどドラゴンの眉間のあたりに刺さっている。

「了解」

今こそ、システム外スキルと意思制御インテンション・コントロールの使いどきだ。


システム外スキルは本人の練習、意思制御インテンション・コントロールは本人の意思で使える。『自分は~~できる』と強く念じれば、より強いスキルとなりえる。


「よっこら・・しょっ!」

俺の使えるシステム外スキル“壁走り(ウォールラン)”。数百回にも及ぶ練習と、壁を走れるという自己肯定の意思でこのスキルを得た。

跳躍、ドラゴンの頭部に着地。すぐさまナラクを抜き、ロキでも攻撃をいれておく。ナラクを投げる。

「ありがとうございます!」

しかし、ここでジェイのデバフ[移動阻害]、[平衡感覚異常]が消えた。振り落とされる。


戦況は悪化する一方だった。

ただでさえ[感染病]デバフだけで戦線が崩壊しかけているのに、<毒牙ヴェノム・ファング>や<病爪シックネス・クロー>、<麻痺尾パルシィ・テール>といったデバフを与える攻撃で盾役は残り数名、遊撃部隊も魔法部隊もかなり消耗しているのが現状だ。まだヤマタ達も来ていない。

ただ、希望もあった。

サーバー唯一の『銃使い(ガンナー)』のホークの神器<イフリート>の攻撃がかなり有効であることがわかったのだ。さらにマリアの持つ神器<アテナ>はHPの即時全快能力をもつ。デバフは消せないものの、HPがなくならなければいくらでも突っ込める。

ただし、ボスの残りHPは8割強。全滅は避けられない。

「イズモ、3分間、何もせず、回復に専念しろ。」

「なぜ・・・」

そこで気づいた。こいつは解放アウェイクン能力を使うつもりだ。

「必ず勝て。」

「・・・ああ。」

イレースが<ハーデス>を地面に刺す。白い十字架。これが解放アウェイクンの条件だ。

解放アウェイクン!<狂ったクレイジーグレイブ>!」

背後から現われた死神を自分の体に取り込む。彼の銀髪の一房が紫にかわる。

<狂ったクレイジーグレイブ>は3分間の不死とPVPでのみ一撃必殺能力が使える。また、防御を崩すこともできる。

3分たつと、死に至る。

たとえドラゴンでも、これほどの高火力をくらえばただではすまない。イレースは狂ったように笑いながら、3分間、攻撃し続けて、死んだ。

残りHPは5割。

そのとき、ドラゴンが雄叫びをあげた。HPが、増えていく。回復して、8割。イレースが削ったHPを、すべて回復した。

なんのための、イレースの死。たとえ復活するにしても、無駄にはしたくなかった。完全に、無駄になってしまった。

俺の中で殺意がわいた。


――なあ、絶対的な力が欲しくないか!

 うるせえよ。俺達は全滅するんだ。


――もし、この力で皆を助けられるとしたら?

 使う。


――じゃあ、使え。俺はお前のその気持ちで目覚めたんだ。


――さあ、その名を叫べ!


解放アウェイクン・・・<五十三番目の殺意ジョーカー>!!」

『相手に対する明確な殺意』で発動する、<ロキ>の解放アウェイクン能力。

その力は、全てを破壊キャンセル、そして消去デリートする能力。

そして、俺の殺意が、溢れた。

こんにちは。鯖の味噌煮です。今回の解放能力の名前のルビが最後の漢字のところにのみになっていますが、あのルビが名前です。全部ひとまとめにして見てもらうとありがたいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ