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エターナルトラベルオンライン  作者: 鯖の味噌煮
10/19

#10 後悔


「!!」

急に目が覚めた。ここは・・・ギルドハウス?そして、俺の部屋。俺はいつの間に帰って来た?

「まったく、イズモさんいつになったら目が覚め・・イズモ?」

「ああ、今目が覚めた。」

「う、うわああ!イ、イレースさん!イズモさん、目ぇ覚ました!」

「なにい!」

慌ただしく階段を上る音。

「イズモォ!」

イレース、声でかい。

「少し席を外してもらえるか?」

「はい!」


「イズモ、結果から教えよう。」

イレースによる報告を聞くことになった。

「まず、〔感染病龍パンデミック・シックネス・ドラゴン〕は討伐成功。これはイズモ、お前の功績だ。」

あのドラゴン強かったもんなあ・・・そんなことを考えていると、イレースが真剣な声でこう言った。

「しかし、奴からのドロップ品が一つも無かった。」

ドロップ品。特定のモンスターを倒すと落ちる素材アイテムや武器の総称である。通常、今回のようなレイドバトルだと確実に強力なアイテムを落とす。しかし、それが無い。何かのバグか?

「そこで、<痕跡調査>スキル持ちのプレイヤーに調べてもらったのだが・・・痕跡、それどころか存在痕跡ログすらも無かった。まるで、存在そのものが無かったかの様にな。」

「な、存在痕跡ログも無いのか!?」

「ああ、心当たりとか、無いか?」

「そんなもの・・・」

言ってて気づいた。<絶滅剣キャンセル死去デッド・デリート>。あの悪意の奔流ならできる。しかも、あのときの俺の感情・・・


――殺ス、絶対に殺す!


――消えろ。消えちまえ!!


意思制御インテンション・コントロール

己の意思の力。

正の感情に発動する物なら当然、負の感情にも働く。

消した。俺が、あのドラゴンの存在を消去デリートした。たとえ、それがいかに酷いことをしても、された側が絶対にしてはいけない行為。それを、俺が行った。

俺は普段、モンスターを殺すことにも躊躇いを覚える。それなのに、あのときはそんな躊躇などなかった。

つまり、俺の自我の破壊キャンセル。ドラゴンだけじゃ無い。俺自身にも被害があった。

その事実が、俺に津波の如く襲いかかる。

「夢なら・・・醒めてよ・・・」

気づけば、口から零れ出ていた。

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