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幼女ヒロインは女の子を攻略しました ……どうしてこうなった?  作者: 九條葉月
第九章 剣劇少女編

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魔王(やはり女性)


「――私が! 魔王である!」



 焼け残った区画――つまりはダンジョンの最奥部に一歩踏み入れた途端。そんな若々しい『女性』の声が響いてきた。


「…………」


「…………」


 いきなり『魔王』と名乗られ、思わず顔を見合わせる私とラミィ。


(リリア嬢の知り合いかい?)

(変な人が現れたらまず私の知り合いかと疑うの、止めてもらえません?)



「私が! 魔王である!」



 いっそ白けた空気に負けることなく再び名乗る魔王(?)であった。とりあえず精神力は魔王級らしい。


 ふむ。


 見た目はとんでもない美少女というか美女だ。腰まで伸ばされた黒い髪と、黒い瞳。その外見的特徴のせいかどことなくナユハに似ている。ような気がする。


 うん、見れば見るほどナユハそっくり。

 ナユハが大人になったらこんな感じの美人さんに――いやナユハが自分で『魔王である!』とか名乗る系の人になったらアレだなぁ家族会議ものだなぁ。


 いやしかし、いくらアレ系だとはいえ、こういう美人さんは新鮮かもしれないね。私の周りにいるのは美少女ばかりだし。しかも顔つきはナユハに似ている。つまりはナユハ大人ver. これはこれで。魔王がいるのに天国か。ダンジョンなのに天国か。


「リリア嬢は一度生まれ変わった方がいいね」


 なぁんか『いっぺん死ねや女たらしが』と罵られたような?


 ふっ、しかし残念だったねラミィたん。私はもう生まれ変わっているのだよ。しかも二回も。


「あぁ、バカは死んでも治らない……」


 バカってあんた。


「はははっ、やはり予想通り(・・・・)面白いではないか」


 と、楽しげに笑う(自称)魔王様。


「やはりってどういうことですか?」


「いやなに、最近は管理の手伝いをするのも飽き飽きしてテキトーにやっていたんだがな」


 いやテキトーにしないでくださいよ世界の管理を。


「で。ここ数年どうにも『運命』が狂うなぁと思ったら、散歩に出かけるような気軽さで『運命』を狂わせる女がいるじゃないか。しかも、狂わせたあとは元のものよりも良くなっているというオマケ付き。どんな女なのか気になってな。暇つぶしも兼ねて、ちょっと魔物を暴れさせて誘い出してみたんだよ」


 つまり、世界の終わり(スタンピード)が早まったのは魔王の好奇心のせいであり、ひいては私のせいであると?


 ど

 う

 し

 て

 こ

 う

 な

 っ

 た

 !

 ?


「まぁ、リリア嬢だしねぇ」


 心の底から納得するの、やめていただきたい。どうしてこうなった?


 というか、私を誘い出そうとするのは一万歩譲って理解できるとしても、誘い出す方法が『魔物を暴れさせる』ってどうなのさ? 計画も何もあったものじゃなくない?


「ふっ、実際こうしてやって来たじゃないか。神算鬼謀っぷりに惚れ惚れするな我ながら」


 さらっと心を読みながら、ぱっさぁと前髪を払う魔王であった。ナユハっぽい顔で自己評価がメッチャ高いのが新鮮だね。ナユハって自分の評価が低いというか自覚が足りないから。


「さて。というわけで」


 なぜか大剣を取り出す魔王。その切っ先を私に向けてくる魔王。


「その歳にしては強いな。というわけで、暇つぶしに付き合ってもらおうか」


 なぜかバトル展開突入である。どうしてこうなった?


 というか、こういうときのテンプレって『弱い。つまらん』ってなったら容赦なく殺しに来るヤツだよね? どうしてこうなった?


「まぁ、リリア嬢だしねぇ……」


 どうして以下略。




次回、10月30日更新予定です

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― 新着の感想 ―
[一言]  そういえばこれって真王じゃなくて普通に魔王なんだ。実は二種類ある?
[良い点] マジかぁ、リリアさん狙いの暇魔王でした(笑) ナユハさんの成熟バージョン!欠点が無くなって相当魅力的かも〜
[一言] この女たらしめ!ナユハが居るんだから黒髪はもういいでしょ!
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