#3 PK
「カーソルカラー紫。PKです!」
ナツキの叫び声と
「マスター。あれを使ってください。」
ナッツからの要請。信頼する常識人のナッツだ。致し方あるまい。
「ナツキ、何分でぶつかる?」
「30秒後です!」
「ちっ、ナツキは見張っといて!ゲンジ、キュー、戦闘用意。ナッツは防御用意。クロトとマジンさんはバフ用意で。」
「おーっけ!」
「はい!」
ゲンジ、キューは完璧。後は俺だけ。
「じゃあ、やるか。・・・おいで、<ロキ>」
俺の前に闇が固まり、剣を形作る。大ぶりな片刃の両手剣。これが俺の神器<ロキ>だ。
「いたぞ!」
「やっちまえ!」
PKと遭遇。
「キュー!」
「アイサー!」
槍の特攻。即刻PKを一人殺す。
ちなみにこの世界では、痛みはそこまで感じない。そして、死んでも復活できる。俺たちの場合はギルドハウスだが、そういったセーブポイント的な所が無いプレイヤーは街の神殿で復活する。
「おらあ!」
ゲンジも一人キル。こいつは負けてられない。
「<影斬>!」
PKの影から斬撃が飛び出て一人キル。これこそロキ固有スキル、影斬だ。
「くっそ、魔術師が遠い!」
「任せろ。<刀身延長>」
ロキは刀身を影で伸ばせる。魔術師部隊を殺す。あと一人。
「マスター、逃げました!」
「了解!」
全力ダッシュ。敵が見える。奴は鎧を着ている。最適な武器は細剣だ。
「<形状変化/細剣>!」
ロキが細剣へ変わる。コレもロキのスキルだ。PKの喉元を貫いて終了。
「疲れた~」
「おつかれ~」
クロトののんきな声。こうして、俺たちの初PK襲撃は幕を閉じた。